【アメリカ】USPTOは不正な大量商標出願手続きに制裁処分(12月10日)

アメリカ特許商標庁(USPTO)は、12月10日付、Huanyee Intellectual Property Co.,Ltd.(深圳市寰逸知知識産権有限公司)とその常務取締役であるYusha Zhang(張玉沙、女性)に対して、USPTOの商標実務規則に違反したとして制裁命令を出しました。制裁命令は、不適切な商標手続に対する調査結果とアメリカの商標登録制度の完全性を保護することを目的として出されました。USPTOは、2019年以降中国の出願代理人よる商標手続きでの詐欺的行為と戦っており、以下のサイトでこれまでの制裁命令を見ることができるが、公に制裁命令を公示したことは初めてである。

本件の制裁命令は、USPTOが2021年6月8日付、15,000件を超える不正な商標手続きを行った当事者に理由説明を求め、7月6日の答弁内容が不十分として制裁を科したもので、その対象はべアメリカでの商標手続きでの代理資格欠如、虚偽の資料の提出、および公的機関に対する虚偽欺瞞に対するもので、代理した14,017件の出願商標は取消された。この件数は過去最大の件数になる。

中国からのこうした不正手続きは数多く、以下のサイトで見ることができるが、中国国内でも本件の6月の命令が出された時点で大きく取り上げられ詳細に報じられた。今回も早速報道されており、当事者は深圳市市場管理監督局から9月14日付商標法に定める代理人の不正行為があったとして9万元(約155万円)の処罰を受けたことが分かっている。しかし、懲りない面々は今回の事件の詳細を検討しており、直接出願ができないとなればマドプロの活用など今後も他の手立てで対応することが考えられる。

参照サイト:https://content.govdelivery.com/accounts/USPTO/bulletins/30043bf
過去の不正手続き紹介サイト
本件の命令書 https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/TM-Sanctions-Order-Yusha-Zhang.pdf