3月24日、国家知識産権局（CNIPA）は3月15日付で「商標悪意先取行為対策特別アクションプラン（打击商标恶意抢注行为专项行动方案）」と題する国知発弁函字〔2021〕35号を地方政府の関係部門及び商標局に通知し、3月より悪意商標出願に特別の対応を開始したことを公示した。
本通知の目標は、知的財産権の高品質イノベーションの方向性を強調し、信義誠実、公序良俗に違反し、商標登録管理秩序を混乱させ、深刻な社会的悪影響をもたす典型的な商標悪意先取行為を厳しく取り締まる。法律に基づき、部門の協力、統括推進を重視し、健全にシステム運営することで、全社会が正しい商標登録意識を一層確立するよう誘導し、商標出願件数の安定、品質の向上を促進し、知的財産権事業の高品質発展を推進し、良好なイノベーション環境と企業環境の構築を支援するとしている。
重点施策としては、以下の10項目の悪意先取行為や場合を挙げている。
（1）国家或いは地域の戦略、重大な活動、重大な政策、重大なプロジェクト、重大な科学技術プロジェクトの名称；
（2）大きな自然災害、大きな事故災害、大きな公共衛生事件及び社会の安全事件など突発的社会的事件に関する用語、標識；
（3）比較的知名度の高い大きな競技会、展示会の名称、標識；
（4）行政区画、山や川、観光地、建築物などの公共資源の名称；
（5）商品やサービスの通用名称、業界用語などの公共ビジネス資源の名称；
（6）比較的知名度の高い人物の名前、有名作品或いはキャラクターの名称；
（7）他人の比較的知名度が高い或いは顕著性が高い商標或いはその他の商業標識；
（8）商標法第10条の規定（絶対的拒絶理由）及びその他の公序良俗に違反、中国の政治、経済、文化、宗教、民族などの社会の公共の利益と秩序に重大な消極的または負の影響を明らかに与える場合；
（9）商標代理人が依頼者の上記の行為を知りうる場合、或いはその委託を受け、またはその他の不正な手段で商標代理秩序を混乱させた場合；
（10）その他明らかに信義誠実の原則に反する場合。
なお、使用を目的としない悪意商標出願の取扱いについては、別の文書で対応されている。
アクションプランは以下の3段階で実施される。
(1)3月 動員段階 3月30日までに編成、計画、目標設定などを実施
(2)4-10月 組織実施段階
各地方での出願指導、異議や無効手続きでは典型的な事案を中心に無効化、重大な事件は対象地の知財部門で集中的に指導処罰、結果の情報共有
(3)11-12月 総括監査段階 12月10日頃までに各地で総括を実施
参照サイト：https://www.cnipa.gov.cn/art/2021/3/24/art_75_157972.html