国家市場監督管理総局（SAMR)は、5月12日付、「公正競争審査条例（意見募集稿）」を公示し、6月12日まで意見募集することを発表した。
公平競争審査制度は、行政などの政策制定部門が市場経済活動に関する政策措置を規則などで制定する場合に、事前に市場競争の排除や制限の効果があるかどうか審査を行うもので、2016年の「市場システムの建設における公平な競争の審査制度の建設に関する意見」で初めて設けられ、現行の独占禁止法5章、特に44条に行政の権限濫用による競争の排除、制限の規定が定められた。2017年には、公平競争審査制度実施細則（暫定）が施行され、その後2021年6月に公平競争審査制度実施細則（国市監反壟規2021-2号）が正式に施行されている。
今回の条例の制定は実施細則の上位規定となるが、共産党第20回大会で知的財産権の保護、市場への参入、公平な競争、社会的信用などの市場経済の基礎となる制度を改善し、地方保護と行政による権限の濫用を規制することを目的としているが、独占禁止法の2022年の改正過程で、行政の審査内容の不備、審査手続きの不備、十分強い拘束力不足などの問題が徐々に顕在化し、制度の効果がある程度制限されていることがわかった。そこで、本条例を制定し、行政法規の面から制度規定を定め、公平な競争の審査制度をさらに改善し、競争政策の基礎的地位を確実に強化し、効率的に規範化された公平な競争により、十分に開放された全国的に統一された大きな市場の建設を加速させ、新たな発展構造の構築に力を入れ、高品質の発展を推進するとしている。
本条例は総則、審査内容、審査手順、監督保障、付則の5章、合計41条からなり、主な内容は以下の通り：
（1）総則 1条～10条 立法目的、責任主体、審査統一メカニズムなどを規定
（2）審査内容 11条～18条 審査内容に対する全体的要件で市場参入と脱退、商品と要素の自由な流通、生産事業コストや行為への影響などの4つの審査内容、適用用条件など
（3）審査手続 19条～26条 地方レベルで重要な政策措置の公平な競争の審査会審査制度に加え、行政機関による審査や年次報告による指導、監督など
（4）監督保障 27条～37条 行政機関の自己是正、督促制度、責任追及、規律検査・監察など
（5）附則 38条～41条 適用、秘密保持など
参照サイト：https://www.samr.gov.cn/hd/zjdc/202305/t20230512_355180.html