【中国】特許審査指南改正の概要(1月18日)

国家知識産権局(CNIPA)専利局は、1月20日から施行される審査ガイドラインである特許審査指南の改正の要点の解説を公示した。概要は以下の通り、

1.発明及び実用新案登録出願の予備審査及び国際出願の国家段階の審査
 補正、優先権回復・追加・補正、新規性喪失の例外、国内段階移行時の補正
2.特許権期間の補償(法42条2、3項)第5部9章2節、3節
 実体審査での遅延、医薬品販売承認での遅延の期間回復
3.特許出願実体審査の一般規定
 非特許要件:法令違反、診断方法の改正、信義誠実の原則の適用
 明細書と請求項:引用の開示時期、サポート要件
 新規性:インターネット上の開示情報、新規性喪失の例外
 進歩性:最も近い引例の決定、技術的課題の判断、公知常識 
4.コンピュータプログラムに関する特許出願の審査
 請求項記載要件、AIとビックデータの審査基準、進歩性の審査基準
5.漢方薬分野の特許出願の審査
 保護対象、記載要件、新規性、進歩性、実用性(実施可能要件)
6.復審と無効請求(審判)の審査
 一般規定、審査手順、無効審査、口頭審理と証拠、意匠の無効
7.意匠特許出願の予備審査及び意匠国際出願
 初級審査(受理条件)、国際出願
8.特許出願手続きと事務処理
 書誌的事項の変更、願書と手続きの一般規定、特許料、起算日、直接手続き、秘密審査、審査延期、公報、特許証、開放許諾、評価書

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2024/1/18/art_66_189848.html

これに合わせて、以下の公示もされている。
特許期間補償申請手続き
無効宣言口頭審理の代理参加

【アメリカ】GUIなど電子画像の意匠特許出願審査に関するMPEP補足の公示(2023年11月17日施行)

アメリカ特許商標庁 (USPTO) は、2023年11月16日付、GUIやアイコンを含むコンピュータ生成の電子画像にかかる意匠が特許法でいう法定要件(35USC171)を満たすかどうかの特許審査便覧(MPEP)の補足ガイドラインを公示し、11月17日に施行した。この補足は、現在の USPTOでの審査実務慣行を反映しており、法規則を改正するものではないが、出願実務ではよくある問題点を明確にしているため、有意義なガイドラインとなっている。

 MPEPで対象となる部分は:1500章意匠特許1504.01(a) Computer-Generated Icons(意匠特許のコンピュータ生成のアイコン)のI節である。
I.GUIDELINES FOR EXAMINATION OF DESIGN PATENT APPLICATIONS FOR COMPUTER-GENERATED ICONS
 アメリカの意匠特許でのアイコンやGUIなどの保護は、日本の意匠出願のように物品から分離したり、単なる表面の模様のデザインと単独にしたりすることは認められていない「a design is inseparable from the article to which it is applied and cannot exist alone merely as a scheme of surface ornamentation」とされている。つまり、GUIやアイコンなどには、製造物品(Article of Manufacture、物品性)の要件が適用されることから、このI節ではこの要件と願書の記載内容に対する審査方針が規定されている。
 今回の補足は、Ex parte Strijland事件(コンピュータ生成のアイコン自体は表面の装飾にすぎないとの判断)を受けて設けられたI節に対するもので、出願したアイコンの意匠は特許を受けることのできる意匠であり、アイコンが適用された対象物である表示画面などから分離せず、単独で存在せずに操作において不可欠(integral)で機能する(active)画像データであることを製造物品としての認可条件としている。補足では、コンピュータプログラムにより表示画面に現れる意匠設計であるアイコンやGUIなどは「操作において不可欠で機能する画像データである」ことから意匠特許の付与対象であることを明確していく方針であり、その条件としては、願書に適切に装置における電子画像が表現され(presented)、権利請求(claimed)されていることおよび図面に適切な両者の関係が破線なりで表現されているを条件とするとしている。したがって、今回の補足では、意匠名称(Title)、説明(Description)とクレーム(Claim)の記載、および図面(Drawings)がそうした要件を満足するものとなるように、審査基準を明示することにあり、具体的に5つ例示で解説、補正案を示唆する内容となっている。例えば、例1は認可対象で、以下の通り:

詳細は、以下の公示を参照ください。

参照サイト:https://www.federalregister.gov/documents/2023/11/17/2023-25473/supplemental-guidance-for-examination-of-design-patent-applications-related-to-computer-generated
仮訳

【タイ】商標審査基準の改訂施行(1月17日)

タイ知的財産局(DIP)は、2022年1月17日付、商標登録審査基準に関する政令No.18/2565を公示した。2021年3月に意見募集を行った内容に準じており、概要と主に以下のような内容が注目される。

基準は以下の8章から構成されている。
第1章 一般原則
第2章 商品商標の審査
第3章 サービスマークの審査(商品商標準拠)
第4章 証明商標の検討
第5章 団体商標の審査
第6章 商標登録の公示
第7章 商標登録に対する異議申立
第8章 不服審判
付録 商標法

1)商標の識別力を 5 段階に定義分け具体例を提示(第2部第1節)
 ①独創的(fanciful)  Kodak Pepsiなど意味がなく翻訳でもない
 ②恣意的(arbitrary)  34類のCamel
 ③示唆的(suggestive) Greyhound(犬種)、Make THE Difference(スローガン) 
 ④記述的(descriptive) Sharp、Crunchy  (Secondary meaningも考慮)
 ⑤一般的(generic)  Peanuts、Printer

2)特に注意する非登録の対象
 ①幾何学模様やパターン、その繰り返しや連続するもの
 ②説明文;スローガン、LOL(Laugh Out Loudの略)など
 ③結合文字で顕著性がないもの;Clearview(コンタクトレンズ)WatchKit(スマートウォッチ)、DryDre(布製品)
 ④字母と単語からなる標章;BWhite
 ⑤3文字以上のローマ字や数字の組合せからなる標章;ABC、123、NPK(窒素リン酸カリウム)、XXL(衣類サイズ)、34B(下着サイズ)、32GB(メモリーサイズ)
 ⑥公序良俗に禁止される標章に旭日旗が含まれる

3)非登録対象の例外
 ①日本を含む商標(2.6.1節3)項)
  (1)政府から許可を受けている、あるいはそうした旨の文書がある場合
   “Allow the company… to use the word JAPAN to register a trademark”

4)使用による識別性
 テレビ、印刷メディア、オンラインまたはソーシャルメディア、チャネルを介してタイで標章を2年以上連続して宣伝することは、使用による識別性獲得のための「合理的に期間」と見なされる。

参照サイト:http://www.ipthailand.go.th/images/3534/2565/TM/TM_2565.pdf

【アメリカ】商標使用見本に関する審査基準の改定(10月31日)

アメリカ特許商標庁は、10月31日付、本年2月に改正し、9月に意見募集を行っていた商標の使用見本、デジタル作成/変更またはモックアップ(実物)見本に関する審査基準3-19の改定版をウェブサイトにアップした。

以下は、意見募集での改正の概要である。
1)背景が白との引用を削除;
2)情報提出要求(RFI)はどのような情報が必要かより多くの裁量内容の提示;
3)特定な情況の場合、RFI対応要件の撤回;
4)実質的なサポート書類の要求になり、特定の数量の書類や販売金額ではなくなる。
最終版では、
5)V項の提出された見本の審査で、代替見本が亭主された場合の判断ステップを追加している。

参照サイト:https://www.uspto.gov/sites/default/files/documents/TM-ExamGuide-3-19.pdf