【カンボジア】税関登録制度仮試行(9月1日)

カンボジア税関総局(GDCE :General Department of Customs and Excise)は、2024年9月14日に開催したワークショップで、9月1日より税関登録制度(IPRRS)をトライアルで開始したことを発表した。知的財産権者が積極的に保持する知的財産権を登録することで被疑侵害品の摘発が期待されるとしている。

税関登録制度は、2つの記録制度からなり、一つは知的財産権の登録、もう一つは独占販売代理店(Exclusive Distributorship)の登録である。
●知的財産権登録
・対象となる知的財産権は、現状、商標、地理的表示(GI)、著作権で、特許、実案、意匠は含まれない。
・登録期間は権利期間と対応している。商標は更新後、再登録する必要がある。
・登録料は現在無料である。
・申請者は、知的財産権者或いは法的代理人になる
・記録情報は、
 ①知的財産権者の会社名、住所、登記日、会社番号、連絡先など
 ②知的財産権の種類、登録番号など書誌的情報
 ③真正品や侵害品、模倣品の見分け方の情報
・必要書類
 ①法人登録証(現在事項証明書)
 ②申請者のIDカード、パスポート
 ③真正品を見分けるための写真やビデオ
 ④公証済み委任状
 ⑤対象知的財産権の登録証
 ⑥正規輸出業者、非正規輸出業者のリスト(オプション)

 独占販売代理店登録の詳細は省略するが必要書類などはぼ歩道用である。知的財産権の登録と合わせて、登録者が自ら記録を作成できるために、従来の手作業などと比べ迅速に登録手続きができ、また手続きミスも減少することが期待されている。いずれにしても、並行輸入品の特定が容易になることが期待されている。

参照サイト:https://www.customs.gov.kh/announcements/23543-%E1%9E%9F%E1%9F%81%E1%9E%85%E1%9E%80%E1%9F%92%E1%9E%8A%E1%9E%B8%E1%9E%94%E1%9F%92%E1%9E%9A%E1%9E%80%E1%9E%B6%E1%9E%9F%E1%9E%96%E1%9F%90%E1%9E%8F%E1%9F%8C%E1%9E%98%E1%9E%B6%E1%9E%93-%E1%9E%9F-2
ポータルサイト https://trader.customs.gov.kh/

【ミャンマー】税関登録制度開始(7月14日)

ミャンマー計画財務省は、2023 年 7 月 14 日付、通知第 50/2023 号を発行し、2019年商標法に基づく、税関での登録商標保護のための税関登録の規則、要件、手続を公示した。

税関登録は、指定された必要書類をミャンマー語或いは英語で税関に提出し、申請が受理された場合、申請受領後15日以内に登録番号を申請者に通知する。税関登録は登録後2年間有効で満了期間の30日前までにさらに更新が可能である。
 税関検査は、職権と申立てによる検査であり、差止める場合は保証金を支払う必要がある。侵害判断は商標局が判定すると思われる。侵害と判断された場合、税関或いは知的財産庁の決定により処分される。
 なお検査は、少量の貨物、積替え貨物、積戻し貨物、リテンション貨物、中継貿易貨物を対象としない。

現状では職権での税関検査がどのように機能するか不明なところが多いので、今後の追加の情報が発表されることを待ちたい。

参照サイト:https://www.mopf.gov.mm/my/blog/45/16355

【タイ】税関登録システム運用開始(2022年10月10日)

タイ税関局(Customs Department)は、10月10日付け、2022 年 7 月 27 日付の「商標権侵害品及び著作権侵害品の輸出入・通過管理に関する税関公示」第 106/2565 号を公布( 8 月 4 日付け官報掲載)に基づく税関登録システムのThai Customs IPR Recordation Systems(TCIRs)の運用開発を公示した。運用サイトは、https://ipr.customs.go.thである。タイでの税関登録は、2022年7月29日より開始されているが、このTCIRSの運用が開始されたことにより、旧制度で知的財産局(DIP)に税関登録していた場合、税関局で再登録が必要であるが、利便性が向上する。

税関登録による知的財産権侵害品対応の概要
1.税関登録
 対象:商標権、著作権
 登録者:商標権者、著作権者およびその代理人
 登録期間:申請承認日より3年間、或いは権利期間まで(更新可)

2.税関の対応
 原則:職権調査(なお、個別の調査請求も可能)
 対象:輸出入および通過する貨物
 手続:被疑侵害の差止→貨物関係者及び権利者に通知(3日以内の答弁)→処分
    侵害の場合→起訴・処分 応答なしの場合→押収・処分

参照サイト:https://www.customs.go.th/cont_strc_simple_with_date.php?current_id=142329324148505f4c464b48464a4e