【中国】標準必須特許ライセンス運用指南(4月25日)

北京市知識産権局は、2024年中関村フォーラム初日の「世界知的財産権保護・イノベーションフォーラム」において、北京市知識産権局が中心北京市知識産権公共サービスセンターと中国国際貿易促進委員会商事法律サービスセンターとともに発行した「標準必須特許ライセンス運用ガイドライン(标准必要专利许可操作指南)」(以下「指南」)が発表した。

 北京市は、地域的な発展の必要性もあり、重点法域での標準必須特許(SEP)に関する法律法規、政策文書、司法事例を整理し、標準必須特許の焦点となる問題に関する司法動向と政策の傾向を分析、整理し、標準必須特許ライセンス活動でのリスクと運用上の提案として、イノベーション主体に実用的な参考資料としている。
 指南は以下の通り、標準と標準必須特許の基本概念から紛争解決までの4部17項目と添付資料で79頁からなり、中国でのSEPライセンスではたいへん参考になる。

標準及び標準必要特許の基本概念の紹介
 1. 標準
 2. 標準組織
 3. 標準組織の知的財産権政策
 4. 標準必須特許
 5. 標準必須特許製品
 6. 公平、合理、無差別の原則
ライセンス活動基本手順
 1. 二国間ライセンス交渉手順
 2. パテントプール許可
 3. ライセンス料の計算
その他のホットな問題
 1. ライセンスレベル
 2. 特許ハイジャック、リバースハイジャック、ライセンス料スタック
 3. グローバルレート
 4. 禁止事項
ライセンス紛争の解決
 1. 裁判外紛争解決
 2. 訴訟
 3. 行政裁決
 4. 独占禁止申立
別添1:世界の主なパテントプール基本状況の紹介
添付2:典型的な事例の概要
添付3:参考資料

参照サイト:https://zscqj.beijing.gov.cn/zscqj/zwgk/tpxw/436429396/index.html

【中国】江蘇省高級人民法院は商標権侵害と営業秘密侵害の民事紛争事件審理指南(改訂版)を公示、施行(4月16日)

江蘇省高級人民法院は、2020年12月29日に江蘇省高級人民法院裁判委員会第36回全体会議で可決した商標権侵害民事紛争事件審理指南(改訂版)(江苏省高级人民法院侵害商标权民事纠纷案件审理指南(修订版))及び営業秘密侵害民事紛争事件審理指南(改訂版)(江苏省高级人民法院侵犯商业秘密民事纠纷案件审理指南(修订版))を4月16日に公布し、同日施行した。これは、2011年に施行された同指南(ガイドライン)をその後の商標法、不正競争防止法などの改正や司法解釈を反映するよう改正したものである。内容は下記の通りで、詳細かつ具体的な規定と記載のため実務者には参考になる。

●商標権侵害民事紛争事件審理指南(改訂版)
 第一部 商標権侵害民事紛争事件の審理構想概要
 第二部 商標権の有効性、商標権保護範囲の審査
 第三部 商標権侵害訴訟提訴
 第四部 商標権侵害行為
 第五部 権利衝突事件審理
 第六部 商標権侵害抗弁事由
 第七部 馳名商標認定
 第八部 民事責任負担
 第九部 その他(悪意訴訟に対する反賠償請求権、仮差止、民事制裁、非侵害確認訴訟)
 付属:訴訟事例41件

 参照サイト:http://www.jsfy.gov.cn/art/2021/04/16/11_103830.html

●営業秘密侵害民事紛争事件審理指南(改訂版)
 第一部 商業秘密侵害民事紛争事件審理概要
 第二部 商業秘密審査と認定
 第三部 商業秘密侵害行為審査と認定
 第四部 民事責任負担
 第五部 司法鑑定
 第六部 刑事民事が交差する場合の処理
 第七部 証拠保全と仮差止
 第八部 訴訟秘密情報保護
 付属:守秘承諾書及び関連法律規定

 参照サイト:http://www.jsfy.gov.cn/art/2021/04/16/11_103828.html