【日本】マルチマルチクレーム審査基準の改定(3月23日)

日本特許庁(JPO)は、4月1日以降の特許出願に適用する「マルチマルチクレーム制限に関する審査基準」の改定を公示した。適用対象は、特許及び実用新案出願であり、請求項の記載要件と単一性、明細書の記載要件が主に対象となる。

具体的には、審査基準の第I部第1章「審査の基本方針と審査の流れ」、第I部第2章第2節「先行技術調査及び新規性・進歩性等の判断」、第I部第2章第3節「拒絶理由通知」、第II部第2章第5節「特許請求の範囲の記載に関する委任省令要件(特許法第36条第6項第4号)」、第II部第3章「発明の単一性」及び第X部第1章「実用新案登録の基礎的要件」が改定され、「特許請求の範囲の記載に関する委任省令要件」では、判断と審査を具体的に記載している。

参照サイト:https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/kaitei2/multichecker_shinsa.html

【日本】マルチマルチクレームの制限開始(2022年4月1日)

特許庁(JPO)は、2月25日付、特許法施行規則及び実用新案法施行規則の一部を改正する省令(経済産業省令10号)を公布し、特許及び実用新案出願の請求項はマルチマルチクレーム(多数項引用形式請求項を引用する多数項引用形式請求項)である構成はできないと改正し、4月1日に施行する。具体的対象となる規則は、特許法施行規則第 24 条の 3と実用新案法施行規則第 4 条である。

特許庁は昨年まとめた概要を2月10日にパブコメ意見募集を開始しところであるが、その期間が終わる前に改正を公布した。背景としては、マルチマルチクレームの存在により、引用形式を採らずに複数の発明を各請求項に別々に記載した場合の請求項の数(実質的な請求項の数)が 1,000以上になる出願が出願全体の約5%に達していること、日米欧中韓の主要庁のうち米国・中国・韓国において認められていないとしている。そして、何故かマルチマルチクレームチェッカーアプリを提供するとしている。

実務上は、サポート要件欠如や曖昧な保護範囲が発生する可能性も高く、外国出願を長くしてきたものからするとやっとの感はぬぐえない。アプリの提供にお金と時間をかけたのはなぜですかね。審査の負担が減るのだから進歩性判断をしっかりし、欧中と同じ程度になるようにお願いしたいところである。

参照サイト:https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/letter/multimultichecker.html