【中国】国家知識産権局2020年度報告(4月27日)

国家知識産権局は、4月27日付、年次年報である国家知識産権局2020年度報告を公示した。この公示により、やっと2020年度の特許と商標出願やその他の状況を知ることができた。1月22日に新聞発表会で2020年の年次報告がされたが、出願件数は敢えて外され、その後2021年度も発表されていない。ここでは、年次報告から特許関係の注目ポイントをまとめてみる。

特許出願と登録件数は以下の通りであるが、中国国内の出願は減少しておらず、外国からの出願はいずれも減少している。登録も同じ状況であるが、日本は実案と意匠が増加している。

発明特許取得ランキングトップ10は以下の通り、
国内:Huawei華為技術6,371件、Oppo広東移動通信3,588件、Sinopec中国石油化学2,853件、Tencent騰訊2,767件、BOE京東方科技2,629件、Gree珠海格力電器2,513件、Vivo維沃移動通信1,686件、ZTE中興通訊1,337件、MI小米科技1,329件、Lenovo1,166件。
外国:Alibaba阿里巴巴2,062件、Samsung三星電子1,628件、Qualcomm1,158 件、三菱電機1,127件、Hundai現代自動車929件、Bosch925件、LG電子913件、トヨタ自動車893件、キャノン848件、ソニー782件。

審査関連では、発明特許の平均審査期間が20か月、高価値特許の審査期間は14か月。優先審査件数受理は6.3万件、内発明特許は5.6万件で前年比+61.8%の増加で審査期間は6か月である。

復審(審判)関連は、以下の通りである。特許出願拒絶不服は54,670件と前年比-1.2%減少した。特許無効宣言は6,178件と+2.7%増加した。

不服申立の平均審査期間は14.1か月、審決で拒絶査定取消が48.3%、査定維持その他は51.7%である。無効宣言の平均審査期間は5.9か月である。審決結果は以下の表の通りである。

商標の出願と登録は以下の通りで、中国国内の出願は+20%増、外国からの出願は日本を含め減少している。出願の平均審査期間は4か月に短縮され、更新出願は0.5か月、変更は1か月、譲渡は2か月である。マドプロ案件もほぼ同じ処理期間である。2020年で顕著なトピックとしては悪意出願が審査段階で1.6万元拒絶査定が出されたことである。その他の詳細は、2月5日の評審委員会の報告を参照してください。

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/col/col2616/index.html