中国国務院は、6月29日、国務院令第785号を公示し、2024年4月26日に国務院第31回常務会議で採択された「レアアース管理条例(稀土管理条例)」を2024年10月1日に施行することを公布した。
本条例は、レアアースが重要な戦略的資源であり、これまで政府はレアアース関連産業のアクセス基準、環境保護などに多くの政策や措置を導入してきたが、レアアース管理には依然として産業チェーン全体をカバーする管理責任と規制措置を早急に改善する必要があるとして、違法や不法な採掘、製錬分離、割当量を超えた生産、製品の売買などに対する規則や罰則を強化したものである。条例は32条から構成されるが、管理と罰則の面から以下の条項に注意が必要である。
本条例にいうレアアースは、30条に「ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムなどの元素の総称をいう。」と規定し、4条に「レアアース資源は国に帰属し、いかなる組織や個人もレアアース資源を横領、破壊してはならない。」と規定している。
本条例の適用範囲は、2条に「中国内におけるレアアースの採掘、製錬及び分離、金属製錬、総合利用、製品流通、輸出入などの活動」と広い範囲となっており、5条以下に国の管理指導の下で事業ができることが明記されている。そして、14条では関連企業にトレーサビリティ記録」を求めるとともに、15条ではレアアース製品及び関連技術、技術、装備の輸出入は、関連対外貿易、輸出入管理に関する法律、行政法規の規定を遵守しなければならないとし、輸出入管理条例の対象となることに注意が必要である。
違反した場合の処罰は20条以下に規定されているが、違法取得利益の10倍以下或いは500万元以下の罰金、業務停止処分などが科さされる。
参照サイト:https://www.gov.cn/zhengce/content/202406/content_6960152.htm