最高人民法院は、12月4日付、「中国裁判所のインターネット司法」白書を初めて公表した。これは中国の裁判所が初めて発表したインターネット時代の司法革新の発展を紹介するものである。
白書は中国語と英語の2ヶ国語版からなり、全文は、前文、本文、結語、付録の4部構成で、5つの角度から中国法院がなしたインターネット上での司法制度と管理効果を示している。英語版は58頁からになる。知的財産権と言っても、著作権の侵害や不正競争行為が主なポイントになっていることには、ご理解ください。
本文は、以下の7部の構成となっている。
1.インターネット司法の全体的な発展
2.インターネット専門裁判機構の建設推進
3.インターネット司法の利便性メカニズムの革新
4.インターネット司法オンライン訴訟メカニズムの完備
5.インターネット司法インテリジェントメカニズムの健全
6.インターネット司法協同統治メカニズムの深化
7.インターネット司法裁判規則体系の構築
付録は代表的で影響力のある典型的な判例10件が紹介されている。
①プラットフォーム事業者と店舗事業者間の消費者保障に関する事件
②インターネット放送でのライブブロードキャスト報酬に関する事件
③インターネットコンテンツの未許可利用による知的財産権等の侵害事件
④ブロックチェーン電子証明書の法的効果が初めて認定された事件
⑤インターネットサービスプロバイダの市場支配的地位の濫用が争われた事件
⑥苦情処理システムを悪用した侵害申立てによる不利益が争われた事件
⑦ビッグデータ資源を盗用し、同種事業使用する不正競争行為が争われた事件
⑧個人情報の漏洩がプライバシー保護の面から争われた事件
⑨携帯電話セキュリティアプリの評価が名誉侵害に当たるかどうかが争われた事件
⑩ネット上の広告を悪用した詐欺行為が認定された事件
参考サイト:https://www.chinacourt.org/article/detail/2019/12/id/4705187.shtml
https://www.chinacourt.org/article/detail/2019/12/id/4704040.shtml