ミャンマー商業省は、8月28日付、商業省通知No.63/2020で商標法に基づく登録に関する通知を公表した。この通知は、商標制度を先使用主義(First to Use System)から先願主義(First to File System)に移行するもので、商標法第93条(a)に規定される標章の権利者、つまり商標法施行前に登記所に警告通知登録済み商標(Cautionary Notice)救済の登録をした権利者の商標の受理開始/暫定導入のためのものであり、懸案のソフトオープン(Soft Opening)に関する通知である。
当初、ソフトオープンは2019年の12月を予定していたものであるので、10か月遅れの導入となった。このため、正式な商標制度の導入は6か月後の来年4月で同時に意匠法と著作権法が施行され、更に特許法の施行は更に6か月後の来年10月からになると予想される。
ソフトオープンでの救済手続き期間は6か月後の来年3月末までとなる。
出願手続きは、現地代理人を通じた手続きとなり、商標分類と指定商品を明確にする必要がある。なお、オフィシャルフィーなどは別途公示される。
警告通知登録済み商標(Cautionary Notice)の出願の必要書類は以下の通り:
a)登記所で登録した標章
b)登記証(コピー)
c)新聞などでの公告したことの証明
d)実際の使用資料
e)広告などの資料
f)使用を立証する納税領収書或いは費用領収書
g)権利者に変更がある場合の証明書類
h)その他の書類(警告通知登録に関連)
注:商標自体や分類と指定商品は変更できない
(以下、9月4日加筆) 代理人からの情報によると、警告通知未登録で使用証拠を提出できる商標についても、救済手続きで出願ができるようである。この場合の必要書類は下記の通り:
1)商標見本
2)分類と指定商品
3)使用を立証する納税領収書或いは費用領収書
4)当該商標を使用した広告や営業活動を示す証拠
5)ミャンマーでの実際の当該商標の使用証拠
6)権利者に変更がある場合の証明書類
(以下、9月19日加筆) ソフトオープン中の救済出願の出願日は、原則、2021年3月末までの手続き期限中であれば、商標法正式施行日(2021年4月1日?)に統一される。条件としては、オフィシャルフィーを支払っていることであり、救済出願を期限内に行っても、オフィシャルフィーの支払いが施行日以降であれば、出願日は支払い日に繰り下がる。オフィシャルフィーの公示は来年2021年2月ごろと予想されるため、現在急いで救済出願をする必要はなく、オフィシャルフィーの公示を待って、必要な書類と適切な出願内容を確定し、救済出願を行うことが好ましい。