【中国】2023年9月までの知財出願等の情況

国家知識産権局の統計情報によると、特許及び商標の登録状況は以下の通りであるが、発明特許の登録のみ対前年同期比が+13.6%と伸びているが、実案、意匠、商標はいずれも減少しており、実案は▲25.5%、商標は▲35.3%と大きく減少している。これらはいずれも、悪意先取りや非正常出願対策を行っていることによるものと考えられる。なお、同期の商標出願(526万件)の前年同期比は▲9.5%であるため、審査段階での対策が効いているように思われる。外国から出願登録も減少している。

一方、知的財産民事訴訟の統計によると、第一審の受理件数は37.1万件で前年同期比+1.6%と微増である。内訳で増加しているのは、技術関係の紛争が1.7万件、前年同期比+56.7%と大きく伸びているが、コンピュータプログラム著作権侵害事件が6,725件、前年同期比+260%、実案特許侵害事件が6,438件、前年同期比+31.6%である。その他、特許契約紛争が+42%、特許権帰属紛争が+27%とそれぞれ大きな増加を示している。

また、知識産権刑事事件の統計によると、全国の検察機関が知的財産権侵害罪で受理・起訴した人数は2万2000人と前年同期比49.7%増加した。 内訳は、商標権侵害罪で約1万7000人、著作権侵害罪は約2000人で前年同期比1.95倍、営業秘密侵害罪は約260人で前年同期比2倍と大きく増加した。営業秘密侵害の倍増は気になるところ。全国の検察が受理した知的財産民事行政訴追・監督事件は約1,900件と前年比2.1倍となり、民事検察監督事件は1,700件、行政検察監督事件は170件である。 また、知的財産権分野で 330 件を超える公益訴訟が処理された。

参照サイト:
国家知識産権局 https://www.cnipa.gov.cn/col/col61/index.html
最高人民法院 https://mp.weixin.qq.com/s/by3etC0vhbMdqxLgg-KDGA