【中国】著作権行政執行法の証拠の審査と認定業務のための通知(11月15日)

国家著作権局(国家版権局)は、11月15日付、「国家著作権局による著作権行政執行法の証拠の審査と認定業務の更に進めるための通知(国家版权局关于进一步做好著作权行政执法证据审查和认定工作的通知)を公示し、同日施行した。本通知は、8月14日付で意見募集稿がされていたもので、全11条からなり、地方の政府に対して、権利証明、侵害証拠及び権利侵害の認定について、通知するものである。なお、本通知はSNSで発信されている。
以下、仮訳でご紹介する;

国家著作権局による著作権行政執行法の証拠の審査と認定業務の更に進めるための通知

各省・自治区直轄市著作権局、北京市、天津市、上海市、重慶市文化市場総合行政執行部門:

「中国共産党中央弁公庁、国務院弁公庁による『知的財産権保護強化に関する意見』の通知」を徹底し、著作権の保護をさらなる強化、著作権行政執行の効果の向上、著作権行政法執行業務メカニズムの改善、権利者の権利維持負担の軽減、良好な事業環境を構築するために、著作権行政法執行の証拠審査と認定業務を更に進めるために、以下の通り通知する。

一、権利の証明について
1.投訴人が著作権行政法執行部門に投訴したとき、著作権行政法執行部門は投訴人にその主張する著作権或いは著作隣接権に関する証拠を提供するよう求めなければならない。
2.投訴人が提出した以下に掲げる資料について、著作権或いは著作隣接権が帰属する証拠とすることができる:作品の原稿、原本;合法的出版物、著作権登録証書;権利取得契約;国家著作権行政管理部門が指定した著作権認証機構或いは著作権集団管理組織が発行した著作権認証文書;その他権利の帰属を推定できる証明資料。
3.著作権行政法執行部門は投訴人が提出した権利を主張する作品、上演或いは録音製品が「中華人民共和国著作権法」により保護されるとともにまだ保護期間内にあることを確認しなければならない。相反する証拠がない場合、著作権行政執行部門は投訴人の主張する著作権或いは著作隣接権に関する権利が当該作品、上演或いは録音製品に存在すると推定しなければならない。
4.相反する証拠がない場合、通常の方式で署名した作者、出版者、上演者或いは録音制作者について、著作権行政法執行部門は当該作品、演技或いは録音製品の著作権者或いは著作隣接権者と推定しなければならない。
5.著作権行政法執行部門は、本通知第4条に基づき権利の帰属を推定するとき、被投訴人が相反する証拠を提出できない場合、投訴人に当該権利帰属の証明、許諾を既に得ていること或いは被投訴人の行為が権利侵害を構成することを証明するために著作権或いは著作隣接権の許諾、譲渡契約或いはその他の書面証拠を提出することは求められない。

二、侵害の証拠について
6.投訴人が著作権行政法執行部門に投訴したとき、著作権行政法執行部門は投訴人に当該著作権或いは著作隣接権の証拠を提供するように求めなければならない。
7.投訴人が提出した以下に掲げる資料について、その提出された権利主張の著作物、上演或いは録音製品を権利が侵害された証拠とすることができる:権利侵害著作物、上演或いは録音製品と購入記録;権利侵害行為に関わる帳簿、契約と加工、書類作成;権利侵害行為を証明する写真、ビデオ或いはホームページのスクリーンショット;出版者の証明、発行者の偽造証明、授権許諾文書の改竄或いは授権許諾範囲を超えた証拠;その他権利侵害行為を証明できる資料。

三、権利侵害の認定について
8.投訴人が権利証明書及び権利侵害証拠などの関連証拠資料を提出した後、被投訴人が著作権者或いは著作隣接権者の許諾を得たと主張する場合、許諾を得た証拠を提出しなければならず、著作権行政法執行部門は事実確認の調査を行わなければならない。被投訴人が上記の証拠を提出できずかつ既存の証拠が権利侵害認定を支持するに足りる場合、或いは被投訴人が提出した証拠が許諾を得た証明に足りない場合、著作権行政法執行部門は被投訴人の行為は侵害を構成すると認定しなければならない。
9.複製品の出版者、制作者は出版、制作に合法的な授権があると証明できない場合、複製品の発行者はその発行した複製品が合法的な出所があると証明できない場合、著作権行政法執行部門はその行為が権利侵害を構成すると認定しなければならない。
10.投訴人が提出した権利証明書及び権利侵害証拠に基づき、著作権行政執行部門は被投訴人の行為が権利侵害を構成すると直接に認定することができ、鑑定機関に鑑定を依頼する必要がない。
11.著作権行政法執行部門は法により授権、虚偽の授権などの方式を通じて他人の作品の侵害行為を不法に伝播し、法により権利の帰属不明、不当な権利維持などの行為を規範化する。

国家著作権局 2020年11月15日