国家知識産権局(CNIPA)は、9月3日付、特許や商標の出願統計データを含む国家知識産権局2023年度報告を公示した。この年報は、CNIPAの2023年度の活動内容を紹介するものであるが、2023年度の特許と商標の出願状況を唯一知ることができる。
2023年度の特許出願は全体で対前年比3.7%の増加し、2022年まで減少し続けた実用新案と意匠特許出願で、国内出願がそれぞれ3.8%、3.4%と伸びたことは大きな変化である。非正常特許出願対策が一段落したといえるだろう。発明特許出願は167.7万件と+3.6%の増加となってる。
一方、2023年の外国からの出願は意匠出願が▲4.1%と減少した、実用新案特許出願が4.1%増加している。日本からの発明特許出願は近年減少を続けていたが対前年比+2.2%と増加に転じた。実用新案と意匠特許出願は引き続き減少している。
2022年5月に加盟が発効したヘーグ協定国際意匠の中国企業の出願は1814件(前年1286 件)と41%増加した。外国からの中国指定は1974件(前年607件)と3.25倍と大きく増加した。
発明特許取得トップ10は以下の通り:
(中国)1.Huawei華為技術4,529件、2. Tencent騰訊4,480件、3.Sinopec中国石油化学4,257件、4.Baidu百度3,638件、5.Oppo広東移動通信3,236件、6.BOE京東方科技2,895件、7.Gree珠海格力電器2,844件、8.inspur浪潮2,587件、9.平安科技1,862件、10.NONOR荣耀2,193件。
(外国)1.Samsung三星電子2,301件、2.トヨタ自動車1,490件、3.Qualcommクアルコム1,398件、4.セイコーエプソン1,184件、5.LG電子1,157件、6.本田技研工業1,066件、7.三菱電機1,053件、8.SKハイニックスる955件、9.ボッシュ932件、10.サムソンディスプレイ854件。
審査関連では、発明特許の平均審査期間が16か月(前年16.5か月)と目標を達成した。
復審(審判)関連は、以下の通り。特許出願拒絶不服再審は実用新案特許出願が2022年より急増しており、2023年19%弱減少したもの、6千件を超えている。意匠特許出願も21%増加しているが、AIを活用した非正常や進歩性判断による拒絶査定に対する不服が多いと考えられる。特許無効は前年が減少したが、何れの種別も前年を大きく上回る増加を示している。
商標は出願も登録も減少した。悪意出願などに対する却下処理や地方政府の知識産権局の対応によるものと思われる。外国からの出願も▲5.8%減少したが、日本からは▲19.8%と大きく減少している。
異議申立は▲21.1%減少し、無効申立も▲0.7%減少し、悪意出願が減少しているものと思われる。不使用取消のみが+33.7%と増加しており、まだ不正出願の登録対策が多くあることがわかる。
詳細は報告書でご確認ください。