アメリカ特許商標庁(USPTO)は、2月27日付、特許証の電子発行を2023年4月18日よりeGrants(電子的特許付与)サイトを通じて開始すると公示した。eGrantsは、紙の特許証発行による紙の無駄を削減するとともに環境に配慮し、利便性のある電子形式(PDF)で配信する新しいプロセスである。
このeGrantsにより、USPTOにおける印刷や郵送の業務が大幅に減少し、潜在的な特許登録までの期間短縮だけでなく、年間の印刷と郵送のコスト約200 万ドルが節約できる。一方、特許権者の連絡担当者(代理人)は発行日(毎週火曜日)に電子特許証を PDFで受け取ることができるようになる。
電子特許証の対象は実用特許、意匠特許、植物特許及び再発行特許で、従来の特許証のシールと長官の署名に代わる電子シールと長官の電子署名が適用される。特許権者は手元でそれを印刷することができる。なお、当面、補正証書と再審査証書は電子証書として発行されず、後日その対応が公示される。USPTO移行期間中、特許権者の連絡担当者は、Patent Center のeGrants にアクセスし、電子特許証の他に、製本された紙バージョンの記念特許証のコピーを受け取ることができる。また、USPTO のサービスセンターで記念特許証のコピーを追加料金で入手することもできる。
リボン付きの特許証がなくなるのは残念だが、特許公報の発行が早くなるのであれば、認可通知での官費支払い後、発行日の前日までに分割出願などの手続きができるが、それに失敗がないよう官費の支払いと同時に必要な手続きを怠らないよう注意が必要となる。
参照サイト:https://www.uspto.gov/patents/apply/patent-center/egrants?utm_campaign=subscriptioncenter&utm_content=&utm_medium=email&utm_name=&utm_source=govdelivery&utm_term=
FAQ https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/egrant-faqs.pdf