【中国】特許と商標審査「14次五か年」計画の公示(1月20日)

国家知識産権局は、2021年12月31日に国知発法字〔2021〕41号で知識産権局及びその関係部門や外郭団体に通知した、特許と商標審査「14次五か年」計画(专利和商标审查“十四五”规划)を1月20日付公示した。内容的には商標と地理的表示に関する強化が目的とされているようである。

本通知は、昨年初めの国家知識産権局の「14次五か年計画」に基づくものであり、以下の7項目から具体的作業と担当部門の役割がまとめられている。
(1)審査制度を持続的に整備
(2)審査の質の着実な向上
(3)審査効率の継続的な向上
(4)出願品質の向上を共同で推進
(5)審査組織の運用効率の向上
(6)特許出願と商標登録の便利性の改革推進
(7)審査審理業務の国際協力を全面的な展開

2020年の実績をもとにした2025年の審査目標
特許審査期間         20か月→15か月
特許無効結審期間       6か月→6か月
特許審査品質ユーザ満足度指数 85.4→85以上
特許審査精度         92.2%→95%
商標登録審査期間       8か月→7か月
商標譲渡審査期間       2か月→1か月
商標変更・更新審査期間    1か月→15日
商標異議審査期間       14か月→10か月
商標却下復審審理期間     6か月→5.5か月
商標無効審理期間       10か月→10か月
商標登録審査合格率      95%→97%

計画書の最後には83のプログラムとその責任部門がリストアップされて、実効性を高めている。

参照サイト:http://www.cnipa.gov.cn/art/2022/1/20/art_75_172861.html

なお、地理的表示の保護と運用に関するに関する 「14次五か年」計画 (地理标志保护和运用“十四五”规划)も同時に公示されている。

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/1/17/art_66_172795.html

【中国】「十四五」国家知識産権保護と運用計画」(10月28日)

国務院が10月28日に発布した「「十四五」国家知識産権保護と運用計画“十四五”国家知识产权保护和运用规划)」(国発〔2021〕20号)の概要は以下の通り:

「十四五(第14次5か年計画)」国家知識産権保護と運用計画」
 「中華人民共和国国民経済と社会発展第14次か年計画と2035年長期目標要綱」と「知的財産強国建設要綱(2021~2035年)」に基づき、本計画を制定する。

1.計画背景
 「第13次5か年」では一連の改革、政策により、国家知識産権局の改組設立、法律法規体系の充実、司法改革の推進し、知的財産権分野の治理能力と治理水準が向上した。経済はすでに高速成長段階から高品質発展段階に移行したが、イノベーションは発展を牽引する第一の動力であり、今後も保護と発展、知的財産権保護の重要性は変わらない。現在、次のような課題が叫ばれている:核心技術分野の高品質知的財産権の創造不足、行政法執行と司法の連携が不十分、侵害容易性と多発に対する権利保護対策の難点の持続、知的財産権の移転・転化の効果の向上、知的財産権サービスの拡充、海外知的財産権紛争対応能力不足など。従って、知的財産権制度が経済社会の高品質の発展促進に対する役割を発揮する必要がさらにある。

2.全体的要求
(1)思想指導
 新たな発展段階に立脚し、完全で、正確で、新発展の理念を全面的に貫き、新発展の枠組みを構築し、高品質の発展を推進することをテーマに、知的財産権の保護を全面的に強化することを主軸とし、知的財産権強国の建設を目指し、革新を根本的な動力とし、知的財産権保護活動体制の改革を深化させ、知的財産権の創造、運用、保護、管理、サービス水準を全面的に向上させる。知的財産権の国際協力をさらに推進し、現代的経済メカニズムの建設を促進し、全社会のイノベーションの活力を刺激し、経済・社会の質の高い発展を力強く支援する。
(2)基本原則
 品質優先、保護強化、開放的協力、共同推進システムの統治を堅持。
(3)主要目標
 知的財産権保護の新段階、運用の新たな効果、知的財産権サービスの新水準、国際協力の新たな突破。

3.知的財産権保護の全面的強化、全社会のイノベーション活力の刺激
(4)知的財産権法律政策メカニズムの改善
 法律法規の整備、営業秘密保護プロジェクト(コラム1)、保護政策の改善、デジタル知的財産権保護プロジェクト(コラム2)国家安全保障のための政策の充実。
(5)知的財産権の司法保護強化
 司法保護メカニズムを改善、司法保護能力の向上。
(6)知的財産権の行政保護強化
 行政保護機構の整備、知的財産権保護機構構築プロジェクト(コラム3)、行政保護の効果の向上、植物新品種保護メカニズム構築プロジェクト(コラム4)、地理的表示保護プロジェクト(コラム5)。
(7)知的財産権の共同保護強化
 紛争の多元的解決メカニズムの改善、信義誠実メカニズムの構築強化。
(8)知的財産権の来源の保護強化
 高品質の知識産権の創造の促進、審査の質と審査効率の向上、トップレベルの特許商標審査機構の構築プロジェクト(コラム6)、登録出願の品質監督管理の強化。

4.知的財産権の移転効果の向上による実体経済でのイノベーション発展支援
 知的財産の高品質な創造の促進、審査の質と効率の向上、出願品質の監督管理の強化。
(9)知的財産権移転転換体制の整備
 国有知的財産権分配の改革推進、運営サービスメカニズムの最適化、知的財産権金融の積極的かつ安定的発展、産業知的財産権の共同運用の促進、特許ナビゲーションプロジェクト(コラム7)。
(10)知的財産権の移転転化効果の向上
 イノベーション主体の知的財産権管理効果の向上、中小企業知的財産権戦略プロジェクト(コラム8)、知的財産権の産業イノベーション転換の推進、商標ブランド構築プロジェクト(コラム9)、著作権イノベーション発展プロジェクト(コラム10)地域経済の協調発展の支援、知的財産権地方活性化プロジェクト(コラム11)。

5.利便性の高い知的財産権サービスメカニズムの構築、イノベーション成果の恩恵促進
(11)知的財産権公共サービス能力の向上
 新形態基礎施設の建設加速、公共サービスインテリジェント化(コラム12)、公共サービスメカニズムの整備、公共サービス提供レベルの向上。
(12)知的財産権サービス業の健全な発展を促進
 サービス事業者の育成発展、地域産業との融合発展の促進、監督・管理の強化。

6.知的財産権の国際協力の推進とサービス開放型経済発展
(13)知的財産権の全世界的統治に積極参画
 国際的ルールのメカニズム整備に積極参加、経済と貿易に関する多国間知的財産権交渉の積極的推進。
(14)知的財産権の国際協力水準の向上
 国際的協力関係国との連携強化、一帯一路での知的財産権協力プロジェクト(コラム13)、国際協力環境の最適化。
(15)知的財産権保護の国際協力の強化
 海外での知的財産権取得促進、海外での知的財産権権利維持の支援強化、外国貿易知的財産権保護プロジェクト(コラム14)。

7.知的財産権人材と文化建設の推進と事業発展の基盤強化
(16)知的財産権強化のための人材チームの構築
 知的財産権の人材開発環境の最適化、人材能力の向上。
(17)知的財産権文化構築の強化
 知的財産権の宣伝活動パターンの構築、教育での普及(コラム15)、文化理念の育成。

8.実施保障
(18)組織指導の強化
(19)探索とイノベーションの奨励
(20)投入力強化
(21)業務実施の徹底

参照サイト:http://www.gov.cn/zhengce/content/2021-10/28/content_5647274.htm

【中国】国務院は「「十四五」国家知識産権保護と運用計画」を発布(10月28日)

国務院は、10月9日付作成した「「十四五(第14次5か年計画)」国家知識産権保護と運用計画(“十四五”国家知识产权保护和运用规划)」(以下、計画という)を10月28日付発布(国発〔2021〕20号)し、地方政府、国務院各部門及び各直属機関に対して実行を指示した。計画は、2021年から5年間の知的財産権業務展開での指導思想、基本原則、主要目標、重点任務及び保障措置を明確に示している。

 計画は「中華人民共和国国民経済と社会発展第14次か年計画と2035年長期目標要綱」と「知的財産強国建設要綱(2021~2035年)」に基づき制定されており、特に、知的財産権保護の全面的強化を主軸とし、知的財産権強国の建設を目指し、知的財産権の創造、運用、保護、管理、サービスレベルの全面的向上、国際協力の推進に取組み、現代的経済体系の建設を促進するとともにイノベーション活力の奮起、経済社会の質の高い発展を力強く支援する内容となっており、2025年までに知的財産権強国建設段階の目標任務を期限通りに完成し、知的財産権保護が新たな段階に進み、知的財産権の運用が新たな成果を収め、知的財産権サービスが新たな水準に達し、知的財産権国際協力が新たな突破をもたらす目標設定となっており、いつも注目される目標達成のための指標は以下の通り:

計画では5つの分野で重点任務を決定し、実施保証を付けて各項目を展開する。
1.知的財産権保護のを全面的強化と全社会的イノベーション活力の刺激
 法律政策と保護対象の充実、司法・行政及び多元的保護と高品質な来源の保護を強化する。
2.知的財産権の移転転化による実体経済のイノベーション的発展支援
 国有知財を含む移転・転化の体制、システムの充実とその効果を向上させる。
3.利便性の高い知的財産権サービスシステムの構築とイノベーションの成果の分配
 公共サービスの能力向上、知的財産権サービス業の健全な発展を促進する。
4.知的財産権の国際的協力の推進と世界的な統治に積極的に参画
 国際的ルール作りに積極参加、国際的協力関係のレベル向上、保護の国際協力を強化する。
5.知的財産権の人材と文化建設の推進と事業発展の基盤確立
 人材チームの構築、人材の能力向上、知財の普及と教育を拡充する。
なお、5つの任務では営業秘密保護プロジェクトなど15の特別プロジェクトを設置している。
計画は関係組織に責任が分担され、指導を強化し、目標達成を目指すものとなっている。詳しい項目は次の記事を参照ください。

参照サイト:http://www.gov.cn/xinwen/2021-10/28/content_5647335.htm
      http://www.china.com.cn/zhibo/content_77840959.htm