【中国】「知的財産権による民間経済の発展促進に関する実施弁法(意見募集稿)」の公示(7月22日)

国家知識産権局(CNIPA)は、「中国民営経済促進法」が2025年4月30日に第14期全国人民代表大会常務委員会第15回会議の採決を経て5月20日から施行され、民営経済の健全な発展を促進し、高水準の社会主義市場経済体制を構築することを目指しており、同法には知的財産権に関する複数の条項があり、イノベーション成果に関する知的財産権保護について専門的な規定をしているため、知的財産権の保護と運用に関する具体的な要件を細分化し実行するために、本弁法は起草された。

弁法は、全8章21条からなり、① 知的財産のイノベーション、②知的財産権の保護、③知的財産権の活用面、④公共知的財産権サービスの面から構成されている。いずれにしても、CNIPAの年次計画に含まれている。

本弁法で特筆することはあまりなく、意見募集期限も8月5日までと形づくりと思われる。現政権の国有企業優先の施策が今期から国内企業支援に明らかに舵を切ったことが全人代以降の流れと理解している。

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/art/2025/7/22/art_75_200727.html

【中国】「非水平企業結合審査ガイド(意見募集稿)」の公示(6月27日)

国家市場監督管理総局(SAMR)は、6月27日、「非水平企業結合審査ガイド(非横向经营者集中审查指引」の意見募集稿を公示し、一般からの意見を7月15日まで募集する。SAMRは、公正な競争環境の整備を促進し、事業者集中(企業結合)の審査規則をさらに整備し、審査業務の透明性と予見可能性を高めるために本ガイドを制定したとしている

非横向経営者集中とは、非水平型企業結合を意味し、非水平とは競争関係を判断する場合に、合併に参加する事業者が異なる関連市場に存在するということで、異なる関連市場の判断は、関連商品或いはサービスの市場と関連する地理的市場を同時に考慮する。対象の事業者は、一部の関係市場では競争関係があり、別の市場では競争関係がない情況のある情況にある場合もあれば、垂直の関係にありながら産業チェーンで異なるレベルに存在する情況にある場合もある。本審査ガイドは、このような企業合併(集中)を対象としたものである。2008年の独占禁止法施行以降、中国での非水平的企業結合の事案30件以上で、追加的な制限条件を付して承認或いは禁止しており、全体の約50%を占めている。

本ガイドは、条文と事例が組合わされて起草されており、全9章82条からなり、31の事例が含まれている。全体の構成は以下の通りであるが、企業結合に関する他の規定に準拠している。

第1章 総則 (第1~9条)
第2章 証拠資料 (第10~12条)
第3章 関連市場 (第13~20条)
第4章 市場シェアと市場集中 (第21~26条)
第5章 垂直集中の競争への影響 (第27~55条)
第6章 混合事業者の集中による競争への影響 (第56~70条)
第7章 市場参入、買い手の力、効率性 (第71~75条)
第8章 その他の要因 (第76~77条)
第9章 補足規定 (第78~82条)

参照サイト:https://www.samr.gov.cn/hd/zjdc/art/2025/art_67923847f1e54bb3bc5dd5a90c37022b.html

【中国】「独占合意禁止規定(改正草案意見募集稿)」の公示と意見募集(6月3日)

国家市場監督管理総局(SAMR)は、6月3日、独占禁止法(反垄断法)第18条3項の規定を履行し、独占合意の「セーフハーバー」制度の適用条件を具体的に策定し、事業者と法執行機関により明確で具体的な指針を提供するため、「独占合意禁止規定(改正草案意見募集稿)(禁止垄断协议规定(修订草案征求意见稿))」を起草した。一般からの意見を2025年7月3日まで募集する。

改正は、以下の通り17条を追加改正し、18条を新設した。2022年の改正独占禁止法では、第18条にセーフハーバー条項である第3項を追加したが、原則的な規定であり、独占禁止法執行機関が具体的な市場シェア基準などの条件を決めることを明確に規定している。本規定の17条も同様に原則的規定にとどまっていたために、明確な基準値を提示して、基準と条件を明確にすることを目的としている。

第17条 事業者と取引相手が合意を達成し、事業者は合意に参加した事業者の関連市場における市場占有率が市場監督管理総局の規定する基準を下回り、かつ市場監督管理総局が規定するその他の条件に合致していることを証明できる場合、これを禁止しない。
 事業者が「独占禁止法」第18条1項(1)号及び(2)号に規定する合意は(3)号に適合すると主張する場合、関連市場における市場シェアが5%未満であり、且つ以下に掲げる条件に適合することを証明する必要がある:
 (1) 取引相手の関連市場における市場シェアが5%未満である;
 (2) 事業者と取引相手の関連市場における年間売上高がいずれも1億元を超えない。
 事業者が「独占禁止法」第18条1項(3)号に規定する合意は(3)号に適合すると主張する場合、前項に規定する市場シェアを15%、売上高を3億元で適用する。
 取引相手が複数ある場合、同一の関連市場における市場シェア、売上高は、合算する。
 合意に競争を排除、制限する効果を備えることを証明する証拠がある場合、本条の規定は適用しない。
 国務院独占禁止法執行機関が特定の業界、分野或いは特定の合意に「独占禁止法」第18条3項を適用する別段の規定がある場合、その規定に依拠する。

(新設)第18条 事業者が調査された合意が本規定第17条に掲げる市場シェア及び条件に適合することを証明する場合、独占禁止法執行機関に申請書と以下に掲げる資料を提出しなければならない:
 (1) 事業者と取引相手方との合意の締結と実施に係る情況;
 (2) 事業者と取引相手との株式構成及び支配関係、関連市場における事業情況;
 (3) 事業者と取引相手との合意期間中の年間市場シェア、年間売上高、及び算定根拠;
 (4) 事業者が本規定第17条に掲げる市場シェア及び条件に適合していることを証明するその他の資料。
 独占禁止法執行機関は、事業者が提出した資料を確認後、合意が本規定第17条の規定に適合していると認定した場合、立件されていなければ立件調査せず、立件されていれは調査を終了する。
 独占禁止法執行機関は、前項の立件しない或いは調査終了の決定を下したが、事業者が提供した情報が不完全、真実でない、或いは根拠となる事実に重大な変更が生じた場合、法に基づき調査を実施しなければならない。

参照サイト:https://www.samr.gov.cn/hd/zjdc/art/2025/art_7f869933359940d4b9dc584536b1072b.html

【中国】「知財刑事事件に対する法律適用の解釈」(意見募集稿)の公示(1月18日)

最高人民法院は、1月18日付、最高人民法院、最高人民検察院による「知的財産権侵害刑事事件の処理における法律適用に関する若干問題の解釈(意見募集稿)」(最高人民法院 最高人民检察院就《关于办理侵犯知识产权刑事案件适用法律若干问题的解释(征求意见稿)》向社会公开征求意见)を公示し、3月5日まで一般からの意見を募集している。

中国の刑法は、2021年3月1日に改正法が施行されており、知的財産関係では、第3章第7節の知的財産権侵害に対する犯罪に次の規定がある。
第213条 登録商標虚偽表示
第214条 登録商標虚偽表示の商品販売
第215条 登録商標標識の不正に製造・販売
第216条 特許虚偽表示
第217条 著作権侵害
第218条 権利侵害複製品の販売
第219条 営業秘密侵害
第219条の1 営業秘密の国外供与
第220条 法人処罰

今回の意見募集稿は、これまでに出されている刑事事件に適用する刑法の司法解釈〔2004〕19号、〔2007〕6号及び[2020]10号を廃止し置き換えるもので、全31条からなり、構成は以下のようになっている。
第1条から6条 215条関連
第7条から8条 216条関連
第9条から12条 217条関連
第13条 218条関連
第14条から17条 219条関連
第18条から23条 処罰関連
第24条から29条 算定基準
第30条 被害者の直接告訴対応
第31条 司法解釈の適用
全体的に営業秘密に関する規定が細かく追加規定された内容となっている。

参照サイト:https://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-386871.html
仮訳