【国際】WIPO2024年度国際出願統計(3月17日)

WIPOは、3月17日付、2024年度の国際出願統計速報を公示した。PCT特許出願、マドプロ商標出、ハーグ意匠出願のいずれも増加した。なお、数値は後日修正があるため、確定ではない。

PCT国際特許出願2024年は+0.5%増加
 2024年度は、273,900件(前年272,416件、前年比+0.5%)と増加したが、近年は同程度の出願件数で上下している。インドが+22.2%、14位のフィンランドが+30.1%、韓国は27年連続増加した。アメリカは3年連続、日本とドイツは2年連続減少している。
 トップ10の内訳は、上位5か国は変らず、中国 (70,160件、前年69,527件、+0.9%)、アメリカ(54,087件,前年55,618件、-2.8%)、日本(48,397件、前年48,992件、-1.2%)、韓国(23,851件、前年22,277件、+7.1%)、 ドイツ(16,721件、前年16,944件、-1.3%)、フランス(8,125件、前年7,911件、+2.7%)、イギリス(5,861件、前年5,567件、+5.3%)、スイス(5,324件、前年5,398件、-1.4%)、インド(4,552件、前年3,725件、+22.2%)、オランダ(4,310件、前年4,256件、+1.3%)である。
 技術分野のトップ5は、デジタル通信関連(構成比10.5%、前年9.9%)が初めてトップとなり、コンピュータ関連(構成比9.7%、前年10.2%)が2位でトップを譲り、以下、電機関連(同8.6%)、計測関連(同4.4%)、医薬品関連(同4.4%)、運輸関連(同4.1%)である。なお、公開ベースの件数分析である。
 出願人ランキングトップ10は、華為(6,600件、前年6,494件)、三星電子(4,640件、前年3,924件)、Qualcomm (3,848件、前年3,410件)、LG 電子 (2,083件、前年1,887件)、CATL寧徳時代新能源科技(1,993件、前年1,799件)、BOE京東方科(1,959件、前年1,988件)、三菱電機(1,956件、前年2,152件)、北京小米移動(、1,189件、前年1,603件)、Ericsson(1,886件、前年1,803件)、日本電信電話(1,877件、前年1,760件)である。以下日本企業は、パナソニック(12位、1,718件)、NEC(15位、1,241件)、ソニー(21位、1,134件)、NTTドコモ(22位、976件)、村田製作所(23位、867件)と続く。

マドプロ国際商標出願2024年は+1.4%増加
 2024年度は、65,000件(前年64,257件、前年比+1.4%)と増加し、2年連続の減少後の増加となった。
 トップ10の内訳は、アメリカ (11,270件、前年10,991件、+2.5%)、ドイツ(6,449件、前年6,618件、-2.6%)、中国(5,828件、前年5,484件、+6.3%)、フランス(4,211件、前年4,271件、-1.4%)、イギリス(3,736件、前年3,812件、-2.0%)、スイス(3,486件、前年3,285件、+6.1%)、日本(3,028件、前年2,854件、+6.1%)、イタリア(2,898件、前年2,743件、+5.7%)、韓国(2,346件、前年2,092件、+12.1%)、オーストラリア(2,011件、前年2,016件、-0.2%)である。
 出願区分ごとの詳細な件数発表はないが、9類が全体の10.8%を占め、35類(同8.4%)、42類(同7.8%)である。
 出願人ランキングトップ10は、L’Oréal(244件)、Novartis(193件)、EURO Games (141件) 、資生堂(124件)、Boehringer Ingelheim(106件)、Egis Gyógyszergyár(103件)、アモーレパシフィック(96件)、華為(86件)、O’Reilly (77件)、BYD(73件)である。

ハーグ国際意匠出願2024年は10.3%増加
 2023年度は、出願数で前年比+10.3%増の9,454出願(前年8,571件)、意匠数で前年比+6.8%増の27,161意匠(前年25,421意匠)であった。
 意匠数によるトップ10の内訳は、中国(出願2,225/意匠数4,870/前年比+29.6%)、ドイツ(同792/4,218/-6.7%)、アメリカ(同915/3,034/+13.3%)、イタリア(同564/2,249/+23.8%)、スイス(同627/2,109/-4.0%)、フランス(同715/1,465/-9.3%)、韓国(同892/1,448/+16.8%)、イギリス(同285/1,005/+6.8%)、日本(同540/951/-5.0%)、オランダ(同232/845/+17.4%)であった。中国の利用が出願件数で174%、意匠数で30%と大きく増加し、イタリア(+23.8%)、オランダ(+17.4%)、韓国(+16.8%)、米国(+13.3%)と全体的に増加した。
 出願区分のトップ5は、記録・電気通信14類(12.36%)、輸送12類(11.1%)、包装9類(7.9%)、家具6類(7.6%)、 包家庭用品7類 (5.6%)となっている。..
 出願人ランキングは、Procter & Gamble(641件、前年525件)、Porsche(506件、前年352件)、LG電子(459件、前年352件)、Ferrari(442件、前年172件)、華為 (431件、前年44件)、三星電子(426件、前年544)、Volkswagen(285件、前年312件)、Stellantis (230件、前年4件)、北京小米(230件、前年315件)、Philipps Electronics(228件、前年294件)である。日本企業は、50位までのランキングに入っていない。

参照サイト:https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2025/article_0003.html