北京市知識産権局は、7月2日、2025年世界デジタル経済会議「知的財産とデジタル経済エコシステム構築フォーラム」において、データ知的財産保護典型事例を10件発表し、そのサイトに7月8日に掲載した。
データ知的財産権(数据知识产权)は、2021年に「知的財産権強国建設要綱2021-2035」と「第14次5か年計画期間における国家知的財産権保護と運用計画」で、新たに保護する対象として法令の整備や運用について言及したもので、2021年から浙江省、上海市、深圳市で先行してプロジェクトが開始され、北京市、江蘇省、福建省、山東省、広東省を含めた試行が2022年に開始されている。保護対象は、保有者が法令や契約に基づき収集整理した商業的価値或いは知的成果が含まれるデータセットであり、各地の保護センターなどに登録することで一定の保護要件を満たすことになる。その登録の事実は、各地の関係プラットフォームで確認することができる。
北京市は、2023年5月に「北京データ知的財産登録管理弁法(試行)」を公布し、翌6月から登録が開始され、2025年6月現在、136の申請者から501件が申請され、一般に公告後、355件が異議なく登録されている。今回発表された10の典型事例は、次世代情報技術、医療保健、省エネ・環境保護、人工知能、科学技術サービスなどハイテク産業に関するものであり、データセットの応用分野は、スマートシティ、スマート医療、スマート農業、企業管理、電子商取引、消費者サービスなど、様々な分野に及び、北京市におけるデータ知的財産の試行作業の情況がよく反映されている。今後の進展に更に注目する必要があろう。
事例1:中航材導航技術(北京)有限公司の全世界航空ナビゲーションデータセット
事例2:中国科学院大気物理研究所の全世界気象・気候精密予測データセット
事例3:国家糧食和物資儲備科学研究院の穀物マイコトキシン研究データセット
事例4:国家電網北京電力公司傘下海淀電力公司の海淀スマートエネルギーシティ脳電視デュアルカーボンモニタリングデータセット
事例5:北京知產宝網絡科技発展有限公司の知的財産ビッグデータ分析データセット
事例6:数据堂(北京)科技股份有限公司の北京語携帯電話音声収集データセット
事例7:首都医科大学附属北京友諠医院の骨微細構造と骨の健康関連データセット
事例8:京東城市(北京)数字科技有限公司の北京オンライン消費売上分析データセット
事例9:北京沃德博創信息科技有限公司,北京市華都峪口禽業有限责任公司の北京シリーズ粉殻産卵鶏飼育計画データセット
事例10:崑崙数智科技有限责任公司の石油掘削専門掘削流体性能パラメータ品質管理データセット
参照サイト:https://zscqj.beijing.gov.cn/zscqj/zwgk/tzgg/743686430/