【中国】代理人との業務委託契約書ひな形に意見募集(9月24日)

国家知識産権局(CNIPA)は、9月24日、特許及び商標代理人と締結する業務委託契約書ひな形(代理委托合同示范文本)とその締結ガイド(签订指引)を作成し、一般からの意見募集を開始した。
 CNIPAは、国務院弁公庁が公布した「特許転化運用特別行動プロジェクト(2023-2025年)」、「国家知識産権局など17部門の知的財産権サービスの高品質発展の加速に関する意見」に基づき、特許や商標の代理サービスの質の向上、特許の転化運用や商標ブランド構築促進のため、中華全国特許代理師協会、中華商標協会と協力し特許及び商標に関する代理委託契約の雛形と締結ガイドを制定した。

 背景としては、特許代理条例(14条)や商標代理監督管理規定(13条)に書面による委託契約を締結しなければならないとの規定があり、雛形を提示することで当事者双方の合法的権益の確保や業界の事業秩序を標準化しようとする方針がある。
 契約書のひな形は、特許も商標も概ね統一されており、前文、委託事項、委託者の権利・義務、受託者の権利・義務、秘密保持義務、作業期限、料金、双方の明確な共通認識、違約責任、その他の約定事項、紛争解決、契約期間及び解除、契約発効・変更と終了の12項目からなる。
 締結ガイドは、それぞれの条項について、解説と意義を説明する内容となっている。

 代理人によっては税務問題もあるので、既に業務委託契約の締結を顧客に通知し、締結している場合もあると思われるが、締結ガイドで内容を確認する意味はあるので、一読をお勧めする。

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2024/9/24/art_75_195107.html

【中国】知的財産権代理人のBlueSky取締報告(1月10日)

国家知識産権局(CNIPA)は、1月10日付の公示で、2019年から実施している知的財産権代理業界の「藍(Blue Sky)」特別プロジェクトにより各地の特許、商標代理人事務所(中国では弁護士事務所を除き会社組織)の違法違反行為対策を行っており、これまで代理人事務所7400余を調査し、4500社に改善命令、680社に警告と罰金、20社に代理資格取消、代理業務停止などの重処罰を科し、罰金は3200万元(約6億2400万円)に及んでいる。こうした対策は業界内で強い影響があり、業界秩序は明らかに好転してきたと報告している。

今回の公示では、第1回目として11の商標の事例を紹介している。不正先取り登録事例として、コロナ対策病院名、冬季オリンピックキャラクター、オリンピック選手など名称を先取り登録した事件、商標代理人の違法行為事例として、商標権満了通知を送付した集客、販売目的で他人の商標や類似商標を先取り商標登録、外国の商標権者の名義を不正に使用した先取り商標登録、商標局の通知文書を偽造し顧客を騙し費用請求、顧客の署名を偽造して商標譲渡手続き、地理的表示登録で提出証拠を改竄、異議申立での利益相反行為(コンフリクト)、競合する商標代理人事務所を比較広告を使い中傷。

外国の顧客としては、北京、上海、広州、常熟など現地法人の存在する地域の代理人事務所であること、商標局の通知文書の偽造や代理行為として署名の偽造については注意したいところである。

参照サイト:http://www.cnipa.gov.cn/art/2023/1/10/art_53_181357.html

【カナダ】マドプロ出願拒絶通知など対応方法を通知(2021年2月5日)

WIPO国際事務局は、マドプロ国際登録でカナダを含む商標出願について、カナダ知的財産庁(CIPO)から下記のように通信手続きについて通知があったことを公示した。

1.商標保有者の出願人は、CIPOとの手続きにカナダの商標代理人を選任しない場合、暫定的拒絶通知の後、CIPOと直接通信できる。
2.代理人の選任を希望する場合、カナダ商標規則に従って、カナダの商標代理人を選任しなければならない。CIPOはWIPO国際事務局に選任届のある商標代理人とのみ通信できる。
3.CIPOはWIPO国際事務局に選任登録された代理人があれば、その代理人に正式な通知を送付する。この通報の目的は、例えば、暫定的拒絶の通報を行う際に、出願人または選任されたカナダの商標代理人のいずれかが所定の期間内に通知に対する応答が行われるようにするためである。
4.CIPOは、マドプロ国際登録のカナダ指定商標出願でのすべての通信をWIPO国際事務局に送信する。具体的には、保護を与える旨の声明、暫定的拒絶の通知、最終決定または更なる決定に関する声明及び無効の通知などで、マドリッド協定議定書に基づく規則第17規則、第18規則の3及び第19規則に基づくすべての通信をWIPO国際事務局に送信する。
5.WIPO国際事務局はCIPOから前記の通知などを受領後、それらの写しを出願人または選任された代理人に送信する。CIPOは正式な通知として、これらの通知の写しを出願人または選任されたカナダの商標代理人に直接送信する。

参照サイト:https://www.wipo.int/edocs/madrdocs/en/2021/madrid_2021_2.pdf

【アメリカ】外国からの商標手続きにアメリカ弁護士の代理義務の規則施行(2019年8月3日)

アメリカ特許商標庁は、7月2日付、外国の出願人、商標権者、当事者などがアメリカでの商標出願、登録、審判等の手続きを行う場合に、アメリカの弁護士(licensed attorneys )を代理人として使用しなければならい規則の制定と施行を公示した。これは従来の手続きでは、外国から不明確や不明瞭な書類の提出があり、対応に苦慮したり、質的問題が生じていた背景があるようである。

外国とは、アメリカ合衆国以外を指し、従来、カナダは特別扱いを受けていたが、例外がなくなった。

弁護士とは、アメリカでの弁護士資格を保有している者で、各州の弁護士会(Bar)に登録している法律事務弁護士である。従来、カナダの代理人が手続きを行うことができたが、この例外も排除された。

参照サイト:
https://www.uspto.gov/trademark/laws-regulations/trademark-rule-requires-foreign-applicants-and-registrants-have-us
官報 https://www.federalregister.gov/documents/2019/07/02/2019-14087/requirement-of-us-licensed-attorney-for-foreign-trademark-applicants-and-registrants