【韓国】デザイン保護法改正(10月21日施行)

韓国政府は、物品の外観形態がない、或いは、物品に表示されない画像について意匠登録及び保護を認めるデザイン保護法(日本に意匠法)の改正を2021年3月24日付で議決し、4月20日に公布した。改正法は公布後6ヶ月の2021年10月21日から施行される。

今回の改正では、画像を「デジタル技術または電子的方式により表現される図形・記号等で、器機の操作に利用され、または機能が発揮されるものに限定」すると規定し、実施行為を「画像を生産・使用・電気通信回線を通じた方法で提供し、もしくはその画像を電気通信回線を通じた方法で提供するための申出(電気通信回線を通じた方法で提供するための展示を含む)をする行為、或いは、その画像を保存した媒体を譲渡・貸渡し・輸出もしくは輸入し、またはその画像を保存した媒体を譲渡もしくは貸渡しするための申出(譲渡または貸渡しのための展示を含む)をする行為」と規定して保護を強化することにした。一方で、著作権法との関係では、保護を受ける応用美術著作物と画像デザインの区別が難しいと改正に対する指摘がされている。

従来、韓国の意匠保護では、2003年から審査基準上「物品の液晶画面など表示部に表示される図形など」を画像デザインとして保護してきたが、これまでの日本同様物品性を要件としていた。日本の改正もあり、今回の改正で物品性を排除し、ホログラム、仮想キーボード、投影・投射による画像もデザイン登録を受けることができるようになるため、日本の出願を韓国に優先権主張して出願できるようになる利便性が広がる。施行規則は5月以降に取りまとめられるため、KIPOに対する聴取では以下のことが分かっている。

1)優先権主張
 優先権主張は施行日6か月前からの基礎出願から可能。
2)意匠名称
 日本の出願の援用ができる模様で、従来は「画像デザインが表示されたディスプレイパネル」などで物品の記載が必要であったが、「‥‥用画像」のような表現とすることができる。
3)その他
 調査をする場合は、ロカルノ分類の14類に入る模様だが、今後指針が出される可能性がある。
 機能性のない画像につては従来通り物品性を伴う出願が好ましいと思われる。

出展:Kim&Chan