韓国知的財産庁(KIPO)は、2022年2月3日に法律第18817号で成立した再審査請求と部分拒絶の導入を2月4日の出願より適用を開始した。
1.再審査請求制度(新設 第55条の2、第40条第1項第1号)
指定商品や役務の補正や削除で拒絶理由を解消できる場合でも、対応方法が拒絶決定不服審判請求のみであったが、改正により、拒絶査定後、指定商品や役務を補正或いは削除などの減縮により拒絶理由を解消できる場合、審判でなく再審査請求で対応できるようになった。
第55条の2
①第54条に基づく商標登録拒絶決定を受けた者は、その決定の謄本送達日から3か月(第17条第1項に基づいて第116条による期間が延長された場合にはその延長された期間)以内に指定商品或いは商標を補正して当該商標登録出願に関する再審査を請求することができる。ただし、再審査請求時に既に再審査に基づく拒絶決定、第116条に基づく審判請求がある場合は、除く。
②出願人は第1項に基づき再審査の請求とともに意見書を提出することができる。
③第1項に基づき再審査請求された場合、当該商標登録出願に対する従前の商標登録拒絶決定は取消したものと見做す。ただし、再審査の請求手続きが第18条第1項に基づき無効となった場合は、除く。
④第1項に基づく再審査請求は取下ることができない。
2.部分拒絶(第57条、第68条、第87条ほか)
拒絶理由が指定商品や役務の一部のみにある場合でも出願全体が拒絶されていたが、改正により、拒絶の対象が指定商品や役務の一部のみである場合、出願人が指定商品や役務を削除するなどの手続きを取らなくても拒絶理由のない商品や役務が登録に進むようになる。また、拒絶査定不服審判請求ので、これまで全商品や役務を対象に審判請求する必要があったが、改正により、拒絶絶決定された商品や役務のみ或いはその一部を対象として不服審判請求することができる。
第57条第1項各号以外の部分本文中の「場合は」を「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合は、当該指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)は」に改め、同項第2号中「商標登録出願」を「商標登録出願の指定商品」に改める。
第68条中「場合は」を「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合は、当該指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)は」に改める。
第87条第1項各号以外の部分に以下を新設し、同条に第④項を次のように新設する。
この場合、指定商品追加登録出願の指定商品の一部が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該指定商品のみに対して指定商品の追加登録拒絶決定をしなければならない。
④審査官は第②項に基づき拒絶理由を通知する場合、指定商品別に拒絶理由と根拠を具体的に書かなければならない。
なお、法律第18817号で同時に成立した以下の商標評の使用行為は、昨年8月に施行されている。
第2条第1項第11号ロ目「譲渡、引渡、譲渡或いは引渡の目的で展示・輸出若しくは輸入」を「譲渡、引渡、電気通信回線を通じて提供する行為或いはこれを目的とした展示、輸出・輸入」に改める。
以上