【中国】「AI生成合成コンテンツ標識弁法」（９月１日施行）

国家インターネット情報弁公室、工業・情報化部、公安部、国家広播電視総局の四部門は、３月14日、「AI生成合成コンテンツ標識弁法（人工智能生成合成内容标识办法）」を共同で発表し、2025年9月1日に施行する。本弁法は、AIの健全な発展を促進し、AIが生成する合成コンテンツに対する標識を標準化することで、国民、法人、その他の組織の合法的権益を保護し、公共の利益を守ることを目的としている。
　中国でも、生成型AI、深層学習による合成などの新技術が急速に発展し、合成したテキスト、画像、音声、映像などの情報を生成するために便利なツールが提供され、経済発展を促進し、オンラインコンテンツを豊富にし、公衆生活を便利にする一方で、虚偽の情報の拡散、ネットワーク生態系の破壊などの問題を引き起こしている。そのため、2022年3月に「インターネット情報サービスアルゴリズム推奨管理規定（互联网信息服务算法推荐管理规定）」、2023年1月に「インターネット情報サービス深度合成管理規定（互联网信息服务深度合成管理规定）」、同8月に「生成型AIサービス管理暫定弁法（生成式人工智能服务管理暂行办法）」が施行されている。一般からは特別立法の加速、技術監督管理の強化、プラットフォーム責任の強化を広く求められており、社会的関心に積極的に応えるため、四部門は連携して本弁法を制定し、コンテンツの標識を出発点として、これまでの関連部門の規則での標識関連要件に注意喚起やトレーサビリティなどの技術的役割を追加し、オープンで公正かつ効果的な管理メカニズムを構築するとともに、公平で秩序ある発展環境の創出、AI産業の健全で秩序ある発展を推進するとしている。
　本弁法は、サービスプロバイダに提供する生成合成サービスにおいて、インターネット情報サービス深度合成管理規定の第17条1項に従い、生成合成コンテンツに明示的標識を付加すること、同じく第16条の規定に従い、生成合成コンテンツファイルのメタデータに暗黙的標識を付加することを求めている。また、ネットワーク情報コンテンツ配信サービスを提供するサービスプロバイダには、生成合成コンテンツ配信を標準化するために技術的措置を講じることを求めている。また、本弁法では、生成合成コンテンツの標識を悪意で削除、改竄、偽造、隠蔽を禁じており、他人のこうした悪意行為を幇助するためツールやサービスの提供することも禁じており、不正な標識による他人の合法的権益の毀損も禁じている。
　なお、本弁法を補完するために、強制的国家標準「サイバーセキュリティ技術‐AI生成合成コンテンツ標識弁法」（「標識標準」（2025年第3号））が、国家市場監督管理総局、国家標準化管理委員会により公布され、2025年9月1日に同時に施行される。

参照サイト：https://www.cac.gov.cn/2025-03/14/c_1743654684782215.htm
弁法仮訳