【中国】華為がイノベーションと知的財産権白書を公表(6月27日)

華為は、2019年6月27日、イノベーションと知的財産に関する白書(正式名称:尊重和保護知識産権是創新的必由之路(知的財産権の尊重と保護は革新のために必須な道))を発表し、知的財産を政治問題としないよう求めた。華為の最高法務責任者の宋柳平(Song Liuping)氏は、深圳本社での記者会見で、知的財産はイノベーションの基盤であり、知的財産を政治問題にすることは世界の技術進歩に脅威となると述べた。さらに、「知的財産権が政治家の道具になると、特許保護制度に対する信頼を失うことになる。一部の政府が一部の企業から知的財産権を奪うことになれば、世界的イノベーションの基盤を破壊するだろう」と語った。

白書は、イノベーションと知的財産権保護が華為が過去30年以上にわたる成功の基礎であると指摘するとともに、2018年末までに合計87,805件の特許を獲得し、その内アメリカ特許は11,152件である。そして、2015年以来、華為が得た知的財産収入は累計14億ドルを超えた。一方、海外で60億ドル以上の特許料を支払い、合法的に他社特許を使用しているが、その80%近くがアメリカ企業に支払われている。

宋氏は、さらに、知的財産権は法に基づき保護される私有財産であり、華為は法的手続きを通じて知的財産権紛争を解決しており、過去30年間の事業と発展の過程での訴訟において知的財産権を悪意で盗用する行為があったと認定された事件はない、そのため華為がそうした理由で裁判所の判決により賠償責任を負うこともなかったと語った。

なお、華為は年間売上の10〜15%を研究開発に投資しており、過去10年間の累積研究開発投資は約730億ドル。 2018年末までに、5Gの研究開発に20億ドル以上を投資しているが、これはヨーロッパと米国の主要機器サプライヤの5Gの研究開発投資額の総合計を超えてる。

白書は、華為のイノベーションと知的財産活動を分析し報告している。目次は下記の通り;
1 持続的なイノベーションは、ファーウェイの基礎である
1.1 マラソンのような研究開発に対する長期投資
1.2 顧客ニーズをめぐる継続的イノベーション
1.2.1 無線基地局アーキテクチャ標準の3G時代に生まれた分散基地局
1.2.2  SingleRANはモバイルネットワークアーキテクチャを新時代に導く
1.2.3 5 Gに10年間20億ドルの研究開発を投入し、世界の発展を牽引
1.3基礎研究投入を重視
1.4開放とイノベーションを堅持
2 長年の投資が華為の革新的なブランドと知的財産を獲得
2.1外部権威機構が華為のイノベーション能力を認定
2.2継続的投入とイノベーションが華為を世界最多の特許保有企業に
3 華為のイノベーションと社会的価値
3.1顧客と消費者に商業価値をもたらし、社会の持続可能な発展を促進
3.2標準団体とオープンソース社会での貢献は産業の加速発展を推進
3.3華為の研究開発力は繰り返し産業資本に価値をもたらす
4 華為は第三者の知的財産権を尊重し、自社の知的財産権の保護も重視
4.1 組織、制度とプロセスで知的財産権管理の合法的コンプライアンスを確保
4.2 業界規則に従い、ライセンス或いはクロスライセンスにより知的財産権を共有
4.3 自己実施により、知的財産権法規、産業政策の継続的な改善を促進
●結論

参考サイト:
プレスリリース
https://www.huawei.com/cn/press-events/news/2019/6/huawei-white-paper-intellectual-property
白書(600KB)
英語 https://www-file.huawei.com/-/media/CORPORATE/PDF/white%20paper/2019/Huawei_White_Paper_on_Innovation_and_Intellectual_Property.pdf 中国語 https://www-file.huawei.com/-/media/CORPORATE/PDF/white%20paper/2019/Huawei_White_Paper_on_Innovation_and_Intellectual_Property_cn.pdf

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