【中国】2021年全国商標業務会議でのポイント(6月3日)

商標局は、6月3日付、5月27-28日に四川省成都市で開催された2021年全国商標業務会議の結果を報告している。この会議は第13次五か年計画の初年度の業界の指針として、新しい発展段階の商標事業業を推進し次の新しいステップに上ることを標榜している。内容的には8項目でそれぞれ方針をしめしているものの、新しいことはあまりない。商標の権利化及び権利行使の面から以下にご紹介する。

2.登録審査の基礎固め。
商標審査の質的向上、迅速な審査審理手続きの整備する。悪意ある商標出願行為に厳しい対策、営利プロセスの遮断、法により使用目的でない悪意の商標登録行為を信用監督の対象とする。商標出願に対する助成と奨励の廃止し、数を目標の指針とすることをやめる。
3.商標法律制度の整備
商標法制度の整備を総合的に推進する。商標関連基準と業務制度の整備を推進し、商標審査審判基準の手続きのダイナミックな改定をする。行政と司法手続の連携強化、行政と司法裁判の基準の対応を促進する。
5.商標保護の全面的強化
商標法律執行業務に対する指導力を強化し、馳名商標保護手段を用いて有名ブランドの合法的権益の保護を強化する。農産物の商標、集団商標、証明商標の保護を強化し、登録商標の詐称など違法行為の取締りを強化する。商標権侵害と紛争の多元的解決手続きを充実させ、商標分野での信義誠実の監督管理を強化する。「商標代理管理弁法」の制定を推進し、商標代理業の監督管理を強化する。オンライン商標代理と取引行為を規範化し、全面的に違法代理行為に対する共同管理を強化する。

オンライン商標代理とは、中国ではアリババなどインターネット上のECさいとで商標出願を受注し、自動的にオンライン商標出願をするサービスを行う大手商標代理機構が存在する。これらの事業者の商標出願件数は膨大で、不正先取りや悪意の商標出願の温床となっていると言える。これにメスを入れるのは非常に重要な対策と個人的には思うところである。

参照サイト:http://sbj.cnipa.gov.cn/gzdt/202106/t20210603_330136.html