【欧州】EPO審判にAI活用開始(4月7日)

ヨーロッパ特許庁(EPO)は、4月7日の通知で、5月から審査部と異議部でのビデオ会議による口頭審理の議事録を作成するために人工知能(AI)を活用するパイロットプロジェクトを開始することを公示した。これにより、口頭審理の議事録の質をさらに向上させ、より効率的に提供することを目指すとしている。EPOは、パイロットプロジェクトの結果を受けて、段階的に他の業務にも拡大することを予定している。これは、EPOの戦略的計画2028の一部となっている。

AI支援による口頭審理議事録の作成
 EPOは、審査の質と効率の向上を目的として、AIと機械学習を活用しており、主に分類、検索、機械翻訳で活用している。2025年5月から審査官による口頭審理の議事録作成でも活用を開始する。EPC規則124(1)に基づき、口頭審理の要点及び当事者の関連陳述を含む議事録を作成するが、審査官が議事録作成においてAIを最大限に活用できるよう口頭審理の全容を音声録音する。
 このパイロットプロジェクトは 2025 年末まで実施される。その後、運用状況の見直しを行い、審査部および異議部でのすべての口頭審理、ならびに受理部および法務部での口頭審理に段階的に適用する予定である。

参照サイト:https://www.epo.org/en/news-events/news/minutes-oral-proceedings-be-prepared-assistance-ai

【欧州】EPO2024年度特許出願統計(3月25日)

ヨーロッパ特許庁(EPO)は、3月25日付、Patent Index 2024を公示し、2024年の特許出願は199,264件(前年比-0.1%)と僅かに減少したことを報告した。EPO加盟39か国の出願人の出願は、前年比+0.3%と増加したが、EU加盟27か国からの出願が-0.4%減少、EU域外からの出願も同様-0.4%減少した。

EPO加盟国の出願は全体の43.3%を占め、ドイツが引き続きトップで全体の12.6%を占める。増加した国では、アイルランド(前年比+4.4%)、スイス(同+3.2%)、イギリス(同+3.1%)、スペイン(同+3.0%)、フィンランド(同+2.7%)である。欧州域外からは、アメリカ(前年比-0.8%)、日本(同-2.4%)、中国(同+0.5%)、韓国(同+4.2%)となっている。

出願の多い技術分野は、コンピュータ技術、電機・装置、デジタル通信、医療技術、通信がであるが、出願件数が増加したのは電機・装置(+8.9%)でクリーンエネルギーやバッテリー技術が含まれる。コンピュータ技術(+3.3%)では機械学習やパターン認識などのAI分野を含まれる。輸送(+3.5%)とバイオテクノロジー(+5.4%)も同様に成長した。

出願ランキングトップ10は以下の通り、日本企業の10位以下は、パナソニック(17位)、キャノン(21位)、日立製作所(25位)となっている。

参照サイト:https://www.epo.org/en/about-us/statistics/patent-index-2024

【欧州】EPO2019年度出願統計を公示、前年比+4.0%(3月13日)

ヨーロッパ特許庁は2019年の出願受理件数が181,406件(2018年174,481件)と前年比+4.0%の増加であったと報告した。登録は、137,784件と前年比+8%である。

出願全体の45%が欧州域内38か国からのもので、アメリカ(25% 、1%減 )、日本(12%、1%減)、中国(7%、2%増 )と韓国(5%)のアジアからが全体の24%を占める。日本からの出願は前年比2.3%減少した。

出願ランキングは下記の通り、日本企業はソニー9位、パナソニック18位、日立製作所19位、キャノン21位、三菱電機23位と続いている。

参照サイト: https://www.epo.org/news-issues/news/2020/20200312.html http://documents.epo.org/projects/babylon/eponet.nsf/0/BC45C92E5C077B10C1258527004E95C0/$File/Patent_Index_2019_statistics_at_a_glance_en.pdf