【シンガポール】新審査促進制度開始(5月20日)

シンガポール知的財産庁(IPOS)は、特許と商標出願に新たな審査促進制度を導入し、5月20日より開始した。これまでに審査促進制度は、2024年12月末で終了している。

特許審査促進制度SG Patents Fast
 特許出願の審査の第1回目のOA(拒絶理由通知)を受領する時期を出願人の希望する期間として、出願後4か月(SG Patents Fast 4)と8か月(SG Patents Fast 8)のオプションを用意し、その後のOAは4か月で発行される。
 対象は、分割出願でない、請求項20以下、同一出願の5件以下の制限がある。
 其々の条件で審査促進手数料の規定がある。

商標審査促進制度SG Trade Marks Fast
 商標出願の審査結果を3から6か月以内に受領できるようする。対象は、国内直接出願で、指定の分類表記載の商品や役務を選択した場合に適用を受けることができる。多区分出願の場合はすべての区分が対象となる。審査促進手数料は1区分SG$200であるが、一部が分類表不掲載の場合はSG$250/クラスとなるが、条件により手数料が変わる場合がある。

参照サイト:https://www.ipos.gov.sg/news/news-collection/circular–new-patents-and-trade-marks-acceleration-programmes/

【欧州】EP異議手続きの審査促進(2月22日)

ヨーロッパ特許庁(EPO)は、2月22日、異議申立の対象特許に関連する侵害或いは無効訴訟が提起されたことを知らされた場合の異議申立手続きの審査促進について、追加の公示を行った。

 昨年 11 月に官報に掲載された通知 (OJ EPO 2023、A99) に加え、統一特許裁判所(UPC)、国内裁判所、或いは締約国の管轄当局において並行して侵害或いは無効訴訟が行われていると通知された場合、EPO は異議申立の審査を促進する。しかし、異議申立手続きがどのように促進されるかは、EPO が並行訴訟をいつ通知されたかにより決まる。
 EPOは、当事者の利益のみならず、裁判所や一般の利益の観点から同時並行の異議申立手続きの迅速な終結のために品質と一貫性を保ちながら法的確実性と手続きの効率を図るとしており、そのために、EPC の法的枠組みを尊重しながら、異議申立部門は可能な限り迅速な措置を講じ、特に口頭審理への召喚状を迅速かつ最小限の通知で発行すとともに、当事者の協力が不可欠と指摘している。

 そこで、適用される具体的促進措置は、EPO が並行する裁判手続きの通知をいつ受けたかによって異なるとしている。
・異議申立期間中 (EP特許付与後 9 か月)
 異議申立期間満了後、(通常の4か月ではなく)3か月以内に異議申立に対する反論が特許権者に求められ、特許権者の返答受領後2か月以内に召喚状が発行され、当事者は最小限の通知で召喚される(規則115(1) EPC)。

・異議申立期間終了後、異議申立に対する特許権者の応答前
 口頭審理への召喚状は、特許権者の応答受領後2か月以内に発行される。当事者は最小限の通知で召喚される(EPC規則115(1))。

・特許権者が応答後、召喚状発行前
 口頭審理手続の呼出状は、並行する手続に関する情報の受領後2か月以内に発行される。当事者は、最小限の通知で召喚される(EPC規則115条1項)。

・召喚状発送後
 口頭審理は可能な限り早い日に再スケジュールされる(時間の大幅な節約が条件)。

・決定宣告後
 決定と議事録は1か月以内に発行される。

これらの促進措置は即時適用され、係属中の訴訟にも適用されます。

参照サイト:https://www.epo.org/en/news-events/news/acceleration-opposition-proceedings-cases-parallel-court-actions