ヨーロッパ特許庁(EPO)は、4月7日の通知で、5月から審査部と異議部でのビデオ会議による口頭審理の議事録を作成するために人工知能(AI)を活用するパイロットプロジェクトを開始することを公示した。これにより、口頭審理の議事録の質をさらに向上させ、より効率的に提供することを目指すとしている。EPOは、パイロットプロジェクトの結果を受けて、段階的に他の業務にも拡大することを予定している。これは、EPOの戦略的計画2028の一部となっている。
AI支援による口頭審理議事録の作成
EPOは、審査の質と効率の向上を目的として、AIと機械学習を活用しており、主に分類、検索、機械翻訳で活用している。2025年5月から審査官による口頭審理の議事録作成でも活用を開始する。EPC規則124(1)に基づき、口頭審理の要点及び当事者の関連陳述を含む議事録を作成するが、審査官が議事録作成においてAIを最大限に活用できるよう口頭審理の全容を音声録音する。
このパイロットプロジェクトは 2025 年末まで実施される。その後、運用状況の見直しを行い、審査部および異議部でのすべての口頭審理、ならびに受理部および法務部での口頭審理に段階的に適用する予定である。
参照サイト:https://www.epo.org/en/news-events/news/minutes-oral-proceedings-be-prepared-assistance-ai