【中国】悪意商標出願で初めての処罰(3月11日)

報道によると、既に報じたコロナウィルスの関係での悪意商標出願について、各地の市場監督管理局はその実態調査を始めており、北京市朝陽区市場監督管理局は、北京億捷顺達国際知識産権代理有限公司が広州懿姿美容美髪用品有限公司及び、労恩斯建材実業湖北有限公司の2社から委託され、2月3日から13日にかけて“雷神山”と“火神山”について10件の商標出願を行ったとして、3月7日より調査を開始し3月11日付、行政刑事手続に関する暫定規定の第17条及び商標法の第68条(1)項及び(3)項に基づき、違法行為の中止、及び警告と10万元の処罰を下した。

商標法第68条は、 商標代理機構に対する刑事処罰にかかる規定であり、最高10万元の罰金が規定されている。(1)項は手続き書類に偽造や変造がある場合、(3)項は商標代理機構の責務かかる第19条3項と4項を引用しており、3項は15条の代理人が他人の先の権利の存在を知りながら手続きをすることを禁じる規定であり、4項は32条の他人の先の権利を無効理由とする規定である。

北京億捷顺達国際知識産権代理有限公司 は2016年に設立された代理人事務所であり、支所も有する比較的大きな組織である。出願を依頼した会社に対する処分は当該会社の所在地の市場監督管理局が実施したようである。こうした迅速な対応は他の出願人に対する規制に繋がるために行われたものといえる。

参照サイト: http://finance.sina.com.cn/china/gncj/2020-03-11/doc-iimxxstf8171727.shtml

【中国】「レクサス」独占禁止法違反で8761万元(約14億円)の処罰

すでにニュースサイトで発表されているが、国家市場管理監督総局は、12月27日付、12月6日付江蘇省市場管理監督局(旧物価局)は、トヨタ自動車(中国)に対して、反独占法(独占禁止法)に基づき、2017年12月からレクサスブランドの自動車販売において価格独占行為の被疑違反を調査後、2019年11月20日に「行政処罰法」などに基づき、処罰決定を行う旨の事実、理由及び根拠を通知する処罰書を発行したことを公示した。

当局の調査は、蘇州、無錫、常州の地区を詳細に実施しており、2015年6月から2018年2月まで、トヨタの区域販売マネージャーはディーラー会議を開催し、店舗を巡回し、WeChat通知などを通じて、江蘇省内の販売代理店にインターネットでレクサスを販売する場合、レクサスES 200、ES 300h、NX 200、CT 200、RX 450、NX 300、LX 570、LSシリーズなどの重点車種の最低転売価格が6%以上の割引をしてはならない制限しているなどが説明されている。

当局は、トヨタ自動車中国の価格維持管理とディーラーの対応状況や販売価格を確認し、当事者の行為は独占禁止法第14条に定める「第三者へ転売する商品の価格の固定」、「第三者へ転売する商品の最低価格の制限」に該当し、価格維持に該当することを認定し、当事者の優位な地位をディーラー間の市場競争を市場の競争を排除し、制限するとともに、自動車ブランド間での競争を弱体化させたために、結果的に消費者が十分な競争による価格での購入や選択権が制限されたことでの利益を損なうと認定した。

これにより、独占禁止法第46条、第49条の規定に基づき、違反行為の停止及び前年度(2016年度)の売上高の2%の罰金87,613,059.48元(約14.01憶円)の処罰が下された。処罰に対しては、15日以内に対応するか、60日以内に再審請求をする或いは6か月以内に中級人民法院に行政不服訴訟を起こすことができる。

認定や適用のご参考まで。

参照サイト:http://www.samr.gov.cn/fldj/tzgg/xzcf/201912/t20191227_309552.html