【中国】「2024年中国企業の外国知的財産紛争調査報告」(7月31日)

中国知的財産研究協会(CNIPS)は、7月31日、「2024年中国企業の外国知的財産紛争調査報告」(2024中国企业海外知识产权纠纷调查)をそのサイトで報告した。これまで2年に亘り「アメリカでの知的財産権紛争調査報告」としていたが、2023年度は欧米や日本など諸外国も含む調査報告書と収録範囲を拡大し、下記の3部約80頁の構成となっている。

第 1部 アメリカにおける知的財産紛争
第1章 全体の訴訟状況
第2章 特許訴訟
第3章 商標訴訟
第4章 営業秘密訴訟
第5章 越境電子商取引訴訟
第6章 337調査
第2部 その他の主要国・地域における知的財産紛争
第7章 全体の訴訟況
第8章 特許訴訟
第9章 商標訴訟
第3部 海外の知財制度視察

 報告内容で、2023年に中国企業がアメリカでの知的財産権訴訟は、1,173件と前年比+19.0%と増加し続けている。この内訳では、特許訴訟447件(対前年比+56.1%、以下同じ)で中国企業2,452社(+167.4%)、商標訴訟757件(+5.4%)で中国企業16,793社(+98.8%増)、営業秘密訴訟23件(+27.8%)で47社(+27.0%)である。業種別にみると、特許では製造業(36.6%)、卸売・小売業(36.6%)、商標訴訟では主に卸売・小売業(82.56%)で、地域では主に広東、福建、浙江などの省市に分布し、広東企業は3割近くを占める。訴訟結果は、特許訴訟で和解・取下での結審が65.7%の、商標訴訟では被告が訴訟に応じず敗訴66.1%である。平均賠償額は、特許で2371.72万ドル、商標訴訟で117.98万ドルであった。

 他の国と地域での特許、商標訴訟事件は89件、結審は141件。この内、特許訴訟事件は71件(前年比+47.9%、以下同じ)、商標訴訟事件は18件(-43.75%)で、関与する中国企業165件(+60.2%)増加し、そのうち77%が中国企業だった。特許訴訟の平均賠償額は約330万元だった。

参照サイト:http://www.cnips.org.cn/a18979.html