中国海関総署(税関)は、4月26日付、記者会見を行い、2022年度の知的財産保護状況と典型的事例を発表した。2022 年、中国全土の税関は 64,600 件の知的財産保護措置を講じ、被疑権利侵害輸出入商品 60,900ロット、7,793.8万個を差押さた。 知的財産権の税関登録は23,412 件の申請があり、21,356 件が承認、登録された。その内、15,091件は中国国内の権利者によるものである。侵害品の差止は、商標権侵害で7632.3万個と全体の97.9%を占め、オリンピック・シンボルのマークを侵害する玩具、記念品、キーホルダー、スポーツシューズなど10,684個と多くを占めた。そのほか、電子機器、文具、オフィス用品、タバコが多くを占めている。差止の多い税関は、深圳、寧波、杭州、上海、厦門、広州、武漢、成都、黄埔、天津と東部湾岸が多いが、中西部の成都、武漢、西安、フフホトなどで増加が見られる。越境電子商取引などの新しいビジネスモデルの対策で成果を上げており、2.1万ロット、402.3万個の被疑侵害品を差止めた。
●2022年知的財産保護典型事例
事例1.有名ブランドの商標権侵害品の輸出差止、没収、公安局と連携
厦門税関:カジュアルシューズ(UMBRO)、バックなど差止、没収、公安局は18名を逮捕、侵害品の押収(3.57億元)、侵害品の輸入戻しによる偽装として注目される
事例2.RCEP対応輸出での歯磨き剤商標権侵害品の差止・没収・罰金
広州税関:歯磨き(COLGATE)のシンガポール向けRCEP対応輸出を差止
RCEP加盟国へ輸出される侵害品の監督とリスク防止および管理で知的財産税関保護を含め強化
事例3.商標権侵害衣料品の輸入差止、没収・罰金
深圳税関:大量なダウンジャケットなどの高額な商品(45.6万元)の輸出差止めて没収、罰金(商標権侵害は税関の職権で没収と罰金を科すことができる)
事例4.採掘用設備の発明特許侵害品の輸出差止
黄埔税関:広州の中小企業の差止申請に対応し差止、侵害訴訟に情報提供
事例5.商標権侵害オートバイエンジン・部品類を市場監督管理局と連携し輸出差止
江門税関:オートバイエンジン6000台などを発見し、市場監督管理局、権利者と連携
事例6.外国企業の知的財産権(商標、著作権)保護
上海、汕頭、大連、南寧の税関:自動車部品(TOYOTA, FORD)、玩具(アナ雪、ミニオンズなど)、ボールペン(PILOT,三菱)、時計(TISSOT, TAGHEUER, OMEGA, SEIKO, LONGINES)
事例7.商標権侵害品の輸出差止と刑事訴追の連動
杭州、蘭州、天津、昆明の税関:顔料、スポーツシューズ、キャリアケース、酒の差止と刑事訴追
事例8.越境電子商取引での商標侵害品の輸出差止
福州、青島、拱北の税関:有名ブランド衣料品、携帯電話などの電子部品など
事例9.郵便ルートでの商標権侵害品の輸出差止
南京、北京、ウルムチの税関:Disney、Marlboroなどの衣類やタバコなど
事例10. 著作権侵害ゲームカードの輸出差止
寧波、成都、長沙、済南の税関:ポケモンカード
参照サイト:https://baijiahao.baidu.com/s?id=1764155012478197170
https://mp.weixin.qq.com/s/M0LIyoePAy0Z_7jyT2hDvg