【中国】市場監督管理総局は「不正競争防止十大影響イベント」を発表(7月16日)

国家市場監督管理総局は、2021年6月10日、創立以来、立法、法律執行、一般法、能力構築などの面から象徴的、独創的、先駆的な面から不正競争に対する影響力のある十大イベントを発表し、7月16日付、そのサイトで公表しました。こうしたイベントは市場監督部門が法整備、厳格な執行、部門協力の強化、管理保護方法のイノベーションなどの面で著しい成果を収めたとしている。

イベント1:「不正競争防止法(反不正競争法)」を2回連続で改正
 公正な競争を奨励および保護し、市場経済秩序を維持するための国の基本法として、2017年と2019年に連続して改正し、社会主義市場経済システムの改善、質の高い開発を促進するための法的基盤を築いた。

イベント2:全国人民代表大会常務委員会は法律執行検査を展開
 委員会は2020年に法執行検査チームを設け、湖南省、広東省、四川省、黒竜江省、上海、北京、その他6つの省で36の企業の立入検査、58の企業と19の業界団体にヒアリングを実施し、19のシンポジウムが開催された。

イベント3:省庁間合同会議制度の設立と部門間の協力体制の構築
 2020年11月12日の国務院の同意を得て、市場監督管理総局に不正競争防止のための省庁間合同会議制度が設置され、最初の会議が2021年4月30日に開催された。新興分野、デジタル経済などを重点分野とした不正競争行為に対する監督管理と法律執行を強化、監督管理方式を改革し、部門間の連動、協調、共同管理業務パターンを構築する。

イベント4:「ヘルスケア」市場の秩序を促進するための法律と命令
 2018年末に市場監督管理総局は13の部門と連携し、「ヘルスケア」市場の混乱を是正する100日間キャンペーンを展開した。この間、「6つ重点整備」、「10の違法行為」に関し、31,684件を立案し、事件価値総額137.72億元、罰金総額11.57億元となった。そのほか、消費者の投訴4.4万回、消費者の経済損失1.23億元に及んだ。この内、典型事例130件を公表し、効果的な抑制ができた。

イベント5:「瑞幸咖啡」財務偽装事件
 2020年4月、市場監督管理総局は架空取引やその他の不正競争行為の疑いのある瑞幸咖啡(中国)有限公司と瑞幸咖啡(北京)有限公司及び北京、福建、上海の事件に関与した21の関係会社を100名以上の法執行官を同時に派遣し調査を行い、9月18日に北京车行天下咨询服务有限公司、北京神州优通科技发展有限公司、征者国际贸易(厦门)有限公司などを含む45社に行政処罰及び6100万元の罰金を科した。対象となった企業は、「中概股企業」と呼ばれ、中国人或いは中国企業が外国で上場した会社であり、中国での順法コンプライアンス意識を経営者に求めた事例で、国内のメディアで大きく取り上げられた。

イベント6:一般的方法のイノベーションによる不正競争対策の向上
  2019年12月18日に市場監督管理総局は北京に全国の16省、区、市レベルの法執行官を集め、不正競争防止法の典型事例として、「ヘルスケア」市場の混乱を是正する100日間キャンペーンの成果を共有し、能力向上活動を行った。

イベント7:浙江省の営業秘密保護方式イノベーションによる企業保護発展
 浙江省は2020年、「十区百県千企業」モデルプロジェクトにより、率先して営業秘密保護拠点1383で、国内初の「営業秘密保護と管理規範」を制定し標準化を推進した。2021年には、省レベル基地50と市レベル基地200が設立される。企業による自主的保護、企業人員と技術情報管理及び商業秘密保持権応急処置など、企業自らのコンプライアンス、高品質発展を支援している

イベント8:上海市は上海市不正競争防止条例を改訂
 上海市人民会議常任委員会は、国内初の「上海市不正競争防止条例」を改正し、2021年1月1日より施行した。改正は不正競争行為に対する事前・事中・事後の一連の規制を重視し、リスク予防・解決の展望・システム性・協調性を高める内容になっており、市場の公平な競争秩序を維持するためにさらに基礎を固め、必ず法律執行の実践と企業のコンプライアンスのためのより明確な規範と指針となっている。

イベント9:四川省で特別プロジェクト「春雷行動」による市場秩序保護
 四川省では「红盾春雷行動」を5年間継続し、2018年11月より「春雷行動」に改め、主に元日と春節の特別期間に有名酒類、食品、医薬品、タバコなどの産業や分野での不正競争に対する100日間プロジェクトで、違法行為を徹底的に調査し、多くの典型的な事例を明らかにし、多くの事業活動を標準化し、「一事件調査、警告、数年間抑止」の目標の達成に努めた。この3年間の成果は、執行1.5万件、行政指導1.8万件、投訴処理24万件。内、立案処理は10.4万件、事件価値総額11.4億元、罰金没収総額6.5億元、司法移送396件。

イベント10:江蘇省は「インターネット架空注文不正競争事件処理指南」でネット取引環境を浄化
 改正された不正競争防止法は増加する虚偽取引行為に関する対策規定が追加されている。全国市場監督管理システムは「刷单炒信(さくら行為)」に速やかに「雷霆行动(一斉検挙)」を開始したが、その中で、江蘇省のみがさくら行為79件、6.29億元を検挙するとともに、80万元の行政処罰を科した。2021年2月5日、江蘇省市場監督管理局は「江苏省互联网刷单炒信不正当竞争案件办案指南」を制定し、さらに指導を強化する。

参照サイト:http://www.samr.gov.cn/jjj/fbzdjz/202107/t20210716_332751.html