国家知識産権局(CNIPA)は、1月13日付、かねてより改正予定としていた第5回目の商標法改正のための草案を意見募集稿として公示し、一般からの意見を募集している。意見提出の期限は2月27日である。
CNIPAの商標法改正草案(意見募集稿)の説明によると、現行の「商標法」は1993年、2001年、2013年、2019年に改正されており、今回は5回目となる。今回の改正の基本方針は、民法典施行以降に残る一般法との不整合の調整、国家組織の変更に伴う名称変更、また過去の改正での条文配置の乱れの調整もあると思われるが、大きな題目としては、中国の商標ブランドの建設、問題となっている販売目的の「先取り登録」や実際に使用されていない「遊休商標」の調整、電子商取引時代に必要な条項の整備、行政主導での違法行為や侵害行為に対応のための追加や改正である。
本意見募集稿は、10章101条からなり、新たに23条が追加され、現行45条が修正されている。一方、章立てが以下のように変更し、全体的に現行の各条項が再編成再配置されている。
第一章 総則
(新設)第二章 商標登録条件
第三章(現二章) 商標登録出願
第四章(現三章) 商標登録の審査及び認可
第五章 登録商標の無効宣告と取消
第六章(現四章) 登録商標の更新、変更、譲渡と使用許諾
第七章(現六章) 商標の使用と管理
第八章(現七章) 登録商標専用権の保護
(新設)第九章 商標の使用、役務と商標ブランド構築の促進
第十章 付則
改正案の説明による改正の主な題目は以下の通り:
1.時代の発展に応じた経済社会の質の高い発展対応
第2章と第9章の追加
2.社会の公平と正義を守り、公平な競争の市場秩序の構築
悪意、欺瞞や不正手段による商標出願の規制、権利行使や商標代理業の規範化、
3.権利確定手続の改善
異議申立期間を2か月に短縮、商標出願費用未払い出願の抹消、重複登録の禁止規制、再出願まで留保対象と期限の明確化、出願と利下と抹消の規定追加、被異議申立の再審制度廃止
4.商標使用義務の強化
5年ごとの使用状況報告義務、団体と証明商標規定の改善
5.商標専用権の保護強化
EC取引での保護強化、刑事罰の活用強化、懲罰的賠償の対象を悪意から故意に調整、馳名商標の保護レベル拡大
6.商標の監督管理の強化
違法行為に対する処罰強化、地理的標識の保護強化、商標標識記載義務、団体と証明商標の管理義務の強化
7.その他
権利主体の表現を「自然人、法人或いは非法人組織」に統一、政府機関の公式エンブレムの届出
本改正案は、まだたたき台のレベルであるために司法の義務などが含含まれるけでなく、アメリカ並みの5年ごとの使用状況報告義務、また同一商標再出願規制など今後の反対の意見が多く出されることが予想されるところ、当方としては、14条、18条、21条、32条、39-40条、45-46条、50条、60-62条、64条、83-84条である。ひとりごともご参照ください。
参照サイト:http://www.cnipa.gov.cn/art/2023/1/13/art_75_181410.html
部分訳