国家知識産権局(CNIPA)は、4月25日、法改正予定を発表した。今年度は、以下の5件を予定している。立法2件、内部規定3件である。
1.商標法
2.集積回路配置設計保護規則
3.集積回路配置設計保護条例
4.特許審査指南
5.専利代理管理弁法
参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2025/4/25/art_75_199276.html
国家知識産権局(CNIPA)は、4月25日、法改正予定を発表した。今年度は、以下の5件を予定している。立法2件、内部規定3件である。
1.商標法
2.集積回路配置設計保護規則
3.集積回路配置設計保護条例
4.特許審査指南
5.専利代理管理弁法
参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2025/4/25/art_75_199276.html
欧州連合理事会(European Council)に提出されていた意匠制度改正案は、規則改正指令2024/2822(規則改正部分) と2024/2823(改正規則)として2024年11月18日の官報に公示され、それぞれ20日後の12月8日に施行される。
欧州意匠法改正は、現在の3D印刷やデジタル技術などとその経済情況に適合するよう大きく近代化するもので、現行法での課題を解決し、法適用や解釈を改善し、クリエイターや企業に大きな利益ことを期待しているもので、主に4つの改革を目的としている。つまり、意匠権保護範囲を現代化し明確化と強化、保護の利便性の向上、保護制度の相互運用(商標規則との整合性)による調和、及びEU全体で異なるスペアパーツ保護を調和させることにある。
この改正指令が12月8日に施行されることを受け、改正指令2024/2822の意匠規則改正は、
第1段階、その4か月後の初日である2025年5月1日に基本的な改正が施行され、
第2段階、その18か月後の2026年7月1日その他の改正である新たに保護対象となる意匠出願などが施行される。
また、第3段階として、改正指令の無効手続きやスペアパーツの法的保護について、欧州連合加盟各国は36か月以内、つまり2027年12月9日までに国内法を改正することが求められる。
意匠法の実質的な改正は、欧州連合商標規則の構造に合わせるため、規則全体の条項が削除または再配置されている。主な改正は以下の通り;
1.名称、定義の変更
共同体意匠(Community design)を欧州連合意匠(European Union design、EUD)に;
共同体意匠裁判所(Community design court)を欧州連合意匠裁判所(EU design court)に;
共同体意匠規則(Community Design Regulation)を欧州連合意匠規則(European Union Design Regulation、EUDR)に改正する。
・定義Art.3で、意匠の定義にアニメーションを追加、製品の定義が改正、拡大され、非物理的存在”object or materialises in a non-physical form”が追加され、内装や外装を形成することを目的とした空間配置”spatial arrangements of items intended to form an interior or exterior environment”、その他、表面の模様やGUIも明記された。
・定義Art.3
(1) Designの定義は、最後のits ornamentation をits decoration, including the movement, transition or any other sort of animation of those featuresと追加改正され、動き、変遷、やそうした機能をもつその他の種類のアニメーションも含まれる装飾と拡大された。アニメーションは、幅広い用語であり、段階的に変化するものであり、デジタルに限らず動きや変遷も含まれる視覚的効果などからなる設計と理解できます。
この改正は、デジタルの意匠設計と視覚的効果をより広範囲に網羅する目的がある。しかし、従来からGUIやアニメーションデザインの出願を受理しており、これを追認する改正であるからそうした見方からは大きな変化でないと思います。なお、動画で提出するような場合に、一義的に決まらない動きや変遷については、複数の意匠として出願する必要があると理解します。
(2) Productの定義は、in a physical object or materialises in non-physical formとデジタル形式から非物理的形式(デジタルであるかどうかを問わず)と改正し、コンピュータプログラムを除く物理的物体に限らずあらゆる工業製品や手工芸品になり得ることを明確にして、デジタルの設計を保護することを意識しています。さらに、(a)項は物品について、or exterior(外部の)を追加し、spatial arrangements of items intended to form an interior or exterior environmentとすることで、店舗設計や仮想空間での設計を対象としていると理解できます。(b)項はGUIや表面設計などの形状を明示し、欧州意匠でかなりの部分を占める技術や自動車分野での画像、ロゴ、GUIなどの保護を明確にしています。
Product(製品)の定義の拡大は、組物、空間配置、内装・外装の設計に加え、人の経験や仮想環境などまで広く保護されるようになりました。
2.権利と制限
・保護対象Art.19の2項のd号を改正し、侵害対象に新たに3D印刷に対する権利行使を可能とする表現に変更した。
・制限事項Art.20の1項にd号を設け、意匠権者の製品であると識別や参照する目的で行われる行為、e号を設け、コメント、批評、パロディを目的として行われる行為を追加した。
・修理目的意匠を権利対象外にするために、新たにArt.20aが設けられ、1項で、組立製品(Complex Products、例えば自動車)の構成部品の意匠で、組立製品の元の外観を回復するように修理のみに使用することを目的する場合、権利を付与しないと規定した。2号、3号に適用除外がある。
・意匠権保護の認知度を高めるために意匠標識を導入するため、新たにArt.26aが設け、意匠権者やライセンシーは意匠権を適用した製品に〇にDを入れたⒹ記号を表示することができることを規定した。
・製品がEU域内で販売されない場合でも、EU域外の国からEUを経由して侵害品が輸送される場合は保護を受けることができるようにした。
3.出願と審査
・受理窓口Art.35の1項を改正し、各国での受理を廃止、EUIPOのみが受理する。
・出願日確保Art.35の4項を改正し、手数料の納付を条件とした。欧州商標制度と同様1か月の猶予期間がある。
・複数意匠一括出願Art.37の1項を改正し、単一性(単一クラス)の要件を廃止し、同じ種別の製品に限定されることなく、異なるロカルノ分類に当該意匠を複数の意匠出願できるようにした。ただし、複数の意匠出願は最大50 件までの制限がある。
・物理的見本の提出は廃止された。
・公告延期Art.50の5項を改正し、公告料の支払いを条件としなくなり、公告延期期間満了後、公開を望まない場合は自発的に放棄する必要がある。なお、出願時に延期手数料を支払わなかった場合、出願は却下される。
・更新Art.50dの3項を改正し、納付期限日を満了日のある月の月末から満了日とし、6か月前から納付できる。6か月の追納も満了日から起算する。
・権利帰属及びその効果Art.15及び16を改正し、権利帰属手続きによる所有権の変更及び無効手続き前に変更手続きが可能となる。
・出願ガイドラインが2025年3月ごろ公示予定、新しいガイドラインを確認ください。
4.出願手数料、更新費用
・出願手数料は付属書として、指令に含まれるようなった。その他の改正があるので、具体的料金発表時に確認することをお勧めする。
・出願費用は、基礎出願1意匠の料金は、現行を維持€350、複数意匠の2件目以降は€125に減額
・公告延期手数料€40,2意匠目以降€20/件
・公告、登録料の廃止
・更新費用の大幅な値上げ 別の記載を参照。
5.その他の注意点
・非登録意匠(Unregistered Design)の保護は、従来と変わらず発表後3年間の保護と新規性例外の適用(優先権主張含む)の12か月は変更ないが、域内での開示を条件とするため、イギリスはすでにEUを離脱しており、イギリスやスイスで公開した場合に、保護を受けることができないことに注意が必要で、特にイギリスでの展示や発表などをする場合は、少なくともイギリス意匠出願を同時に行い、優先権主張してEU意匠出願することが必要である。
参照サイト:官報 https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/2822/oj
欧州知財庁公示 https://www.euipo.europa.eu/en/designs/design-reform-hub/terminology-procedural-changes
欧州連合理事会(European Council)は、2024年10月10日、その公式サイトでデザインパッケージに基づく 2 つの立法、すなわち意匠の法的保護に関する改訂指令と共同体意匠に関する改正規則を採択したことを公示した。採択さた条文は、デジタルデザインと 3D プリント時代における工業デザイン保護を改善するために現行意匠法を更新するものとしているが、スペアパーツの保護が除外されることは事業に大きな変更となる。なお、本決定は法制化の最終段階を意味し、官報公示後20日以内に発効し、4か月後に適用され、加盟各国は36か月後(3年以内)までに国内法の改正することになる。
20年以上改正されていない現行の欧州意匠制度の改正は2020年10月に遡るが、2022年11月28日に理事会は、デザインパッケージとして2つの提案をしている。共同体意匠に関する理事会規則(EC)第6/2002号を改正する規則及び意匠の法的保護に関する指令(指令98/71/ECの改正)で、2023年9月25日に採択しました。その趣旨は、
1.3Dプリントで再現できるデザイン保護のための新しい規則の制定
2.自動車部品などの複雑な製品の修理に使用されるスペアパーツの意匠保護の除外
そして、これらは2023年12月22日に最終指令案として暫定合意し公示しました。
現行法の改正は別に報告するとして、スペアパーツの意匠保護除外については、「修理条項」が追加され、複雑な製品の元の外観を復元するために使用される交換部品を意匠保護から除外するが、修理目的の場合のみであり、交換部品が元の部品とまったく同じ外観である場合に限るとしている。つまり、損傷したドアや、車を元の外観に戻すために交換する必要がある車の壊れたライトなどである。この条項は、スペアパーツ市場を自由化し、EUの消費者が修理用により安価に入手しやすいスペアパーツを利用できるようにすることを目的としている。これにより、消費者は10年間で3億4,000万~5億4,400万ユーロを節約できる可能性があるとしている。欧州意匠制度では、これまでも自動車部品の意匠は権利をとっても行使ができない情況であったので、その対象と地域の範囲が広がると理解することになろう。改正法の適用において、旧法での登録に変更なく、改正法での登録がその対象になる経過措置があることから、意匠権として取得することは従来通り勧められるが、権利行使が限定的となることに理解した上での活用になりそうである。
意匠法の改正では、①デジタルに対応し製品の定義を「物理的でない(non-physical)」に、②出願日確定のための意匠の表示要件を十分明確であればに緩和、③公告延期30か月の適用を弾力化、④登録意匠の無効を行政決定レベルに簡素化、⑤国内意匠出願関連料金を欧州意匠より安価に、⑥加盟各国での著作権との重複保護の制度化、など。
参照サイト:https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2024/10/10/intellectual-property-council-gives-its-final-approval-to-the-designs-protection-package/
2023年12月22日の最終合意 https://data.consilium.europa.eu/doc/document/ST-16992-2023-INIT/en/pdf
経産省は、11月24日付、第211回通常国会で6月7日に成立した「不正競争防止法等の一部を改正する法律(令和5年法律第51号)が閣議決定を受けて施行日を2024年4月1日とすることを公示した。この法改正には、以下の話題となっていた商標法の改正他、特許法、意匠法、実用新案法及び不正競争防止法が含まれている。
(1) デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化
①登録可能な商標の拡充(商標法4条ほか)
他人の氏名を含む商標の登録要件の緩和
他人が既に登録している商標と類似する商標出願に対するコンセント制度の導入
②意匠登録手続の要件緩和
新規性例外の適用の緩和(意匠法4条ほか)
③デジタル空間での模倣行為の防止(不競法2条)
商品形態の模倣行為について、デジタル空間上でも不正競争行為の対象
④営業秘密・限定提供データの保護の強化
他者との共有を前提に一定の条件下で利用可能な情報のカテゴリーを新設
(2) コロナ禍・デジタル化に対応した知的財産手続等の整備
⑤在外者への送達制度の改正
⑥書面手続のデジタル化等のための見直し
⑦手数料減免制度の見直し
(3) 国際的な事業展開に関する制度整備
⑧外国公務員贈賄に対する罰則の強化・拡充
⑨国際的な営業秘密侵害事案における手続の明確化
外国での営業秘密侵害を国内で起訴できるようにする
参照サイト:https://www.meti.go.jp/press/2023/11/20231124001/20231124001.html
国家市場管理監督総局は、2021年の立法計画を公表した。公表された計画には、6件の法律と行政法規、及び61件の部門規定である。
法律と行政法規で注目する対象は以下の通り:
1.製品品質法(産品質量法)・・模倣ニセモノ対策に活用
6.特許法実施細則(専利法実施細則)・・特許出願などに活用
行政法規で、注目するのは以下の通り:
2.企業名称登記管理実施弁法
6.営業秘密保護規定
7.インターネット不正当競争行為禁止の若干の規定
34.政府標識保護弁法
35.商標代理管理弁法
36.特許出願行為の規範化に関する若干の規定
44.知名商標に特有の名称、包装などの盗用禁止に関する若干の規定
45.インターネット広告管理暫定弁法
46.製品偽造防止監督管理弁法
60.馳名商標認定と保護規定
61.団体商標、証明商標登録と管理弁法
参照サイト:http://gkml.samr.gov.cn/nsjg/fgs/202104/t20210401_327476.html
第13次全国人大常委会第72回委員会が9月29日に北京で開催され、10月13日から17日にかけて第22回会合が開催され、特許法の改正が審議されることが分かった。その他、刑法(11)、行政処罰法、生物安全法、輸出管理法、野生動物保護法などが審議される。例の問題の法令も入っている。特許法改正が進むことが予想される。
参照サイト:http://www.npc.gov.cn/npc/c30834/202009/b01f918ac5ae4b8cb8af061c7c231a65.shtml
中国政府は、全人代13回常務委員会の決定として、商標法及び不正競争防止法の一部改正を決定し、2019年11月1日からの施行を公示しました。改正内容は下記の通りです。
第4条 自然人、法人或いはその他の組織がその生産経営活動中に、その商品或いは役務について、商標専用権を取得する必要がある場合、商標局に商標登録の出願をしなければならない。使用を目的としない悪意のある商標登録出願は、却下しなければならない。
第19条 商標代理機構は、信義誠実の原則に従い、法律、行政法規を遵守し、依頼人の委託事項の商標登録出願或いはその他の商標事項の手続を行わなければならない。代理手続中に知り得た依頼人の営業秘密については、秘密保持義務を負う。
依頼人の商標登録出願が本法に定める非登録対象に該当する可能性がある場合、商標代理機構は依頼人に対し明確に通知しなければならない。
商標代理機構は、依頼人の商標登録出願が本法第4条、第15条及び第32条に定める対象に該当することを知った、又は知り得た場合、その委託を引き受けてはならない。
商標代理機構は、その代理役務についての商標登録出願する以外の、その他の商標登録出願をしてはならない。
第33条 初級審査後公告された商標に対して、公告日より3か月以内に、先の権利者、利害関係者は本法第13条第2項及び3項、第15条、第16条第1項、第30条、第31条、第32条の規定に違反と認められる場合、或いは何人も本法第4条、第10条、第11条、第12条、第19条第4項の規定に違反すると認められる場合、商標局に異議申立を提出することができる。公告期間が満了しても異議がなかった場合、登録を許可し、商標登録証を交付するとともに、これを公告する。
第44条1項 登録された商標が本法第4条、第10条、第11条、第12条、第19条第4項の規定に違反しているか、或いは欺瞞的な手段或いはその他の不正な手段で登録を取得した場合、商標局は当該登録商標の無効を宣言する。その他の単位或いは個人は商標評審委員会に当該登録商標の無効の宣言を請求することができる。
第63条 商標専用権侵害の損害賠償額は、権利者が侵害により受けた実際の損失に基づき確定する。実際の損失を確定することが困難な場合、侵害者が侵害により得た利益に基づき確定することができる。権利者の損失或いは侵害者が得た利益を確定することが困難な場合、当該商標の使用許諾費用の倍数を参照して、合理的に確定することができる。悪意による商標権侵害で重大な事情がある場合、上述の方法で確定した金額の1 倍以上5倍以下で賠償額を確定することができる。賠償額には、権利者が侵害行為を制止するために支払った合理的な支出が含まれなければならいない。
人民法院は賠償額を確定するために、権利者が既に挙証に尽力したが、侵害行為に関わる帳簿、資料が主に侵害者に掌握される状況にある場合、侵害者に賠償額を確定するために侵害行為に関わる帳簿、資料の提供を命じることができる。侵害者が提供しない、或いは偽造の帳簿、資料を提供した場合、人民法院は権利者の主張及び提供証拠を賠償額の確定に参考とすることができる。
権利者の実際の損失、侵害者が侵害により得た利益、登録商標の使用許諾費用を確定することが困難な場合、人民法院は侵害行為の事情に基づき、500 万元以下の賠償を命じる。
(追加)人民法院は商標紛争事件を審理する場合、権利者の請求に応じ、登録商標を盗用した商品に対して、特殊な情況の場合を除き、廃棄を命じる。登録商標を盗用した商品の製造のために主に使用された材料、工具に対して、廃棄を命じるとともに補償もしない。或いは特殊な状況の場合、前述の材料、工具のビジネスルートで流通させることを禁じるとともに補償もしない。
(追加)登録商標を盗用した商品は盗用した登録商標が取り除かれてビジネスルートで流通してはならないものとする。
第68条 商標代理機構に次の各号の行為の一つがある場合、工商行政管理部門は期限を定めて是正を命じ、警告を発し、1万元以上10万元以下の罰金を科す。直接の責任主管者とその他の直接責任者に警告を発し、5千元以上5万元以下の罰金を科す。犯罪を構成する場合、法により刑事責任を追究する。
(1)商標事項の手続において、法律書類、印鑑、署名を偽造、変造、或いは偽造、変造したものを使用している場合;
(2)他の商標代理機構を誹謗するなどの手段により商標代理業務の勧誘を図る、或いはその他の不正な手段により商標代理市場の秩序を撹乱している場合;
(3)本法第4条、第19条第3項、第4項の規定に違反している場合;
商標代理機構に前項に定める行為がある場合、工商行政管理部門は、信用保存書に記録する。情状が重大の場合、商標局或いは商標評審委員会は、更にその商標代理業務の受理と手続停止を決定することができ、これを公告する。
商標代理機構が信義誠実の原則に違反し、依頼人の合法的利益を侵害した場合、法により民事責任を負わせるとともに、商標代理業組織は規約の規定に基づき懲戒する。
(追加)悪意のある商標登録出願について、情状により警告、罰金などの行政処罰を科す。悪意のある商標訴訟の提起について、人民法院は法に基づき処罰を科すものとする。
http://www.npc.gov.cn/npc/xinwen/2019-04/23/content_2086068.htm
国務院は、2018年11月19日付、国務院令第706号を発布し、2018年9月6日に国務院第23回常務会議の審理を経て、11月6日付改正専利代理条例(特許代理条例)が成立し、2019年3月1日から施行することを公示した。
ご参考まで、2018年10月末時点で、特許代理人は、専業特許代理人が18,468人に達し、特許代理事務所(中国の場合は原則、会社組織でなければならない)は2,140社に達している。
専利代理条例は、1991年3月4日に成立以降、数回の改正がされているが、特許代理のサービスレベルを向上させ、特許代理人の名称を「専利代理師(特許代理士)」とし、特許代理業界への参入を緩和する。しかし、いわゆる「黒代理」問題を抑制し、特許代理支援サービス提供などを今回の題目としている。主に、下記を改正のテーマとしている。
1.権力の管理を簡素化し、革新と起業家精神を支援し、大衆の負担を軽減し、市場の活力と創造性を刺激する。
2.管理を統合し、日々の監督を強化し、市場秩序を標準化し、革新的な事業体の正当な権利と利益を保護する。
3.サービスを最適化し、利便性を高め、サービス効率を向上させる。
改正特許代理条例では、特許代理士の署名責任を追加し、特許代理援助サービスを提供することを提唱し、特許代理事務所の情報公開を促進し、特許代理業界の自律を強化し、違反行為に対する政府の監督管理などを強化することで、結果的に間接的ながらも特許代理のサービスレベルの向上を目指すものとなっている。
特許代理支援サービスとは、外国出願、特許ウォッチング、分析、ライセンス、質権融資、特許訴訟、調停などのサービスのことを指し、こうした顧客支援サービスの提供する代理事務所の数が増加している。
特許代理業界参入緩和策として、2014年に特許代理事務所設立登記の最低限度額と財産証明の提出義務を廃止、2016年に「パートナー/株主人事証明書」「パートナー/株主退職証明書」「事務所住所証明書」「事業施設証明書」などの証明書の提出義務を廃止し、現在では、事件発生後の管理やランダム抽出による監督管理に変わってきている。こうした成長と並行して、新たな規範化の課題として、事務所としての従業員と事業規模の不均衡、需要に応じたサービスレベルの未成長、「掛証」「黒代理」と呼ばれる虚偽宣伝や安値競争などが発生しており、これらの問題は法律面から解決するとしている。
なお、法令などに違反した場合の罰則は、警告、罰金5~10万元、業務停止6~12か月、未登録の代理行為は違法所得の没収及び違法所得の5倍以下の罰金となっている。
改正専利代理条例は、全5章32条から構成されており、下記のような条項の構成となっている。
全文仮訳が必要な場合はご連絡ください。
参考サイトは下記の通り。
国家知識産権局は、12月7日付、李強国国務院総理(首相)が常務委員会を招集し、再びイノベーションによる改革を促進し、更に一層イノベーションを刺激し、創造活力を創出させるために、「中華人民共和国特許法改正(草案)」を通じて、財産権を効果的に保護し、権利侵害を強力に打撃することを決定した。
特許法改正については、特許権者の合法的な権益保護をさらに強化し、発明や創造を奨励するメカニズム制度を充実させ、実務において有効に特許を保護する成熟した方法を法律とするため、会議は「中華人民共和国特許法改正案(草案)」を採択した。
草案は、知的財産権の侵害に対する打撃力を強化するため、外国の手法を参考にして、故意侵害や特許虚偽に賠償と罰金額を大幅に増加させ、侵害コストを著しく増加させて、違法行為を抑制することを着目している。また、侵害者による関連資料提供協力義務やネットワークサービス事業者が迅速に権利侵害行為を阻止しない場合の連帯責任を明らかにしている。さらに、草案は発明者や創作者が得るべき職務発明の収益の合理的配分メカニズムの奨励や特許権ライセンス制度の整備を明確にしている。そして、会議は、草案を全国人民代表大会常務委員会で引き続き審議することが確認された。こうしたことから、改正特許法の内容は近日中に公示されると思われる。なお審議送信稿は2015年12月で、No.201510CY参照下さい。
なお、本会議では下記の内容が確認された。会議は、党中央、国務院部署京津冀、上海、広東などの8つの区域で、イノベーション促進改革の取り組みが先行試行されており、去年第1回として13の改革プロジェクトで推進された。
また、会議では、次回は23の改革プロジェクトをより大きな範囲で実施し、イノベーション資源に一層大きな刺激を加え、イノベーション活動の奨励、新しいエネルギーを育成することも決定している。
その全国で推進する主要な事項は下記の通り。
1.科学技術成果物の転化の強化
2.中小科学技術企業のための科学技術金融サービスのイノベーション
3.完全な科研管理による国有設備の開放共有、革新的な意思決定のメカニズムの確立と先行試行プロジェクトの総括、評価、今後の展開などについて、更に推進することを求めている。
参考サイトは下記の通り。 http://www.cnipa.gov.cn/zscqgz/1134384.htm