北京市高級人民法院知的財産権法廷は、4月23日付、知的財産権侵害及び不正競争事件を適切に審理し、知的財産権保護の水準を高め、裁判基準を統一し、知的財産権市場価値と協調した損害賠償メカニズムを確立するため、「中華人民共和国著作権法」、「中華人民共和国商標法」、「中華人民共和国特許法」、「中華人民共和国反不正競争法」などに基づき、法律及び最高人民法院の司法解釈に基づき、北京市の裁判実務と結び付け、知的財産権侵害及び不正競争事件及び著作権侵害、商標権及び不正競争事件における損害賠償と法定賠償額の確定おいて考慮する事項及び裁判基準について、次のような意見と基準を制定し、公示・施行した。
本基準は、基本規定以下、全8章101条からなる。
第一章 基本規定
第二章 文字作品の法定賠償の審判基準
第三章 音楽作品の法定賠償の審判基準
第四章 美術作品の法定賠償の審判基準
第五章 撮影作品の法定賠償の審判基準
第六章 ビデオ類作品、製品の法定賠償の審判基準
第七章 商標権侵害の法定賠償の審判基準
第八章 不当競争行為の法定賠償の審判基準
付則
以下は、第1章の基本規定を中心に概要を仮訳してご紹介する。
第一章 基本規定
1.1【損害賠償の確定原則】
損害賠償の確定には知的財産権市場の価値動向を堅持し、補填の原則を遵守し、主に補償、懲罰を補助とする損害賠償司法認定メカニズムを具現化する。
被告は過失により他人の知的財産権を侵害、或いは不正競争行為を行い、損害を与えた場合、損害賠償責任を負わなければならない。
1.2【賠償算定方法と手順】
当事者は権利者の実際の損失、侵害者の利益、許諾使用料(ライセンス料、以下同じ)、法定賠償の順に従い、具体的な賠償算定方法を提供しなければならない。
当事者が後順の賠償算定方法を選択した場合、前順の賠償算定方法で賠償額を確定することが困難と推定できるが、反証がある場合は除く。
当事者は協議により合意した他の合理的な方法で具体的な賠償算定方法を申出ることができる。
1.3【賠償算定方法の立証】
原告は具体的な賠償額、賠償算定方法を明確にするほか、申出た賠償算定方法に基づき立証しなければならない。被告は原告の主張した賠償額と賠償算定方法を認めない場合、具体的な賠償算定方法を申出て、相応の立証を行うことができる。
当事者は具体的な賠償金額の立証において、賠償額の合理的な期間を立証することもできる。正確な算定でも、概算であってもよい。
1.4【賠償算定方法の種類】
同一事件において、当事者は同一の被訴侵害行為に同時に複数の賠償算定方法を申出ることも、異なる被訴侵害行為にそれぞれの賠償算定方法を申出ることもできる。
1.5【賠償算定方法が明確でない場合の対応】
原告が賠償額のみを申出て、疎明後も具体的な賠償額算定方法を申出ないばかりか相応の証拠も提供していない場合、立証責任転換の主張は、通常これを支持しない。
上記原告が一審判決と賠償額に不服で上訴した場合、十分な理由と証拠がないとき、二審法院は一審判決で確定した賠償額について、通常これを調整しない。
1.6【賠償額の説明】 (省略)
1.7【実際の損失と権利侵害利益の確定】 (省略)
1.8【裁量的賠償の適用】 (省略)
1.9【合理的な許可使用料】 (省略)
1.10【法定賠償の適用】 (省略)
1.11【法定賠償の説明】 (省略)
1.12【法定賠償額の確定】 (省略)
1.13【懲罰的賠償の適用条件】 (省略)
1.14【懲罰的賠償の適用方法】 (省略)
1.15【懲罰的賠償での「悪意」の認定】 (省略)
1.16【商標権侵害での「重大な情状」の認定】 (省略)
1.17【営業秘密侵害での「重大な情状」の認定】 (省略)
1.18【懲罰賠償の基数】(省略)
1.19【懲罰賠償の倍数】(省略)
1.20【懲罰賠償と行政処罰、刑事罰の関係】(省略)
1.21【約定賠償の適用】(省略)
1.22【合理的支出の確定原則】(省略)
1.23【合理的支出における弁護士費用の確定】(省略)
1.24【事件関連の合理的な支出】(省略)
1.25【精神損害賠償の適用】 (省略)
1.26【立証妨害の適用範囲】(省略)
1.27【立証妨害の適用条件】(省略)
1.28【立証妨害の解釈と結果】(省略)
1.29【賠償証拠の保全】(省略)
1.30【賠償証拠の秘密保持】(省略)
第二章 文字作品の法定賠償の審判基準(省略)
第三章 音楽作品の法定賠償の審判基準(省略)
第四章 美術作品の法定賠償の審判基準(省略)
第五章 撮影作品の法定賠償の審判基準(省略)
第六章 AV類作品、製品の法定賠償の審判基準(省略)
第七章 商標権侵害の法定賠償の審判基準(省略)
第八章 不当競争行為の法定賠償の審判基準(省略)
付則
本意見は公示日から施行され、『北京市高級人民法院の著作権侵害損害賠償責任の確定に関する指導意見』(京高法発[2005]12号)は同時に廃止、北京市高級人民法院が以前発表したその他の関連規定で本意見と一致しない場合、本意見を基準とする。
参照サイト: http://bjgy.chinacourt.gov.cn/article/detail/2020/04/id/5090617.shtml
http://bjgy.chinacourt.gov.cn/article/detail/2020/04/id/5091211.shtml
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