中国で商標法制度は1982年8月23日に施行され、40年になる。国家知識産権局(CNIPA)サイトに特別の公示はないが、副局長の胡文輝は、7月12日の定例記者会見で記者の質問に答えて、次のような発展状況を説明している。
1982年に制定された『中華人民共和国商標法』は我が国の改革開放後に公布された最初の知的財産権専門法律であり、我が国の知的財産権法律制度の建設過程においてマイルストーンの意義がある。経済発展における新しい情勢や状況に対して、商標法は4回改正され、登録商標専用権の保護の強化、公平な競争の市場秩序の維持を通して、我が国の経済社会の全面的、協調的、持続可能な発展のために積極的な役割を果し、以下のような状況である。
1.権利取得意識の向上
2015年に初めて「商標累計出願件数、商標累計登録件数と有効登録商標件数」の3つ切り口で1000万を超えるようになった。国家知識産権局は商標審査能力の強化を継続し、2021年に初めて年間商標登録審査件数が1000万件を超え、2021年の登録件数は773.9万件、2022年6月末での有効登録商標件数は4,054.5万件である。平均的商標登録までの期間を7か月に安定させ、出願人から良好な評価を受けている。
2.外国からの出願増加
商標法施行当時、国外商標出願は2000件未満で、2007年に初めて10万件を突破し、2021年は25.8万件に達し、年平均増加率は14.2%である。2022年6月末で、200以上の国や地域の権利者が登録商標を保有しており、アメリカ、日本、ドイツ、イギリス、韓国が上位5か国である。
3.商標ブランドの価値
Brand Finance社による2022年世界ブランド価値ランキング500に中国のブランドは84件ランクインし、世界第2位で、金融、科学技術、食品、プロセス、物流などの多くの分野に関連し総価値は1兆6000億ドルに達した。社会的価値から見ると農村振興から地理的表示の団体商標と証明商標で特色ある産業の育成の効果的に支援を模索する。
4.悪意出願
経済社会の急速な発展の中で、商標の悪意ある先取り登録、買い占めの問題も出てきた。ここ数年来、国家知識産権局はガバナンス活動に力を入れ、悪意のある商標取得に応急的措置を集中的に展開し、常態化している悪意のある商標先取り行為を取締り、商標登録秩序をさらに規範化、市場環境も浄化してきている。2018年から2020年に悪意先取り買い占め商標出願15万件を却下し、2021年には48.2万件を却下し、職権で1635件の登録商標を無効取消した。
次のステップでは、わが局は引き続き商標法の規定に厳格に従い、商標登録と保護業務を確実に実施し、市場の活力を持続的に引き出すために有力な保障を提供する。
以下は、各位のご参考に過去の法改正の歴史と関連法律の制定についてまとめてみる。
1982年8月23日 商標法案通過
1983年3月1日 商標法施行
3月10日 商標実施細則施行
1985年3月19日 パリ条約加盟
1988年11月1日 国際商品分類適用開始
1989年10月4日 商標国際登録マドリッド協定加盟発効
1993年7月1日 第1回商標法改正 役務・サービスを保護範囲に拡大
1994年5月6日 国際商品とサービス分類のニース協定加盟
12月30日 団体商標・証明商標管理弁法施行
1995年12月1日 商標国登録マドリッド協定議定書(マドプロ)加盟発効
2001年12月1日 第2回商標法改正施行 色彩、立体商標を保護範囲に拡大
2001年12月11日 WTO/TRIPs加盟発効
2006年1月1日 商標審査審理基準施行
2014年5月1日 第3回商標法、実施条例を改正施行 音声を保護範囲に拡大
6月1日 商標評審規則改正施行
2017年1月1日 商標審査審理基準改正施行
2019年11月1日 第4回商標法改正施行 悪意出願対策、懲罰的賠償など追加
2020年6月15日 国家知識産権局の商標権利侵害判断基準公布
2021年1月1日 商標審査審理指南施行
以上