【中国】中国日本商会「中国経済と日本企業2025年白書」発表(6月17日)

中国日本商会は、6月17日付、「中国経済と日本企業2025年白書」を発表した。本白書は、毎年、在中国日系企業が直面するビジネスの課題の分析や解決のための建議をまとめ、対中国政府関係機関との対話を促進する目的で作成されている。
 今年度の白書は、「公平な競争」、「対外開放」、「行政の予見性・透明性向上と円滑化」が重点分野で、全27章557件の建議が記載されている。昨年から13件減少した。知的財産は、第2部6章に記載があり、以下の建議が記載されている。

1.知的財産の適切な保護の促進
 (1) 出願権利化プロセス・保護期間の合理化・適正化(建議先:国家知識産権局)
 ① 意匠制度の見直し
 ② 外国の著名商標保護強化
 ③ 商標審査における意見書提出機会の付与
 ④ 「商標法」第10条第1項第7号の適用範囲の明確化
 ⑤ 商標審査における情報提供制度の導入
 ⑥ 商標審査審理の延期
 ⑦ 商標出願の拒絶査定に対する復審の請求期間の延長
 ⑧ 商標コンセント制度の導入
 ⑨ 特許請求の範囲や明細書の記載要件および補正制限の緩和
2.知的財産にかかわる公正な競争環境の実現
 (1) 模倣行為抑制に向けた諸施策
 ⑩ 再犯防止(建議先:国家市場監督管理総局、税関総署、公安部)
 (2) インターネットを介した模倣品販売の対応
 ⑪ 知的財産保護プログラムの整備強化(建議先:国家市場監督管理総局、国家知識産権局、工業情報化部)
 ⑫ 模倣品の海外流出への対応(建議先:海関総署)
3.知的財産にかかわる紛争処理の公平化・合理化
 ⑬ 司法機関・行政機関の期日・期限設定における配慮(建議先:最高人民法院、国家市場監督管理総局、国家知識産権局)
 ⑭ 実用新案権および意匠権行使時の注意義務化(建議先:国家知識産権局)
 ⑮ 情報公開の促進(建議先:国家知識産権局、最高人民法院)
 ⑯ 商標検索システムの安定性と利便性の向上(建議先:国家知識産権局)
 ⑰ ライセンス技術の保証期間等(建議先:商務部)

参照サイト:https://www.cjcci.org/detail/576/576/4980.html

【中国】中国日本商会「中国経済と日本企業2024年白書」発表(7月10日)

中国の日系企業などで構成される中国日本商会は、7月10日付、「中国経済と日本企業2024年白書」を発表した。本白書は、毎年、在中国日系企業が直面するビジネスの課題の分析や解決のための建議をまとめ、対中国政府関係機関との対話を促進する目的で作成し、活用している。従って、日本から中国の現状を理解する上で、大変分かりやすく良い資料である。
 今年度の白書は、「人的交流に関する問題」、「データの越境・管理に関する問題」、「政府調達に関する問題」が重点分野であるが、全28章からなり569件の建議が記載されている。第2部は、競争、知的財産、技術標準など、第3部は、各産業別、第4部は、各地方での現状と建議が記載されている。

知的財産については、第2部6章にまとめられているが、現状を「知的財産の保護強化に向けた取り組みに関する中国政府の姿勢にぶれはなく、目標の実現に向けた歩みは着実に進められているといえる」と評価しながらも、不正な商標出願問題から懲罰的賠償の適用まで幅広く提案をしていることは、それぞれ評価できる内容となっている。
1.現状の概要
2.知的財産の保護の現状と課題
3.知的財産に関する競争環境の現状と課題
4.知的財産に関する紛争処理の公平化・合理化
5.建議 23項目
 ① 知的財産の適切な保護の促進
 ②知的財産にかかわる公正な競争環境の実現
 ③知的財産にかかわる紛争処理の公平化・合理化

参照サイト:https://www.cjcci.org/detail/576/576/4679.html
知的財産部分 https://www.cjcci.org/cj_pdf/2024bs/japan/2-6_Chitekizaisan_JP.pdf

【中国】中国日本商会「中国経済と日本企業2023年白書」発表(6月12日)

中国の日系企業などで構成される中国日本商会は、6月14日付、「中国経済と日本企業2023年白書」14版を発表した。本白書は、中国の在住日系企業が直面する課題の分析や解決のための建議をまとめたものとして、日本から中国の現状を理解する上で、大変良い資料である。今年度の白書は、「税務に関する問題」と「データの越境・管理に関する問題」をテーマにしているが、全体は4部28章からなり、第2部の共通課題には競争、知的財産、技術標準などが、第3部には各産業別の県議となっている。

知的財産については、第2部6章にまとめられているが、権利化プロセス、紛争対応などでの課題を分析し、
1.知的財産の適切な保護の促進
2.知的財産にかかわる公正な競争環境の実現
3.知的財産にかかわる紛争処理の公平化・合理化
に分けて、23項目の建議をだしている。それぞれ同意できる内容である。

参照サイト:知財部分 https://www.cjcci.org/cj_pdf/2023bs/Nouhin230531/Kakusyo/2-6_Chitekizaisan/2-6_Chitekizaisan_JP.pdf
      公示 https://www.cjcci.org/detail/576/576/4440.html

【中国】中国経済と日本企業2021年白書(6月16日)

中国日本商会は、例年の「中国経済と日本企業2021年白書」を発行した。これは、中国における日本企業が課題と考える主題に対する提案主張を毎年建議としてまとめたものである。2021年度版は、対外開放、行政の規制運用・手続、公平な競争の観点からまとめたものであるが、中国のビジネス環境からは「モノ・技術・データの越境・管理に関する問題」が大きな課題である。最近の報道でも、米国企業は中国国内にデータセンターを設立していることには注目するべきであろう。

知的財産権についても、毎年、特別の章立てをしており、各位のご参考になるので、ご一読をお勧めする。

参照サイト:http://www.cjcci.org/userfiles/Japanese(1).pdf