【インド】特許規則改正(2024年3月15日施行)

インド特許意匠商標総局 (CGPDTM)は、3月15日、2003年の特許規則を改正した改正特許規則(Patents (Amendment) Rules, 2024)を公示し、同日施行した。以下にいくつか重要な改正を紹介する。

1.審査請求期限を31か月に短縮(R.24B(1))
 出願の最先の優先日或いは出願日の早い方を起算日とした実体審査請求期限がこれまでの48か月以内から「31か月以内に改正された。インドでの出願日(PCT出願は国内移行日)が2024年3月15日以降の出願に適用される、施行日以前の出願には48か月が適用される。新規導入の延長申請制度適用可

2.期限延長申請の新規導入(R.138)
 改正特許規則に138条に期限延長(Power to extend time specified or condone delay)が新設され、申請により月単位で手数料を支払い最長6か月まで延長できる。企業の延長申請は5万ルピア(電子出願)である。主な延長申請対象手続きは以下の通り:
 PCT出願の国内移行、翻訳の提出など
 実体審査請求
 審査通知書の応答
 関連出願情報の提供
 異議申立に対する意見書などの提出
 年金納付
 特許実施報告

3.対応外国出願の情報提供(R.12)
 対応外国出願の情報提供義務の規則のR.12(2)が、出願日から6か月以内から第1回審査意見通知書の発行日から3か月以内(‘three months from the date of issuance of first statement of objections under sub-rule (3) of rule 24B or sub-rule (8) of rule 24C’ s)と改正され、R.12(3)の審査官の裁量も改正されたことから、提出時期が以下の3回と負担が軽減された。
 (1)出願日から6か月以内(R.12(1A))
 (2)第1回審査意見通知書日から3か月以内(R.12(2))
 (3)審査官から提出を要求された場合、2か月以内(R.12(3)
 いずれも3か月の延長申請ができる。

4.分割出願機会の追加(R13(2A))
 特許規則13条(2)項の特許法第16条に基づく分割出願に、(2A)が追加され、仮出願或いはすでに分割出願している出願から新たな分割出願をすることができるようになった。

5.異議申立制度の改正(R.55)
 (3)項を改正し、付与前異議申立を導入する。異議申立があった場合は1か月以内に審査の可否を決定する。(4)項を改正し、意見書の提出を2か月以内に短縮し、その他の異議関係の期限も2か月に短縮する。

6.手数料の改正、特許年金の減額
 追加特許出願は半額に減額、登録前の異議申立(2万ルピア)が有料など複数の改正がある。電子出願での特許年金納付に10%減額の適用など。

7.特許実施報告(R.131(2))
 予てから負担になっていた特許法第146条のインドにおける特許の商業的実施の程度に関する報告義務に関する規則131(2)が「毎年度1回、当該年度の満了から6か月以内」と義務付けられていたが、改正特許規則では以下のように「3会計年度に1回、当該3会計年度満了後6か月以内」に改正され、一度の報告に複数の特許も含めることができるなど負担が軽減された。また、3か月の延長申請も可能である。なお、提出様式27も変更された。
“(2) The statements referred to in sub-rule (1) shall be furnished once in respect of every period of three financial year, starting from the financial year commencing immediately after the financial year in which the patent was granted, and shall be furnished within six months from the expiry of each such period.
Provided that the Controller may condone the delay or extend the time in filing of such statement for a period up to three months upon a request made in Form 4.”.

参照サイト:https://www.ipindia.gov.in/writereaddata/Portal/IPORule/1_83_1_Patent_Amendment_Rule_2024_Gazette_Copy.pdf 22頁から英文

【インド】特許規則改正の公示(10月19日)

インド特許意匠商標総局(IP INDIA)は10月22日付、10月19日の特許規則の改正(Patents (Amendment) Rules, 2020)を公示し、2019年5月31日付の改正案に基づく、優先権証明書の英語訳の提出(第21条)及び実施報告義務(第131条)の改正を施行した。

第21条のPCT出願における優先権主張の提出は、(1)項と(2)項の改正となり、緩和された。
(1)インドを指定する国際出願の出願人が特許協力条約の規則17.1(先の国内出願又は国際出願の謄本を提出する義務)のパラグラフ(a)、(b)または(bの2:国際事務局が優先権書類を実施細則に定めるところにより国際出願の国際公開の日前に電子図書館から入手可能である場合には、出願人は、優先権書類の提出に代えて、国際事務局に対し、国際公開の日前に、当該優先権書類を当該電子図書館から入手するよう請求することができる。)の要件を遵守していない場合、国際特許条約の規則17.1のパラグラフ(d:指定官庁は、(a)に規定する先の出願が国内官庁としての当該指定官庁に出願されている場合又は当該指定官庁が実施細則に定めるところにより優先権書類を電子図書館から入手可能な場合は、(c)の規定により優先権の主張を無視することはできない。)に従い、出願人は、規則20のサブ規則(4)に記載されている期限の満了前に、当該規則に記載されている優先権書類を特許庁に提出しなければならない。
(2)特許協力条約の規則51の2.1のパラグラフ(e:指定官庁が適用する国内法令は、第27条の規定に従い、出願人に対し優先権書類の翻訳文を提出することを要求することができる。ただし、次の場合に限る。)のサブパラグラフ(i: 先権の主張の有効性が、その発明が特許を受けることができるかどうかについての判断に関連する場合)またはサブパラグラフ(ii:受理官庁が4.18及び20.6の規定に基づき要素又は部分を引用により含めることに基づいて、 20.3(b)(c)、20.5(d)又は20.5.の2(d)の規定に基づき国際出願日が認められた場合において、82の3.1(b)の規定に基づき当該要素又は部分が優先権書類に完全に記載されているかどうかを決定するために、指定官庁が適用する国内法令が、明細書、請求の範囲又は図面の部分については、出願人に優先 権書類の翻訳文のどの部分に当該部分が記載されているかに関する表示を提出することを要求できる場合)が適用される場合、出願人または出願人により正式に承認された者によって正式に検証されたその英訳は、規則20のサブ規則(4)で指定された期限内に提出されなければならない。
(3)(改正なし)出願人が上記(1)項または(2)項の要件を遵守しない場合、特許庁は、状況に応じて、その要請日から3か月以内に優先権書類またはその翻訳を提出するよう出願人に要請しなければならない。、そして、出願人がその対応をしなかった場合、出願人の優先権主張は法の目的により認められない。

第131条の実施報告義務は会計年度終了後3か月以内から6か月以内と緩和され、書式27も改められた
(2)上記(1)項で言及される陳述は、特許が付与された会計年度の直後から始まる会計年度から始めて、各会計年度に関して1回提出されるものとし、特許が付与された会計年度の直後から始まる会計年度から始まり、各会計年度の満了から6ヶ月以内に提供されるものとする。

参照サイト:http://www.ipindia.nic.in/newsdetail.htm?713
 https://kyk-ip.com/2019/06/01/%e3%80%90%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%89%e3%80%91%e7%89%b9%e8%a8%b1%e8%a6%8f%e5%89%87%e6%94%b9%e6%ad%a3%e6%a1%88%e5%85%ac%e7%a4%ba6%e6%9c%881%e6%97%a5%ef%bc%89/