【欧州】注意:単一特許選択サンライズ期間満了2023年5月31日

以下は、昨年12月に案内した以下の情報であるが、既に別掲で6月1日での発効が決定していることを案内しているが、代理人によるとシステム運用の技術的問題から手続きがスムーズに行えない情況も生じているようで、現地時間、5月29日までに手続きを完了することが勧められている。手続きが未だ終わっていない場合は、速やかに手続きをされることが勧められる。

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統一特許裁判所準備チームは、12月5日付、ヨーロッパ特許(EP)を将来の統一特許裁判所(UPC)の専属管轄から外す手続きを開始を2023年1月1日から2か月延期し、3月1にすると公示しました。これにより、UPC協定自体も6月1日に延期される。

延期の理由は、サンライズ期間中に手続きをする案件管理システム(the court’s case management system (CMS))の運用に利用されるユーザー認証装置 (ハード) と適格な電子署名が必要であるが、ハードウェアの準備状況や安定性に問題があるようで、こうした状況に利用者が適切に準備できる猶予期間とのことである。

現状では、これ以外のスケジュールに変更はなく、6月1日に統一裁判所制度が開始されるとの情報が多く出されている。

参照サイト:https://www.unified-patent-court.org/en/news/adjustment-timeline-start-sunrise-period-1-march-2023

【欧州】統一特許裁判所協定の準備開始(1月19日)

ヨーロッパ特許庁(EPO)は、1月18日付、オーストリアが統一特許裁判所協定(UPCA)の暫定適用に関する議定書(PAP)の批准手続きをEU理事会に行ったことを受けて、統一特許裁判所(UPC:Unified Patent Court)の設置準備が1月19日にスタートしたとのニュースリリースを公示した。

BrexitのためにUPCA署名国からイギリスが離脱し、現在はドイツ、フランス、イタリアの3か国をベースにEU加盟国13か国がPPA第3条の条件を満たす状態となっており、オーストリアが批准手続きを行ったことで長く待たれていた条件が整い、UPCと単一特許制度(UP:European patent with unitary effect)の開始に向けた非常に重要な進捗である。今後はドイツ政府の手続き次第での進捗となるが、UPCAの発効はドイツが批准書を寄託してから4か月後にUPCとUPの準備が稼働することになる。つまり、早ければ7か月後の2022年末にはさらなる進展が見られそうである。

参照サイト:https://www.epo.org/news-events/news/2022/20220117.html

【欧州】オーストリアがPAP批准手続き完了(12月2日)

ヨーロッパ特許庁(EPO)は、12月3日付のニュースリリースで、オーストリア議会が統一特許裁判所協定(UPCA)の暫定適用に関する議定書(PAP)の批准手続きに関する手続きを12月2日に完了したことを報じた。これは、UPCA署名国からイギリスが離脱したことから現在でドイツ、フランス、イタリアの3か国をベースにEU加盟国13か国がPPA第3条の条件を満たす状態となり、新しい司法と単一特許制度(UPC)の開始に向けた非常に重要なステップでなる。
 オーストリアが批准書をEU理事会に寄託するとすぐに、すべての準備が完了するための暫定期間が始まり、UPCを設立するための最終的な準備措置を講じ、UPCの作業を開始できるなる。統一特許裁判所の最終準備作業が完了すると、ドイツがUPCAの発効はドイツが批准書を寄託してから3から4か月で統一特許裁判所と単一特許制度が稼働することになる。つまり、早ければ2022年末にはそうした状況が生じることになる。

 ドイツが2020年11月26日にUPCA批准の同意を含む法案に必要な資格のある過半数が採択してから1年が経ち、当初の予定より1年遅れで進捗が見られそうである。

参照サイト:https://www.epo.org/news-events/news/2021/20211203a_fr.html

【欧州】ドイツ議会はUPC批准法を承認(11月26日)

ヨーロッパ特許庁の入力リリースによると、German Bundestag (ドイツ連邦議会)は11月26日に統一特許裁判所協定(UPCA)批准の同意を含む法案に必要な資格のある過半数が採択したことを報じています。この法律が施行されるための次のステップは、Bundesrat(連邦参議院)に移され、連邦政府による連署と連邦大統領による署名がされ、連邦法官報に掲載されることになるが、一方で、憲法に基づく不服請求が出されており、法律の発効が遅れることが予想されます。

UPC協定の暫定適用に関する議定書(PAP)が発効するためには、ドイツに加えて、さらに2つの締約加盟国が議定書に署名する必要があります。しかし、EPOはこの採択を歓迎し、ドイツの批准手続きが完了すると、2021年にはUPCを設立するための最終的な準備措置を講じ、2022年にはUPCはその作業を開始できるとしています。この楽観的な見通しはどうなるでしょうか。

参照サイト:https://www.epo.org/news-events/news/2020/20201126b.html

【欧州】ドイツ連邦憲法裁判所はUPC法案に違憲判決(3/20)

ドイツ連邦憲法裁判所(Bundesverfassungsgericht,FCC)は、3月20日、長く待たれていた統一特許裁判所(UPC)法案批准がドイツ憲法に違反するとの請求に対する判断を行い、法案批准を無効とする判決を下した。これは、ドイツ議会でのUPC法案に対する多数決の採決が議員の2/3の承認の要件を満たしていないとするものである。実際の議会の投票は5:3(出席者不足)で決定されたと認定した。

既にご紹介の通り、EU統一特許裁判所(UPC)及び単一特許(UP)制度の開始を遅らせていた2つの課題の1つは、イギリス政府のスポークスマン Baylee Turner が 2月27日に 「イギリスはUP/UPCへの関与を追求しない」と発表したことで解決した。もう1つの課題は、ドイツのUPC協定批准に関するドイツ憲法裁判所の決定であったが、今回の違憲判決で、振り出し戻った。

ドイツはUPCに必須の署名国であり、憲法違反の立場をとったため、UPC準備委員会の運営は更に厳しいものとなった。新型コロナウィルスで各国分離、運営中断の状況もあり、UPCは更に遅れることになりそうである。 UPC準備委員会はドイツの批准とイギリスに代わる支所の設立が当面の課題となり、2021年を目指して何らかの対策が求められ、今後の対応が注目される。

参照サイト: https://www.bundesverfassungsgericht.de/SharedDocs/Pressemitteilungen/EN/2020/bvg20-020.html
https://www.unified-patent-court.org/news/federal-constitutional-court-decision

【欧州】ドイツ司法省はUPCにBrexitの結果を待つと決定(8月14日)

ドイツ司法省は先週、統一特許裁判所(UPC:Unified Patent Court)に関する条約の批准を進める前に、ドイツとしてはイギリスが欧州連合を離脱する決定の結果を待つと公式に確認しました。司法大臣は、BrexitのUPCに対する影響をEUレベルで調査し、投票する必要があると述べた。従って、係属中の民事訴訟に対するドイツ憲法裁判所の決定が批准を求める場合、ドイツは自動的に批准をしない模様である。
 ドイツ憲法裁判所の事件は、裁判官報告リストの上位にあり、今のところ、2019年中に結審されることが予定されているが、その予定調整に対する拘束力はありません。口頭弁論の日程の発表は、口頭審理後3ヶ月以内になされなければならないので、おそらく今から数ヶ月以内になされ、審決日の予想が立つことになるだろうが、 8月の休日を考えると、決定はおそらく2020年初頭になる見込みである。
  2019年6月、UPC準備委員会は、裁判官の募集プロセスを再開すると発表しました。当初、UPCの実現が進んでいるシグナルとの推測がありましたが、そうではないことがすぐに明らかになりました。また、UPC裁判官になることを目指した一部の人はもはやその興味がなくなり、適切な資格を持つ他の人が興味を持ち始めているようである。

参照サイト:Fish&Richardson
https://www.fr.com/news/german-justice-ministry-to-await-brexit-before-proceeding-with-upc/