【アメリカ】INTA反模倣委員会「トレンドアラート」発行(5月7日)

国際商標協会(INTA)の反模倣委員会(Anticounterfeiting Committee)は、模倣品やオンライン詐欺での新たな動向を紹介するトレンドレポート:着払いウェブサイト(Trend Alert: Cash on Delivery (COD) websites)を発表した。

本レポートは、模倣品業者などが代金の着払いサービスを悪用し、消費者を欺むき模倣品や海賊品を配送している実態に注目し報告している。着払いサービスは、商品やサービスの支払いをクレジットカードなどの決済サービスを介さずに、受取人が配達時に支払う決済方法で、クレジットカードの普及率が低い地域や購入者が実際に商品を確認してから支払いたい場合に利用されるが、模倣品や海賊品を販売する事業者は追跡可能な取引の痕跡を残さないために、この方法を悪用している。
 模倣品や海賊品のウェブサイトには、有名な高級ブランド品、スポーツ用品、電動工具、健康機器、ファッション小物、靴、時計などが数多く掲載されているが、掲載されているブランドやその正規販売店と関係があるように偽装するだけでなく、あり得ないほどの割引、無料の景品などを宣伝することが多く、本レポートでは、ヨーロッパや日本を含むアジアのSNSサイトの具体的事例も報告している。
 権利者や法執行機関による発見を回避するために巧妙化する模倣品販売行為がますます巧妙化していることを紹介するともに、この問題に対処するためには、さまざまな利害関係者による対応が必要であることを報告している。

参照サイト:https://www.inta.org/wp-content/uploads/public-files/advocacy/committee-reports/20250401_INTA-Anticounterfeiting-Trend-Alert-Cash-on-Delivery.pdf

【日本】日中韓商標類似群コード対応表2025版の公示(4月7日)

日本特許庁(JPO)は、4月7日付、例年作成している日中韓の三庁が商標審査においてそれぞれ使用している類似群コードの対応関係を示す一覧表(日中韓類似群コード対応表)の最新版(12-2025版、令和7年1月1日発効)公表した。

 一覧表は、エクセルファイルで、現地語の記載もあるため、中国や韓国出願時に参照すると便利である。
 中国での出願に利用する場合、対象となる商品が違っている場合があるので、Web検索などで指定商品確認することをお勧めする。中国の商標分類編成は、日本と違い機能分類となっており、また日本のように上位概念である類似群の名称を指定商品や役務とすることはできず、アメリカと同じように商品や役務名の列挙主義となっている。中国商標局のデータベースで指定商品の類似群と指定可能な商品名や役務名とそれぞれのコード番号の確認もお勧めする。
 指定商品と役務の選定には十分な注意が必要です、ご依頼を頂ければ、指定商品や役務のドラフトを提供します。

参照サイト:https://www.jpo.go.jp/system/trademark/gaiyo/bunrui/kokusai/jpo_cnipa_kipo-ruiji2025.html
CNIPAによる商標登録に用いる商品とサービス分類の正確な理解に関するガイド

【中国】「日中韓「特許付与後の補正要件」比較研究」発表(1月20日)

国家知識産権局(CNIPA)、日本特許庁(JPO)、韓国知的財産庁(KIPO)は、3局での特許審判分野の協力推進を目的で、日中韓審判専門家会合(Joint Experts Group of Trial and Appeal:JEGTA)を2023年12月に第1回目を開催し、相互の情報交換や制度、運用の相違の分析や理解を進めており、このたび、「特許付与後の訂正(補正)要件及びその目的に関する比較研究」原文は英文、「Comparative Study on “Requirements for Post Patent Grant Corrections (Amendments)” and Purpose of the Requirements in Japan, China and Korea」を発表した。

内容は以下の通り
はじめに
第1章 日中韓における特許付与後の訂正(補正)の特徴点と対比
1. 訂正(補正)の一般的事項
 1.1 訂正(補正)の対象
 1.2 訂正(補正)の機会(時期的制限)
 1.3 訂正(補正)の効果
1.2 訂正(補正)の要件(実体的制限)
第 2 章 日中韓における特許付与後の訂正(補正)の対比表

参照サイト 
英語 CNIPA https://www.cnipa.gov.cn/module/download/downfile.jsp?classid=0&showname=Comparative%20Study%20on%20%E2%80%9CRequirements%20for%20Post%20Patent%20Grant%20Corrections%20(Amendments)%E2%80%9D%20and%20Purpose%20of%20the%20Requirements%20in%20Japan,%20China%20and%20Korea.pdf&filename=58c04f3e2baf442bab023c05ead75831.pdf
日本語 JPO https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/nityukan/document/nicyukan_shinpan_hikakuken/comparative-study-2025_ja.pdf
JEGTAサイト https://www.jpo.go.jp/news/kokusai/nityukan/nicyukan_shinpan_hikakuken.html

【香港】「商標出願実体審査基準」改訂施行(2025年1月2日)

香港知識産権署(HKIPD)は、2025年1月2日、商標出願に関する商標出願実体審査基準(Trade Marks Registry Work Manual)の絶対的拒絶理由に関する章を改正施行した。前回の改正は、2020年6月である。

今回の改正は、商標法第11条の登録拒絶の絶対的理由であり、以下の部分になる:
第 11 条 登録拒絶の絶対的理由
(4) 商標が次の場合,登録しない:
(a) 一般に認められた道徳規範に反する商標,或いは
(b) 公衆を欺く虞のある商標である場合。
(5) 商標が次の場合,登録しない:
(b) 商標登録出願が悪意である場合

(4) (a)項については、政治的よりは道徳的である場合と注意書きされたが、以下が明記された;
・国家の安全、主権、統一、名誉または領土保全、公共の安全または秩序、および個人の安全に反する可能性がある。
・明示的または暗示的に、不快、わいせつまたは法外な意味、行為または活動と関連または結びついている。
・許可なく、政府の指導者、当局または機関(中央人民政府のものを含む)のそれぞれの名前/紋章/ランドマークと同一または類似している。
・一部の国民に不快と思われる可能性のある、よく知られた悲劇やその他の衝撃的/不快な出来事への言及、或いはそれらと関連や結びつきがある。

(4) (b)項については、従来から商標が欺瞞的と見做している、製造/製造地/輸入元に加えて、輸出元を明示した。また、公式に認可を受けていないのに公式承認を暗示している場合も追加している。

(5) (b)項については、商標の使用が香港特別行政区における国家安全保障法および/または国家安全保障条例(規則A305)に違反する場合、本条項に基づき異議申立ができる例として追加した。

参照サイト:https://www.ipd.gov.hk/en/trade-marks/trade-marks-registry-work-manual/index.html
基準 https://www.ipd.gov.hk/filemanager/ipd/common/trade-marks/registry-work-manual/current/eng/Absolute_grounds_for_refusal_log.pdf

【台湾】商標法改正(5月1日施行)

台湾智慧産権局が昨年5月に公布した商標法改正とその施行規則が2024年5月1日より施行された。主な改正点は以下の通り。

1.早期審査制度の導入
 早急に権利を取得する必要がある場合侵害品に対する権利行使などのために早期に権利取得が必要な場合、審査促進を請求することができる。早期審査請求は、NT$6,000(区分毎)の納付が必要であるが、以下の条件を満たすことが必要である;
(1)すべての指定商品・役務について、商標を既に使用している或いは使用の準備を進めている出願で、
(2)以下のいずれかに該当する
 A. 第三者が当該出願商標を無断で使用、或いは使用の準備を進めている;
 B. 当該出願商標の使用に対して第三者から侵害警告を受けている;
 C. 当該出願商標に対して第三者から使用許諾を求められている;
 D. 当該出願商標を利用し市場参入計画があり、提携先と販売等の契約締結がある;
 E. 当該出願商標を展示会に出展予定がある;
 F. その他のビジネス上の必要性と緊急性を証明できる状況場合。
注意事項としては、当該商標出願に未使用、未準備の指定商品・役務がある場合、分割出願や減縮の必要がある。使用の準備については、具体的実質的な証拠の提出が必要である。提出書類に不備がある場合、10営業日以内に補正通知がある。不備がなければ2か月以内に初回の審査意見通知書或いは登録査定が発行される。

2.機能的要素の取り扱い
 出願標章に機能的要素がある場合、点線で表示するなどディスクレームする対応が求められる。
3.非法人組織等の出願人適格要件の緩和
 パートナーシップの組織、法に基づき設立登記された非法人団体、商業登記法により登記された個人・パートナーシップ企業まで拡大された。
4.使用意図の確認
 悪意など産業や商標制度の健全な運営を阻害する出願を排除するため、出願人に指定商品・指定役務に使用意図があることを、必要に応じて審査手続き中に証拠提出が求められる場合がある。
5.情報提供手続き
 第三者による提供情報を採用する場合に、出願人の権利保護のために応答の機会を与える規定が追加された。
6.譲渡は譲受人の手続き
 出願後の出願人変更や移転登録は、権利承継人が行わなければならないと規定が明確にされた。
7.商標代理人資格
 商標代理業務の専門性の認定し代理人情報の透明性を高めることで、出願人や権利者の権益保護のために商標代理人資格が新設された。商標代理人登録が必要で、認定試験に合格するか一定期間の商標審査業務経験が必要である。
8.フェアユースの明文化
 非侵害の対象に、商業取引の習慣に該当する信義誠実の原則に従い、商品或いはサービスの使用目的を表示する場合であって、他人の商品或いはサービスを示すために他人の商標を使用する必要がある場合が追加され、修理サービスでメーカーの商標を掲げるなどの行為は非侵害になる。
9.税関での侵害確認手続きの簡素化
 商標権者は税関に真贋確認方法の情報を登録しておくことで、税関で発見された被疑侵害品の確認を現場だけでなく写真などの情報を税関から受けて真贋確認ができるようになる。

出典:代理人情報

【韓国】知財法改正施行(2024年5月1日)

韓国知的財産庁(KIPO)では、昨年末に改正されたデザイン法と商標法の改正が5月1日より施行される。

デザイン法(日本の意匠法に該当)
1.関連意匠出願期間を3年まで拡張
 現行法では、関連意匠出願ができる期間が基礎意匠出願日から1年以内であるところ、3年以内まで拡張される。
2.新規性喪失の例外主張の時期的制限削除
 現行法では、意匠出願の本人による公開日から12か月以内であれば新規性を喪失しない適用を受られるところ、当該時的制限の規定が削除された。なお、例外適用の主張時期は、出願時、登録可否決定前、異議申立に答弁書提出時、無効審判での答弁書提出時である。
3.優先権主張の要件緩和
 現行法では、優先権主張は最先の出願日から6月以内、優先権書類提出は出願日から3か月以内との時期的制限がありかつ徒過に対する救済はないところ、正当な理由がある場合に2か月の追完期間を設けるとともに、出願日から3か月以内に優先権の補正や追加ができる。

商標法
1.コンセント制度の導入
 現行法では、登録に障害となる先願や先登録商標があり審査意見書が出された場合に譲渡/アサインバックなどにより対策をしなければならないところ、先願や先登録の商標権利者から自身の商標登録に対する共存同意を得た場合、同意書を提出するだけで拒絶理由を解消できることができる。但し、対象の標章と指定商品・役務がいずれも同一である場合は適用されない。また、日本と違い完全手続き型であるため、混同の審査がなく同意書の提出があれば拒絶理由を解消できるため、同意交渉に基づく同意書の作成は不可決である。なお、現在出願継続中の案件で5月1日以降の審査意見書でも対応できる。
 注意するべきことは、コンセントに関わる登録商標の当事者のいずれも不正競争の目的で商標を使用し、誤認混同や品質誤認になると認定された場合、その混同や誤認をさせることになった商標権は、審判で無効取消され、関係当事者は無効取消後3年間同一の標章を登録できなくなることに注意が必要である。また、先行商標以外の拒絶理由がある場合は個別に対尾する必要がある。
 *共存同意書の提出可能時期
 ∙ 出願公告前:出願時から出願公告または特許庁の拒絶決定前まで
 ∙ 出願公告後:異議申立に対する答弁書提出期限或いは
        特許庁の職権拒絶に対する意見書提出期限内
 ∙ 再審査請求時:再審査請求期限内(拒絶決定書受領後3ヶ月以内)
 ∙ 拒絶決定不服審判請求時:請求時から審理終結前まで
 *共存同意書に記載されるべき事項
  同意日、先登録(出願)の詳細、出願商標の詳細、共存同意の指定商品・役務の範囲、共存同意での登録商標であることの登録原簿記載に対する同意、当事者の署名か捺印
 *認められない共存同意書
   条件付き同意、包括的同意、1商標1出願に違反に対する同意
2.マドプロ国際商標出願および基礎登録商標権分割出願の制限解除
 現行法では、韓国を指定した国際商標出願の韓国の手続きで当該出願の分割および基礎登録商標権分割出願ができるように制限する規定を改正或いは削除した。
3.国際商標登録出願の国内登録商標の部分代替認可導入
 最近改正されたマドリッド議定書規則に一致させせるため、国内登録商標の指定商品が国際登録商標の指定商品の「すべて」を「一部のみ」を含む場合も部分代替を認める規定を導入した。

参照サイト:KIPO、Kim&Chan

【インド】特許規則改正(2024年3月15日施行)

インド特許意匠商標総局 (CGPDTM)は、3月15日、2003年の特許規則を改正した改正特許規則(Patents (Amendment) Rules, 2024)を公示し、同日施行した。以下にいくつか重要な改正を紹介する。

1.審査請求期限を31か月に短縮(R.24B(1))
 出願の最先の優先日或いは出願日の早い方を起算日とした実体審査請求期限がこれまでの48か月以内から「31か月以内に改正された。インドでの出願日(PCT出願は国内移行日)が2024年3月15日以降の出願に適用される、施行日以前の出願には48か月が適用される。新規導入の延長申請制度適用可

2.期限延長申請の新規導入(R.138)
 改正特許規則に138条に期限延長(Power to extend time specified or condone delay)が新設され、申請により月単位で手数料を支払い最長6か月まで延長できる。企業の延長申請は5万ルピア(電子出願)である。主な延長申請対象手続きは以下の通り:
 PCT出願の国内移行、翻訳の提出など
 実体審査請求
 審査通知書の応答
 関連出願情報の提供
 異議申立に対する意見書などの提出
 年金納付
 特許実施報告

3.対応外国出願の情報提供(R.12)
 対応外国出願の情報提供義務の規則のR.12(2)が、出願日から6か月以内から第1回審査意見通知書の発行日から3か月以内(‘three months from the date of issuance of first statement of objections under sub-rule (3) of rule 24B or sub-rule (8) of rule 24C’ s)と改正され、R.12(3)の審査官の裁量も改正されたことから、提出時期が以下の3回と負担が軽減された。
 (1)出願日から6か月以内(R.12(1A))
 (2)第1回審査意見通知書日から3か月以内(R.12(2))
 (3)審査官から提出を要求された場合、2か月以内(R.12(3)
 いずれも3か月の延長申請ができる。

4.分割出願機会の追加(R13(2A))
 特許規則13条(2)項の特許法第16条に基づく分割出願に、(2A)が追加され、仮出願或いはすでに分割出願している出願から新たな分割出願をすることができるようになった。

5.異議申立制度の改正(R.55)
 (3)項を改正し、付与前異議申立を導入する。異議申立があった場合は1か月以内に審査の可否を決定する。(4)項を改正し、意見書の提出を2か月以内に短縮し、その他の異議関係の期限も2か月に短縮する。

6.手数料の改正、特許年金の減額
 追加特許出願は半額に減額、登録前の異議申立(2万ルピア)が有料など複数の改正がある。電子出願での特許年金納付に10%減額の適用など。

7.特許実施報告(R.131(2))
 予てから負担になっていた特許法第146条のインドにおける特許の商業的実施の程度に関する報告義務に関する規則131(2)が「毎年度1回、当該年度の満了から6か月以内」と義務付けられていたが、改正特許規則では以下のように「3会計年度に1回、当該3会計年度満了後6か月以内」に改正され、一度の報告に複数の特許も含めることができるなど負担が軽減された。また、3か月の延長申請も可能である。なお、提出様式27も変更された。
“(2) The statements referred to in sub-rule (1) shall be furnished once in respect of every period of three financial year, starting from the financial year commencing immediately after the financial year in which the patent was granted, and shall be furnished within six months from the expiry of each such period.
Provided that the Controller may condone the delay or extend the time in filing of such statement for a period up to three months upon a request made in Form 4.”.

参照サイト:https://www.ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPORule/1_83_1_Patent_Amendment_Rule_2024_Gazette_Copy.pdf 22頁から英文

【インド】長期滞留商標出願を4月に特別推進(3月6日)

インド特許意匠商標総局 (CGPDTM)は、3月6日付、長期滞留商標出願の特別推進(Special Drive for Old Pending TM Applications)を発表し、2010年までの滞留案件の総計5177件について、4月8日から25日を特別推進期間とし、出願人、代理人などが適切な商標登録局で直接審理を受ける機会を提供すると公示した。

公示には、対象となる商標出願案件のリストが添付されており、対象案件とその連絡先が記載されている。日本企業の案件も20件弱含まれている。代理人が不明であるような場合は、新たに代理人を指定して対応することも可能なようである。

参照サイト:https://www.ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/News/962_1_Public_Notice_regarding_Special_Drive_for_Old_Pending_TM_Applications.pdf

【香港】意匠出願料金値下げ(2024年3月1日より)

香港政府は、1月5日付、知的財産の活用を推進することを目的に、意匠出願の手数料を2024年3月1日より公示した。基本となる出願手数料は、香港ドル(HKD)785がHKD235(電子出願)と70%の値下げとなり、1回目の更新手数料もHKD790がHKD475と40%の値下げとなる。(1香港ドルは約18円)

サイト:https://www.ipd.gov.hk/en/designs/new-fees-of-the-designs-registry/index.html

【台湾】北陸地震による特別措置(1月2日)

台湾知的財産局 (TIPO) は、1月2日付、2024 年1 月1 日に発生した令和6年能登半島地震より影響を受けた出願人への対応策を発表した。

特許及び商標のすべての出願等の手続きは、自然災害或いは自己の責によらない事由により法定期間に遅れた場合、特許法第17条及びその実施規則第12条、商標法第8条及びその実施規則第9条の規定に従い、原状回復を請求することができる。震災の影響により、特許出願人及び商標出願人が各手続きの法的期間を徒過した場合、上記の規定に従い、関連書類を提出し原状復帰の申請をすることができる。なお、原則として、個別の事案の具体的な状況に応じ柔軟かつ適切に判断する。

素早い対応に感謝します。

参照サイト:https://www.tipo.gov.tw/tw/cp-85-931688-a0360-1.html

なお、日本は、特許庁が以下のように手続きの救済対応を1月4日付で公示しているが、期限を過ぎた場合は、原則、手続が可能となってから14日以内に手続をすることができる。

参照サイト:https://www.jpo.go.jp/news/koho/saigai/saigai-tetsuduki-20240104.html

【韓国】特許・商標オフィシャルフィー改定(8月1日施行)

韓国知的財産庁(KIPO)は、7月27日、28日にの出願人の経済的負担を緩和し、技術革新を促進するための特許登録料と年金の値下げを含む「特許料等の徴収規則」の改正を8月1日から施行することを公示した。主な、改正は以下の通り。

1.特許登録料(設定登録料と年金)の値下
 設定登録料と年金を一律的10%程度値下
 ①設定登録料(1~3年目の登録料) 特許査定書が2023年8月1日以後の出願に適用
 ②特許年金(4年目以降の年金) 納付日が2023年8月1日以後の登録に適用

2.特許審査請求料の一部値上
 基本16万6千ウォンに、請求項当たり5万1千ウォンを加算した額
 出願日(PCT出願も同じ)が2023年8月1日以後である出願に適用

3.特許分割出願に対する追加料金の導入
 2回以上の分割出願に対して累進的に適用。特許にのみ適用。
  2回目の分割出願:新規出願料に該当する金額の2倍
  3回目の分割出願:新規出願料に該当する金額の3倍
  4回目の分割出願:新規出願料に該当する金額の4倍
  5回目の以降の分割出願:新規出願料に該当する金額の5倍
 2023年8月1日以後の分割出願から適用

4.商標出願料及び指定商品数の調整
 ①出願基本指定商品数を、20個から10個に縮小、
  10個を超える商品数に追加料金、1個当たり2千ウォン
 ②商標出願及び商標登録時の現行商標手数料から一律的に1万ウォン値下
  適用対象:2023年8月1日以後の商標出願、更新などの手続きから適用

5.特許・商標の移転登録料
 移転登録料を実用新案・デザインの移転登録料と同一4万ウォンに改正
  2023年8月1日以後に移転登録手続きから適用

参照サイト:https://www.kipo.go.kr/ko/kpoBultnDetail.do?menuCd=SCD0200618&ntatcSeq=19823&aprchId=BUT0000029&sysCd=SCD02
https://www.kipo.go.kr/ko/kpoBultnDetail.do?menuCd=SCD0200609&ntatcSeq=19468&aprchId=BUT0000020&sysCd=SCD02
情報提供 Kim&Chang

【韓国】デザイン保護法一部改正(12月21日) 

韓国政府は、5月25日の改正案可決を受けて、2023年12月21日付、デザイン保護法の一部改正を施行する。概要は以下の通り。

1.関連意匠出願期限の拡張
 現行法での基本意匠(韓国では、意匠をデザインという)出願の関連意匠の出願期限を現行の1年以内を3年に拡張される。2022年12月21日以降の出願が対象となる。

2.新規性喪失の例外主張の適用の拡大
 現行法での新規性喪失の例外の提出期限は、①出願時(30日補充期間あり)、②意匠登録決定、拒絶査定通知書の発送前、③異議申立への答弁書提出時、④無効審判への答弁書提出時であったが、提出に係る第36条第2項が削除され、いつでも提出できるようになる。

3.優先権主張要件の緩和
 現行法での優先権主張は最先の出願日から6ヶ月以内、優先権書類の提出期限は出願日から3か月以内、期限徒過後の救済手続きはないところ、正当な理由により期限を過ぎた場合には2か月の猶予期間が設けられた。また、これまで規定のなかった、優先権主張に対する補正・追加が新設され、出願日から3か月以内に手続きがができる。

情報提供:Kim&Changほか

【香港】著作権法改正施行(5月1日)

香港特別行政府は、2022年12月5日に改正を可決した2022年著作権改正法(版権条例、The Copyright Ordinance、Cap. 528)を5月1日より施行する。今回の改正ではデジタル環境における著作権保護を強化するために、以下の5点が主要なポイントとなっている。
(1) 排他的な技術中立的送信権を新設し、公衆に電子的に送信される著作物を保護;
(2) 上記の送信権侵害に対する刑事処罰の導入;
(3) 著作権の様々な使用をカバーする著作権保護の例外規定の拡大;
(4) 著作権侵害対策のためのオンラインサービスプロバイダー(OSP)に対するセーフハーバー規定の導入;
(5) 著作権侵害民事訴訟での追加の損害賠償とその考慮時効の追加。

送信権(communication right)は、日本では公衆送信権とされており、著作権者があらゆる送信形態で写真などを含む著作物を一般公衆に発信する権利であり、複製権とは区別され、従来の通信モードよりも幅広く他人が許諾なく送信することを制限する規定であり、2000年以降数多くの国で導入されている。刑事罰の対象は、映画の違法配信などのネットを利用した大規模な著作権侵害に限られ、4年までの禁固刑や5万香港ドルの罰金が科される。著作権保護の例外規定は、比較的広く追加されており、(i) パロディ、風刺、似顔絵、風刺画、(ii) 現在の出来事についてのコメント、(iii) 著作物の引用もオンライン学習、図書館、博物館、およびアーカイブの運営を促進するために広げられた。また、私的、家庭内での一時利用についても明確にされた。一方、著作権侵害対策にOSPにおける事業者の協力が得られるように、OSPのそうした活動に対する保護範囲を定めている。損害賠償では、立証難に対する対応と侵害者の提訴後の対応などを判断材料とすることが明確にされた。

参照サイト:https://www.ipd.gov.hk/en/copyright/legislative-proposals-and-amendments/copyright-amendment-ordinance-2022/index.html

【韓国】不正競争防止法改正施行(9月29日)

韓国の「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」の善意の先使用者の保護やアイデアの冒用の禁止権の時効に関する規定が3月28日に改正され、2023年9月29日に施行される。

1.善意の先使用者の使用権及び周知商標使用者による誤認混同防止請求権
 第2条第1号イ目、改正新設
 1)他人の商品標識が国内に広く知られる前からその他人の商品標識と同一・類似の標識を不正な目的なしに継続して使用する場合;
 2)1)に該当する者の承継人として、不正な目的なしに継続して使用する場合。
 第2条第1号ロ目、改正新設
 1)他人の営業標識が国内に広く知られる前からその他人の営業標識と同一・類似の標識を不正な目的なしに継続して使用する場合;
 2)1)に該当する者の承継人として、不正な目的なしに継続して使用する場合。
 第2条第1号ハ目、改正新設
 1)他人の氏名、商号、商標、商品の容器・包装、その他他人の商品又は営業であることを表示する標識が国内に広く知られる前からその他人の標識と同一・類似の標識を不正な目的なしに継続して使用する場合;
 2)1)に該当する者の承継人として、不正な目的なしに継続して使用する場合;
 3)その他非商業的使用等、大統領令で定める正当な理由に該当する場合。
 第3条の3 誤認混同防止の請求を新設
 第2条第1号イ目又はロ目の他人は、次の各号のいずれかに該当する者に、その者の商品又は営業と自己の商品又は営業間で出所の誤認や混同を防止する上で必要な表示をすることを請求できる。
 1.第2条第1号イ目1)又は2)に該当する者
 2.第2条第1号ロ目1)又は2)に該当する者
 ★周知商標権者が善意の先使用者やその継承者に対する権利行使の範囲を制限、また適切な誤認混同を防止する表示の記載を要求する権利が明確にした。中国と同じような規定である。

2.アイデア奪取(盗用、冒用)行為に対する来住請求権に消滅時効導入
 第4条第3項 新設
 ③第1項に基づいて第2条第1号ヌ目の不正競争行為の差止或いは予防を請求できる権利は、その不正競争行為が続く場合に、営業上の利益が侵害されたか侵害されるおそれのある者がその不正競争行為により営業上の利益が侵害されたか侵害されるおそれのあるという事実及びその不正競争行為をした者を知った日から3年間行使しなければ、時効の完成により消滅する。その不正競争行為が始まった日から10年が過ぎたときも、同様である。
 第13条の見出「善意者」を「営業秘密侵害善意者」に改正
 第14条の見出「(時効)」を「(営業秘密侵害行為差止請求権等に関する時効)」に改正
 ★営業秘密などのアイデアの盗用や冒用について、その事実や惧れを知った日から3年或いはその実施日から10年で時効が完成するため、早々の証拠保全と法的措置が求められる。

3.不正競争行為の調査対象を電子データまで拡大
 第7条第1項「関係書類や帳簿・製品等」を「関係資料や製品等」に改正
 ★行政による対象となる不正競争確認において、製造や事業施設に立ち入り調査、保全をするときの対象を「関係書類や帳簿・製品など」を改正することで、電子データやファイルも可能とした。

参照サイト:代理人情報、Jetro韓国サイト

【韓国】商標法改正施行(2月4日)

韓国知的財産庁(KIPO)は、2022年2月3日に法律第18817号で成立した再審査請求と部分拒絶の導入を2月4日の出願より適用を開始した。

1.再審査請求制度(新設 第55条の2、第40条第1項第1号)
指定商品や役務の補正や削除で拒絶理由を解消できる場合でも、対応方法が拒絶決定不服審判請求のみであったが、改正により、拒絶査定後、指定商品や役務を補正或いは削除などの減縮により拒絶理由を解消できる場合、審判でなく再審査請求で対応できるようになった。
第55条の2
①第54条に基づく商標登録拒絶決定を受けた者は、その決定の謄本送達日から3か月(第17条第1項に基づいて第116条による期間が延長された場合にはその延長された期間)以内に指定商品或いは商標を補正して当該商標登録出願に関する再審査を請求することができる。ただし、再審査請求時に既に再審査に基づく拒絶決定、第116条に基づく審判請求がある場合は、除く。
②出願人は第1項に基づき再審査の請求とともに意見書を提出することができる。
③第1項に基づき再審査請求された場合、当該商標登録出願に対する従前の商標登録拒絶決定は取消したものと見做す。ただし、再審査の請求手続きが第18条第1項に基づき無効となった場合は、除く。
④第1項に基づく再審査請求は取下ることができない。

2.部分拒絶(第57条、第68条、第87条ほか)
拒絶理由が指定商品や役務の一部のみにある場合でも出願全体が拒絶されていたが、改正により、拒絶の対象が指定商品や役務の一部のみである場合、出願人が指定商品や役務を削除するなどの手続きを取らなくても拒絶理由のない商品や役務が登録に進むようになる。また、拒絶査定不服審判請求ので、これまで全商品や役務を対象に審判請求する必要があったが、改正により、拒絶絶決定された商品や役務のみ或いはその一部を対象として不服審判請求することができる。
第57条第1項各号以外の部分本文中の「場合は」を「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合は、当該指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)は」に改め、同項第2号中「商標登録出願」を「商標登録出願の指定商品」に改める。
第68条中「場合は」を「場合(一部の指定商品に対して拒絶理由がある場合は、当該指定商品に対する拒絶決定が確定された場合をいう)は」に改める。
第87条第1項各号以外の部分に以下を新設し、同条に第④項を次のように新設する。
この場合、指定商品追加登録出願の指定商品の一部が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該指定商品のみに対して指定商品の追加登録拒絶決定をしなければならない。
④審査官は第②項に基づき拒絶理由を通知する場合、指定商品別に拒絶理由と根拠を具体的に書かなければならない。

なお、法律第18817号で同時に成立した以下の商標評の使用行為は、昨年8月に施行されている。
第2条第1項第11号ロ目「譲渡、引渡、譲渡或いは引渡の目的で展示・輸出若しくは輸入」を「譲渡、引渡、電気通信回線を通じて提供する行為或いはこれを目的とした展示、輸出・輸入」に改める。

以上