最高人民法院は、10月29日に新聞発表会を開催し、9月24日作成された司法意見、「最高人民法院による新時代の知的財産権審判業務を強化し、強大な知的財産権国家の建設のために強力な司法サービスと保障を提供することに関する意見(最高人民法院关于加强新时代知识产权审判工作为知识产权强国建设提供有力司法服务和保障的意见)」(法発(2021)29号)を発表した。
この意見は、政府が「十四五(第14次5五か年)計画」と「知的財産権強国建設要綱(2021-2035年)」による中国の知的財産権事業の今後の15年の発展に向け、公平で効率的、科学的管轄、明確な権限、完備したシステムによる知的財産権の司法保護制度に改善することを明確に出したことを受け、政府の知的財産権強国建設に関する重大な方策・配置を徹底させるため、最高人民法院は十分な調査と幅広い意見募集を基礎に、人民法院の実務と結びつけて、本意見を制定したものである。
意見では、新発展段階に立脚し、新発展理念を貫徹し、新発展パターンを構築し、高品質の発展を推進する高度な戦略から出発し、「知的財産権保護はイノベーションを保護すること」の理念を堅持し、新時代の知的財産権司法保護のニーズと社会的関心に積極的に応え、業務業務に対する要求、公正な司法、効率の向上、改革の推進について、4分野20施策をまとめており、新時代の知的財産権審判の全面的な強化を行うとしている。その概要は以下の通り:
1.「国之大者(国家における大事なもの)」を念頭に、新時代の知的財産権審判の全体的な要求を強化(3項目)
人民法院は新時代の知的財産権審判のあり方を理解し、司法保護体制の改善と審理に対する責任感と使命感を強化し、「すべての司法事件で国民が公平・公正を感じられるよう努力する」という目標を持って、人民利益至上主義、厳格平等な保護の堅持、公正合理的保護の堅持、相互協力の堅持、社会的公平公正と知的財産権者の合法的権益の確保を着実に行う。
2.法により9分野の事件を公正かつ効率的に審理し、知的財産権審判職能の十分な発揮(9項目)
知的財産権司法保護強化分野を科学技術のイノベーション成果、著作権と隣接権、商標、新分野の知的財産権、農業の科学技術成果、漢方医薬の知的財産権、営業秘密、独占禁止と不正競争防止、科学技術イノベーション主体の合法的な権益など9分野とし、審判職能を十分に発揮し、イノベーションと創造の活力を支援する。
3.知的財産権司法保護全体の機能を向上させ、イノベーションと創造のために法治環境の構築(5項目)
法による懲罰賠償の適用した損害賠償と処罰の強化、虚偽訴訟や悪意訴訟などに対する規制を強化、知的財産権濫用の防止などによる信義誠実のメカニズム建設を推進する。知的財産権紛争解決に行政調停、行政と司法の連携強化などに改善する。国際的な知的財産権紛争での影響力を強化し、国内外の当事者の合法的権益の平等な保護環境の構築、国際影響力の向上、国際的訴訟優先地の構築など影響力を強化する。法治宣伝教育や法治環境を構築する。
4.知的財産権審判のイノベーションの推進、審判メカニズムと能力の現代化を推進(3項目)
高レベルに専門化した審判メカニズム、審判チーム設置による専門家や国際化の推進及び情報技術を活用したインテリジェンス裁判所の建設を強化する。