【ウクライナ】戒厳令下の知財法の適用中止(4月16日)

ウクライナ議会は、2025年4月16日、2022年4月1日に公布された「ロシア連邦のウクライナに対する軍事侵略に関連する戒厳令中の知的財産権の個人の利益保護に関する法律」を廃止する「発明および実用新案の特許の自動延長を廃止する法律」第9383号を可決した。新法は、ウクライナ大統領の署名後、正式公布から30日後に発効する。現状では、1~2か月後に発効すると予想されている。

新法が発効することでの注意点は下記の通り;
1.停止されていたすべての法定期限運用の再開
 各期限は停止前に経過した期間を考慮して再開される。但し、経過措置として、最低75日間の猶予期間の適用を受けることができ、猶予期間内に行われた知的財産関連の手続きや手数料の支払いは、期限内に行われたものと見做される。

2.75日間の猶予期間
 新法では、施行日から75日間の猶予期間が設けられ、知的財産権の維持に関連する滞納料金の支払いを期限内に行える。そのため、現地での手続き状況を確認し、中断された未処理の手続きや納付の案件を確認し適切に処理することが勧められる。

3.新法の適用で特許(実案含む)の自動延長は廃止
 2022年4月から中断していた期限カウントが再開するため、既に満了日を向かえていた特許は自動的に失効する。

4.新法施行後、通常の手続き期限の適用
 新法が施行されると、手続期限、手数料や年金の支払い期限、更新手続き期限、権利期間、異議申立期限などに猶予期間は適用されないため、新規の手続きにも注意が必要である。

情報ソースは、ウクライナ周辺国の複数の代理人からものであり、ウクライナ知財庁では確認できていない。

参照サイト:ウクライナ知財庁 https://nipo.gov.ua/en/