国務院は、8月14日付、2020年8月7日に国務院令第730号で改正施行された「行政執行機関による被疑犯罪事件の移送に関する規定」を公示した。なお、本規定は、2001年7月に施行され、公安局(警察署)が事件に刑事事件の状況が見られる場合の検察への事件移送に関するものである。
追加条項は2つで、
第3条第2項「知的財産権分野の違法事件は、行政執行機関が調査に基づいて収集した証拠と明らかにされた事件の事実に基づき、犯罪の合理的な疑いがあると判断し、公安機関がさらに証拠を収集し、刑事事件として立件の訴追基準に達するかどうかを判断する必要がある場合、公安機関に移送しなければならない。」
第18条 関係機関は本規定の第15条、第16条、第17条に列挙される違法行為があり、監察機関が法により違法な公職者に処分を与える必要がある場合、その機関とその上級主管機関または関係人民政府は関連規定に基づき関連事件の手がかりを監察機関に移送し処理しなければならない。」
改正条項は
第18条が第19条となり、「行政執行機関は法により違法行為を取り締まる過程で、公職者が汚職賄賂、職務怠慢、または職権を利用して公民の人身権利と民主的権利を侵害するなどの違法行為を発見し、職務犯罪の疑いがある場合、刑法、刑事訴訟法、監察法などの法律規定に基づき、速やかに事件の手がかりを監察機関または人民検察院に移管し、処理しなければならない。」
ところで、知的財産権事件が刑事事件として移送されるのは商標権侵害や著作権侵害が主であるが、移送にかかる証拠は民事訴訟でも利用できる可能性がある。レイドでは弁護士が同席し、証拠の選定や民事訴訟での使用度など確認することが好ましい。調査会社がレイドを担当した場合、そうした証拠の活用の手続きができないことがほとんどである。
参照サイト:http://www.gov.cn/zhengce/content/2020-08/14/content_5534841.htm