【中国】医薬品特許行政裁決事件の公表(8月19日)

国家知識産権局(CNIPA)は、8月19日付、5月から7月に裁定が出された医薬品特許行政裁決事件の結果を23件公表した。

事件番号対象特許/薬剤請求人被請求人結果裁定日
(2021)国知药裁0009号
(2021)国知药裁0010号
(2021)国知药裁0011号
201410468293.6(抗血液凝固剤)
エドキサバントシレート錠
第一三共株式会社南京正大天晴制药有限公司侵害6月30日
(2021)国知药裁0012号
(2021)国知药裁0013号
200580044703.3(線維性疾患治療薬)
ニンテダニブエトサルフェート軟膏
ベリンガー・インゲルハイム江苏豪森药业集团有限公司非侵害5月31日
(2021)国知药裁0018号
(2021)国知药裁0019号
(2021)国知药裁0020号
200580033600.7(抗炎症薬)
注射用カーフィルゾミブ
アムジェンバイオファーマ(上海)有限公司江苏豪森药业集团有限公司侵害5月27日
(2021)国知药裁0031号
(2021)国知药裁0032号
(2021)国知药裁0033号
201080051819.0(腫瘍治療薬)
ニロチニブカプセル
ノバルティス苏州特瑞药业股份有限公司取下5月30日
(2021)国知药裁0036号
(2021)国知药裁0037号
(2021)国知药裁0038号
(2021)国知药裁0039号
(2021)国知药裁0040号
(2021)国知药裁0041号
200480011401.1(免疫抑制剤)
トシリズマブ(遺伝子組換え)注射液
中外製薬株式会社百奥泰生物制药股份有限公司取下7月26日
(2022)国知药裁0003号200880016902.7(糖尿病治療薬)
ダパグリフロジン錠
アストラゼネカ(スウェーデン)四川国为制药有限公司取下8月8日
(2022)国知药裁0006号200380102889.4(頻尿治療薬)
ミラベグロン徐放錠
アステラス製薬株式会社齐鲁制药有限公司特許無効5月30日
(2022)国知药裁0007号201210201489.X(糖尿病治療薬)
ダパグリフロジン錠
アストラゼネカ(スウェーデン)四川国为制药有限公司取下8月8日
(2022)国知药裁0010号02821212.6(気管支喘息薬)
モンテルカスト顆粒
メルク・フロスト・カナダ江苏万高药业股份有限公司侵害7月8日
(2022)国知药裁0013号200380102889.4(頻尿治療薬)
ミラベグロン徐放錠
アステラス製薬株式会社石药集团中诺药业(石家庄)有限公司特許無効5月30日
(2022)国知药裁0015号200880118789.3(癌治療薬)
マレイン酸ネラチニブ錠
美狮生物制药公司上海创诺制药有限公司却下7月11日

技術的に了解していないため詳細は記載しませんので各裁定書でご確認ください。今後は特に注目する事案以外はこの種の裁定結果を掲載しません。なお、CNIPAの裁定書のリンク先が安定したため接続しましたが、安全性にはご留意ください(8月23日)。

【中国】最初の医薬品特許行政裁決事件の公表(4月25日)

国家知識産権局(CNIPA)は、4月25日付、国家知的財産権局医薬品特許紛争早期解決メカニズム行政裁決初回審決事件(国家知识产权局审结首批药品专利纠纷早期解决机制行政裁决案件)を公表した。

初回の対象特許は、アメリカのPurdue Pharma社の 次の2件と
ZL201210135209.X オピオイド鎮痛薬を含む不正開封防止経口剤形
ZL201510599477.0 オピオイド鎮痛薬の固形経口徐放性剤形
ルクセンブルクのEuropean Celtic社の次の1件
ZL201010151552.4 25ppm未満の14-ヒドロキシコデイノンを含む塩酸オキシコドンを調製方法

Purdue Pharma社の特許はオキシコドン塩酸塩徐放性錠剤に関し、宜昌人福薬業有限責任会社のジェネリック薬が当該特許権の保護範囲に入ることの確認を申立て、CNIPAの合議体は審理を経て特許権の保護範囲に入らないことを確認した。European Celtic社の申立について、合議体は宜昌人福薬業有限責任公司が提出した特許登録錯誤の抗弁を審理し、当該抗弁事由が成立しないことを認定した。

CNIPAは、5人による合議体を設置し約6か月で裁定を下している。2021年10月に最初の医薬品特許紛争早期解決メカニズムの行政裁決事件を受理し、現在までに59件の申立てがあり、受理条件に合う39件を立件している。

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/4/25/art_53_175126.html

【中国】「医薬品特許紛争早期解決メカニズム実施弁法(試行)」の施行(2021年7月4日)

国家医薬品監督管理局と国家知識産権局は、7月4日付、2021年第89号を公示し、昨年9月に意見募集を行った、「医薬品特許紛争早期解決メカニズム実施弁法(試行)(药品专利纠纷早期解决机制实施办法(试行))」、即日施行した。

本弁は、「審査承認制度の改革を深化させ医薬品医療機器の革新を奨励する意見」と2019年の「知的財産権保護の強化に関する意見」を進め、医薬品特許リンケージ制度を確立するためのもので、全16条からなり、立法の目的、特許情報の登記、登記プラットフォームの管理、登記情報の更新管理、登記特許の種類、後発薬申請人の陳述、異議申立、待機期間、分類と手続き、救済などについて規定されている。詳細は仮訳でご確認ください。

なお、国家医薬品監督管理局は、同日に中国上市医薬品特許情報登記プラットフォームの運用開始を公示している。
公式サイト:https://zldj.cde.org.cn/home

申立は所定の書式(申立書、補正書、意見陳述書)を使用することを条件としており、提出先を含めて下記の公示を参照のこと。
https://www.cnipa.gov.cn/art/2021/7/5/art_74_160570.html

医薬品関連事業者は、登記プラットフォームの定期的な確認業務が求められることになる。

参照サイト:
https://www.cnipa.gov.cn/art/2021/7/4/art_74_160513.html
https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/ggtg/qtggtg/20210703223942131.html
https://www.nmpa.gov.cn/xxgk/ggtg/qtggtg/20210703224608174.html
仮訳