【中国】2021年度知的財産権統計の発表会開催(1月12日)

国家知識産権局は、1月12日、2021年度知識産権統計データの記者発表会を行った。2年前から出願件数の詳細については発表に含めず、登録と全体動向を説明している。

2021年の発明特許登録件数は69.6万件(前年53万件、+31.3%)と急増した。有効発明特許件数は359. 7万件、中国の国内分は香港、マカオ、台湾を除き270.4万件で、目標としてる1万人当たりの保有高付加価値発明特許件数が7.5件となり、前年比1.2件の増加である。
PCT特許出願受理件数は、7.3万件(前年7.2万件)、内、国内出願人は6.8万件(前年6.7万件)である。
審判は、不服審判件数は5.4万件(前年4.8万件)、無効審判件数が7.1千件(前年7千件)である。

2021年度の商標登録件数(国内分)は754.5万件、有効商標件数(外国分含む)は3,724万件である。なお、国内分の商標出願件数は919.2万件である。
マドプロ商標出願件数は5,928件である。商標異議申立審決件数は16.4万件である。

審査期間は、高付加価値発明特許で13.3か月で発明特許の平均は18.5か月、商標は4か月と従来の7か月から大きく短縮したとしている。

発表会で総括された2021年の特徴は以下の通り:
1.国内企業のイノベーションの活力が活発で、2021年末までに、有効発明特許保有国内企業が29.8万社と前年比5.2万社増加しました。
2.特許と商標の質権融資規模がさらに拡大し、2021年の融資額は3,098億元に達し、融資プロジェクトは1.7万件、1.5社(前年比+42%)が享受した。その中で、中小企業の1.1万社(全体の71.8%)が1,000万元未満の融資を受けた。
3.特許技術ではデジタルや医療分野が増加しており、2021年末までの有効発明特許件数が最も急速に伸びているのは、情報技術、コンピューター技術及び医療で、各伸び率は前年比+100.3%、+32.7%、+28.7%となっている。
4.外国企業の動向は、2021年の外国企業の発明特許登録件数は11万件(前年比+23%)、商標登録は19.4万件(前年比+5.2%)であり、アメリカの発明特許と商標登録はそれぞれ前年比+32.1%と+17.3%と増加した。

その他、非正常の特許出願と悪意の商標出願をそれぞれ81.5万件、48.2万件処分したこと、新制度の特許開放許諾申請が110の権利者から608件(内、発明特許572件)があったことも明らかにした。

なお、商標の審査結果は以下の通り。

参照サイト:http://www.scio.gov.cn/xwfbh/xwbfbh/wqfbh/47673/47698/index.htm

【中国】「2020年中国知的財産権発展状況評価報告」を公表

国家知識産権局の直属組織である知的財産権発展研究センターは、10月15日付、記者発表会を行い、「2020年中国知的財産権発展状況評価報告」を発表した。

昨年は9月に発表された同報告書では、2019年の全国知的財産権総合発展指数が2010年を100として279としたところ、更に26ポイント伸びて304.7になり、年平均成長率は11.8%に達したとし、内訳を理由を次のように説明している。創造指数が同様に296.5に増加し、年平均伸び率は11.5%、知的財産権の品質と効率が着実に向上した。運用指数は267.4に増加し、年平均伸び率は10.3%、運用規模は徐々に増加し効果が上がっている。保護指数は339.9に増加し、年平均伸び率は13.0%、知的財産権の司法保護の強化に加え行政保護の強化がされてきている。また、環境指数は315.3に増加し、年平均伸び率は12.2%、知的財産権法律制度体系が改善され、知的財産権サービス能力も向上し、知的財産権保護意識が著しく強化されたとしている。

地区別の知的財産権総合発展指数は、広東、江蘇、北京、上海、浙江、山東が上位6位であり、広東、江蘇、北京はいずれも80ポイントを超えている。2020年全国の各地域の知的財産権総合発展指数は相変わらず沿岸の東部が中西部より優れているという特徴を示している。

国際比較では、2019年度のものになり、中国のランキングは日本をトップの100として、2015年の17位から2018年に8位に浮上し2019年も同じ8位であるが、総合指数は2018年の67.08から2019年の69.15に上がった。2019年の中国の知的財産権能力、パフォーマンス、環境指数はそれぞれ世界で5位、5位と23位で、前年と比べ環境指数は+3.44%、能力指数+2.69%。0.11%上回った。

参照サイト:http://www.cnipa.gov.cn/art/2021/10/16/art_53_170807.html

【WIPO】グローバル・イノベーション・インデックス 2021年版発行 日本は13位 (9月20日)

世界知的所有権機関(WIPO)は、9月20日付、WIPO加盟各国のイノベーション力を評価し例年発行しているグローバル・イノベーション・インデックス(GII、Global Innovation Index)の2021年版をそのサイトで公示した。対象は昨年に1か国増えて132か国、調査項目は81で、今年度版ではCOVID-19危機のイノベーションに対する影響を調査対象としている。

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2021年度版では以下の項目が注目されるポイント:
・科学的成果、研究開発支出、知的財産とベンチャーキャピタル(VC)取引は2020年も引き続き増加し、危機前の強力な業績を構築
・世界のトップ企業の研究開発支出は2020年に約10%増加、研究開発集約型企業60%増加
・VC取引数は2020年に5.8%増加、過去10年間の平均成長率を上回った。2021年はさらに活気のあるVC活動
・危機の影響は業界間で不均一。

イノベーション能力と生産量に関する年間ランキングでの注目されるポイント:
・スイス、スウェーデン、アメリカ、イギリスが引き続きがリード
・韓国は2021年に初めてGIIのトップ5に
・中国は14位から12位に上昇
・トルコ(41位)、タイ(43位)、ベトナム(44位)、ロシア(45位)、インド(46位)、ウクライナ(49位)、モンテネグロ(50位)が今年のGIIトップ50に入った
・インド、ケニア、モルドバ、ベトナムは11年連続でイノベーション向上持続記録を保持
・ブラジル、イラン、ペルーは2021年に初めて前年度を上回った。

参照サイト:WIPOサイト 日本語サイト

【中国】2020年特許侵害訴訟は28%増、CNIPAは中国知識産権保護状況を公示(4月25日)

国家知識産権局(CNIPA)は、4月25日付、「2020年知識産権保護状況」と題する白書を公表した。これには、保護状況、制度建設、審査登録、文化建設と国際協力などの面から2020年の中国知的財産権保護の実践と進捗状況がまとめられているが、毎年注目される中国での知財紛争の統計がまとめられている。最高人民法院の統計は2月27日の投稿をご参照ください。

(1)民事訴訟事件
2020年、地方の各クラス人民法院は民事一審事件を443,326件受理し、前年比+11.1%増加した。内訳は下記の通りだが、特許侵害訴訟が28%と最も増加している。審決は、第一審442,722件処理し、前年394,521件に+12.2%増加、第二審の受理は約-15%の6.7千件減少し42,975件、処理は43,511件で+10.7%増加した。

(2)行政訴訟事件
2020年、地方の各クラス人民法院は行政一審事件を18,464件受理し、前年比+19.11%増加した。この内、特許事件は1,417件(前年比-14.7%)、商標事件は17,035件(前年比+17.8%増)、著作権事件は12件で前年16件から微減である。第二審は6,092件受理、6,183件処理し、前年比それぞれ-16.6%減小、+4%増加した。原審維持率は79%と1%減少した。

(3)刑事訴訟事件
2020年、地方の各クラスの人民法院は刑事一審事件を5,544件受理、5,520件処理し、それぞれ前年比+5.7%、+8.8%増加した。その内、登録商標類侵害事件は4,788件(前年比-3.9%)、著作権侵害事件は273件(前年比+42.9%)、営業秘密侵害事件は45件(前年比+15.4%)である。

(4)地方の行政管理監督局知識産権部門行政処理事件
2020年、地方の知識産権部門のが処理した特許と商標の紛争事件は以下の通り。
特許:虚偽表示事件0.71万件、侵害紛争事件4.2万件(前年比全+9.9%増)
商標:違法事件3.13万件、没収罰金7億元、司法移送事件811件

参照サイト:http://www.gov.cn/xinwen/2021-04/25/content_5602104.htm

【中国】2020年度商標出願の評審など統計

中国商標局評審(審判)部門(元商標評審委員会)は、2月5日付、2020年度の商標出願拒絶査定再審請求、無効宣言請求(無効審判)などの統計データを公示した。なお、対象期間は、2019年12月16日から2020年12月15日である。

1.評審受理件数
2020年の各種評審受理件数は367,029件、前年比+1.7%増。
内、査定系拒絶査定再審の受理件数は298,171件、前年比-1.3%減。
当事者系再審案件の受理件数は68,858件、前年比+16.9%増。当事者系事件の構成比が前年比+9.8%増。
なお、2019年の受理件数は360,996件(前年比+15.2%)、2018年の受理件数は322,107件(前年比+53.0%)と審判件数の増加率が減少している。

2.評審処理件数
2020年の各類評審処理数358,285件、前年比+7.8%増。当事者系事件は+19.5%増。
なお、2019年は337,154件(前年比+32.8%)、2018年は265,246件(前年比+52.9%)である。

3.2020年度分処理内訳
月毎の変動を避けるために3月から12か月迄の10か月分を以下の通り纏めた。拒絶査定に対する不服の勝率は24%、無効取消での勝率は60%弱と比較的高く、不使用取消などの勝率も高いため活用レベルは高いと思われる。

4.行政再審申立
2020年の行政再審申立受理件数は、1,217件、前年比+20.1%増、処理件数1,153件、前年比+40.8%増。
なお、2019年受理件数は1,018件(前年比+46.9%)、処理件数936件(前年比+52.2%)

5.行政不服訴訟
2020年の行政訴訟第一審受理件数は、14,977件、前年比+4.8%増、第二審受理件数5,933件、前年比+5.1%増。再審請求受理件数は939件、前年比+63.3%増。
なお、2019年の第一審受理件数は14,292件(前年比+26.8%)、第二審受理件数5,643件(前年比+37.7%)、再審請求受理件数は575件(前年比+38.2%)

参照サイト:http://spw.sbj.cnipa.gov.cn/gzdt/202102/t20210205_325920.html

【中国】特許、商標の2020年10月迄の統計、増加継続

国家知識産権局は2020年10月度までの特許及び商標等の出願、登録の統計情報を公示しました。特許出願では、対前年同期比で発明+11%、実案+33%、意匠+7%とそれぞれ増加しており、年末までこの傾向で進みそうである。商標出願も同じく+20%増加している。発明特許出願での注目は、外国からの出願件数は125,846件で、2019年の75,986件に+65.6%増加しているが、詳細は不明である。

各種別のごとの詳細は下記の通り:

種別内容10月迄2020年 2019年 伸び率 
特許出願発明1,231,7061,110,183110.9%
 実案2,393,2221,793,919133.4%
 意匠624,193583,222107.0%
 PCT55,43044,874123.5%
 再審請求44,70045,00099.3%
特許登録発明412,830378,363109.1%
 実案1,949,2361,262,928154.3%
 意匠618,684440,185140.6%
 無効申立4,9005,00098.0%
商標出願7,567,5106,329,831119.6%
 異議申立108,679122,13689.0%
 登録4,645,3465,505,90784.4%
 無効申立42,65934,671123.0%
地理的表示登録615369166.7%

参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/module/download/down.jsp?i_ID=154945&colID=87

【中国】2019年上期の商標審判状況(8月4日)

商標局審判部は、8月4日付、2019年7月までの審判事件の状況を総括し、前年同期比50%弱の増加状況を報告した。詳細は下記の通り。

1.商標審判事件の受理状況
各種類の審判事件受理は、229,202件、前年同期比+49.6%増
内訳、却下再審請求は、198,645件、前年同期比+51.7%増
当事者系事件は、30,557件、前年同期比+37.3%増。

2.商標審判事件の審理状況
各種類の審判事件処理は、18,797件、前年同期比+33.99%増

3.商標審判事件の行政再審査状況
行政再審請求受理は、528件、前年同期比+31.3%増
行政再審処理は、483件、前年同期比+21.0%増。

4.商標審判事件の行政訴訟状況
行政訴訟一審事件は4,337件、二審事件は958件、内、判決5,188件。
敗訴事件は1,082件(20.8%)で、事情の変更による敗訴は783件(72.4%)、その他は66件(6.1%)
上訴事件は233件(21.5%)

参考サイト:
http://spw.sbj.cnipa.gov.cn/gzdt/201908/t20190804_305396.html