国家市場監督管理総局(SAMR)は、6月3日、独占禁止法(反垄断法)第18条3項の規定を履行し、独占合意の「セーフハーバー」制度の適用条件を具体的に策定し、事業者と法執行機関により明確で具体的な指針を提供するため、「独占合意禁止規定(改正草案意見募集稿)(禁止垄断协议规定(修订草案征求意见稿))」を起草した。一般からの意見を2025年7月3日まで募集する。
改正は、以下の通り17条を追加改正し、18条を新設した。2022年の改正独占禁止法では、第18条にセーフハーバー条項である第3項を追加したが、原則的な規定であり、独占禁止法執行機関が具体的な市場シェア基準などの条件を決めることを明確に規定している。本規定の17条も同様に原則的規定にとどまっていたために、明確な基準値を提示して、基準と条件を明確にすることを目的としている。
第17条 事業者と取引相手が合意を達成し、事業者は合意に参加した事業者の関連市場における市場占有率が市場監督管理総局の規定する基準を下回り、かつ市場監督管理総局が規定するその他の条件に合致していることを証明できる場合、これを禁止しない。 事業者が「独占禁止法」第18条1項(1)号及び(2)号に規定する合意は(3)号に適合すると主張する場合、関連市場における市場シェアが5%未満であり、且つ以下に掲げる条件に適合することを証明する必要がある:
(1) 取引相手の関連市場における市場シェアが5%未満である;
(2) 事業者と取引相手の関連市場における年間売上高がいずれも1億元を超えない。
事業者が「独占禁止法」第18条1項(3)号に規定する合意は(3)号に適合すると主張する場合、前項に規定する市場シェアを15%、売上高を3億元で適用する。
取引相手が複数ある場合、同一の関連市場における市場シェア、売上高は、合算する。
合意に競争を排除、制限する効果を備えることを証明する証拠がある場合、本条の規定は適用しない。
国務院独占禁止法執行機関が特定の業界、分野或いは特定の合意に「独占禁止法」第18条3項を適用する別段の規定がある場合、その規定に依拠する。
(新設)第18条 事業者が調査された合意が本規定第17条に掲げる市場シェア及び条件に適合することを証明する場合、独占禁止法執行機関に申請書と以下に掲げる資料を提出しなければならない:
(1) 事業者と取引相手方との合意の締結と実施に係る情況;
(2) 事業者と取引相手との株式構成及び支配関係、関連市場における事業情況;
(3) 事業者と取引相手との合意期間中の年間市場シェア、年間売上高、及び算定根拠;
(4) 事業者が本規定第17条に掲げる市場シェア及び条件に適合していることを証明するその他の資料。
独占禁止法執行機関は、事業者が提出した資料を確認後、合意が本規定第17条の規定に適合していると認定した場合、立件されていなければ立件調査せず、立件されていれは調査を終了する。
独占禁止法執行機関は、前項の立件しない或いは調査終了の決定を下したが、事業者が提供した情報が不完全、真実でない、或いは根拠となる事実に重大な変更が生じた場合、法に基づき調査を実施しなければならない。
参照サイト:https://www.samr.gov.cn/hd/zjdc/art/2025/art_7f869933359940d4b9dc584536b1072b.html