【中国】国家知識産権局の電子証拠の効力と補充証拠の採否の判断(3月24日)

国家知識産権局は、浙江省知識産権局からの「特許行政裁決事件におけるブロックチェーン電子証拠の効力に関する照会」(浙知〔2021〕31号)と安徽省知識産権局からの「特許侵害事件の補充証拠の採否に関する照会」(皖知函〔2021〕15号)に対して、3月18日付でそれぞれ回答(国知発保函字〔2022〕40号、42号)したことを3月24日付で公示した。

特許行政裁決事件におけるブロックチェーン電子証拠の効力
 「特許侵害紛争行政裁決処理指南」第4章第2節第6条は電子証拠の審査認定について具体的な規定がある。また、「最高人民法院のインターネット法院の審理事件に関する若干問題に関する規定」11条は、「電子署名、信頼性できるタイムスタンプ、ハッシュ値チェック、ブロックチェーンなどでの証拠収集、固定、改ざん防止の技術または電子証明書の取得プラットフォーム認証により、その真実性を証明できる場合、インターネット法院はそれを確認しなければならないと明確にしている。また、2019年に改正された「民事訴訟証拠に関する若干の規定」14条、90条、93条、94条、99条2項は、電子データの客体、真実性、証明力などを規定している。
 行政と司法の基準の統一を促進するため、行政裁決において、当事者がブロックチェーンなどの関連電子証拠を提出した場合、「特許侵害紛争行政裁決処理指南」及び上記の司法解釈の関連規定を参照して認定することができると肯定する判断を示した。
 今後は一定の真実性を確保することで電子的証拠を活用することができそうである。

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/3/24/art_546_174212.html

特許侵害事件の補充証拠の採否
 「特許行政法執行弁法」14条は次のように規定している:
「特許管理業務部門は立案日から5営業日以内に請求書及びその添付書類の副本を被請求者に送達しなければならず、被請求者は受領日から10日以内に答弁書を提出するとともに請求者の人数に応じた答弁書の副本を提供することを要求しなければならない。被請求者が期限を過ぎても答弁書を提出しない場合、特許管理業務部門の処理手続きに影響しない。
 被請求者が答弁書を提出した場合、特許管理業務部門は受領日から5営業日以内に答弁書の副本を請求者に送達しなければならない。」
 上記の方式で送達されていない証拠資料は、双方当事者が口頭審理の前に提出、相互交換するとともに、口頭審理で質疑を行い、その証拠の証明力を確認しなければならない。原則として、口頭審理で当事者が新たに提出した証拠は認められない。法廷で関連当事者が新らに提出した証拠が事前に交換されない十分で客観的な理由があり、それが事件に重大な影響を及ぼす場合、証拠交換を再度行い、質疑後に使用されなければならないとの判断を示した。
 事前に交換できない理由はいろいろと考えられるが、証拠の三要素の観点から立証する必要があろう。

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/3/24/art_546_174213.html