国家知識産権局(CNIPA)は、6月5日付、特許や商標の出願統計ポートである国家知識産権局2022年度報告を公示した。この公示により2022年度の特許と商標の出願状況を知ることができる。
20212度の実用新案特許出願は非正常特許出願対策などで減少するのではと注目されていたところ295万件と前年比+3.5%伸びた。発明特許出願は161.9万件と前年比+2.1%の増加、意匠特許出願は79.4万件と前年比▲1.4%減少した。なお、今年2023年の1-4月は当社サイトで報告のように、実用新案特許は対前年比▲26.8%の減少となってる。
一方、2022年の外国からの出願は全体的に減少した。日本からの発明特許出願は近年減少を続けており対前年比▲3.7%と減少し。実用新案も意匠特許も出願が減少した。
2022年5月に加盟が発効したヘーグ協定国際意匠出願は1286 件、外国からの中国指定は607件であった。
発明特許取得トップ10は以下の通り:
(中国)1.Huawei華為技術5,805件、2. Tencent騰訊4,076件、3.Sinopec中国石油化学3,772件、4.Oppo広東移動通信2,875件、5.BOE京東方科技2,748件、6.Gree珠海格力電器2,545件、7.inspur浪潮2,426件、8.Vivo維沃移動通信2,327件、9.ZTE中興通訊1,862件、10.Baidu百度1,483件。
(外国)1.Samsung三星電子1,785件、2.トヨタ自動車1,729件、3.Qualcommクアルコム1,231件、4.本田技研1,213件、5.Boschロバート・ボッシュ1,199件、6.三菱電機1,086件、7.LG電子886件、8.Fordフォードモーター868件、9. パナソニック855件、10.キャノン849件。
審査関連では、発明特許の平均審査期間が16.5か月(前年18.5か月)、高価値特許の審査期間が13か月(前年13.3か月)とそれぞれ短縮された。
復審(審判)関連は、以下の通り。特許出願拒絶不服は実用新案特許出願は259.1%大きく増加しているが、これは非正常出願との認定を受けた案件の対応と思われる。発明特許出願が前年比+31.4%、意匠特許出願が85.8%といずれも増加が大きい。特許無効宣告は紛争が減少しているとの報告もあり、何れの種別も前年を下回った。
商標は出願も登録も▲20.5%と大きく減少した。今年2023年1-4月期も▲49.5%の減少しており、悪意出願などに対する却下処理や地方政府の知識産権局の対応によるものと思われる。外国からの出願も▲17.8%減少したが、今年2023年1-4月期も▲46.1%の減少している。異議申立、無効取消は相変わらず30%程度の増加を示している。
異議申立は▲17.2%減少しており、悪意出願や非正常出願が減少しているものと思われる。無効取消のみが+4.2%と増加した。
詳細は報告書でご確認ください。