【中国】最高人民法院による電子商取引プラットフォームでの知的財産権民事事件審理の指導意見の公示(2020年9月10日)

最高人民法院は、9月10日付、6月に意見募集した「最高人民法院による電子商取引プラットフォームに関わる知的財産権民事事件の審理に関する指導意見(最高人民法院关于审理涉电子商务平台知识产权民事案件的指导意见)」(法発2020-32号)を通知したことを9月13日に公示した。

本通知は全11項目からなり、電子商取引法に基づき電子商取引プラットフォームにおける知的財産権紛争事件(特許、著作権など)を正確に審理するため、知的財産権者、電子商取引プラットフォーム事業者、プラットフォーム内の経営者との関係を適切に処理し、電子商取引プラットフォームの事業活動の規範、秩序、健康的発展を促進するための指導意見となっているが、主にプラットフォーム事業者の管理責任を中心とした内容となっている。

参照サイト:http://www.court.gov.cn/fabu-xiangqing-254931.html
仮訳

【中国】浙江省高級人民法院は「電子商取引プラットフォーム知的財産権利侵害事件審査ガイドライン」を発布(2019年12月26日)

浙江省高級人民法院は、12月26日付、「電子商取引プラットフォーム知的財産権利侵害事件審査ガイドライン(涉电商平台知识产权案件审理指南)」(浙高法民三〔2019〕33号)の発布を公示した。浙江省内の中級人民法院及び基層人民法院での運用となるが、参考になるのでご紹介する。

 本指南は、5部37項目からなるが、プラットフォーム事業者の義務と責任、また最近通報の多い相手を貶めるための悪意通報の認定を項目を立てて記載している。
一、基本原則
二、一般原則
三、「通知-取消」規則について
四、電子商取引プラットフォームの過失認定について
五、錯誤通知と悪意の通知について

 原告として知的財産権者が注意しなければならない点は、「一般原則」に記載の共同侵害行為になる場合が多いために、訴訟地は自身の購入地ではないこと、「通知―取消」に記載のプラットフォーム事業者に対する侵害警告(通知)、知的財産権の安定性(侵害判定書、実案意匠の評価書の提供など)、またプラットフォーム事業者のとった対応が合法的、合理的で適正であったかどうかであろう。
 一方、中国では最近、悪意を持った通報(投訴)が多く発生しており、日本企業もそうしたターゲットなる可能性は否定できないため、第28項に記載の虚偽の通知であるかどうかを判断する内容には少なくとも配慮する必要がある;
(1)偽造、変造した権利証明書
(2)当該権利の状態が不安定または瑕疵があることを知っている
(3)通知ミスを知ったにもかかわらず、直ぐに取下げない
(4)虚偽の鑑定意見を提供している
(5)以前に同種の通報をした事例がある
 なお、「電子商取引法」第42条第3項の規定に基づいて、悪意のある通知者に賠償責任を求める権利がある。

参照サイト:http://www.zjsfgkw.cn/art/2019/12/26/art_78_19527.html