【中国】「標準必須特許独占禁止ガイド」の公布(11月8日)

国家市場監督管理総局(SAMR)は、競争を排除或いは制限し、公正な市場競争を保護し、イノベーションを促進し、経済の効率を改善し、消費者と社会公共の利益を保護し、事業者が標準必須特許を濫用することの防止、阻止することを目的として、8月26日に第22回局務会議で採択された、「標準必要特許独占禁止ガイド(标准必要专利反垄断指引)」を地方政府の市場監督管理局に11月4日通知するとともに、2024年11月8日に国市監反執一発〔2024〕102号として公布した。

本ガイド(手引き)は、公正な市場競争保護の緊急な必要性、独占禁止制度規則固有の要件を細分化、グローバル・ガバナンスの動向に対応するための具体的な取り組みから必要としており、標準必須特許の分野における独占禁止法の監督と執行に関する関連する制度・規則を明確にし、情報開示、ライセンス契約、誠実な交渉、ハイリスクの行為の防止などの行動指針を強化やシステムの適切性と運用性の強化、独占禁止法監督と法執行の安定性と透明性の向上、そして、業界の公平な競争を規範化、指導、革新を奨励するを形成することに有利であるだけでなく、各国の産業発展のニーズに合わせて、的確な政策や措置になるよう策定されている。

本ガイドは全6章22条からなり、主に以下を規定しているが、標準必須特許の市場競争における難問に積極的に対応し、独占禁止法の適用の基本枠組みに基づき、関連認定規則と考慮要素を細分化し、標準必要特許権者と実施側の利益バランスを両立させながら事前の予防と事後懲戒処罰を規定している。
第1章 総則(1〜5条) 目的、根拠、定義
第2章 標準必要特許に関する情報開示、ライセンス許諾及び誠実な交渉(6〜8条)
第3章 標準必須特許に関する独占協定(独占合意)(9−11条)
第4章 標準必須特許に関する市場での支配的地位の濫用行為(12〜18条)
第5章 標準必須特許に関する事業集中(企業結合)(19〜20条)
第6章 附則(21-22条)

参照サイト:https://www.samr.gov.cn/zw/zfxxgk/fdzdgknr/fldzfys/art/2024/art_77e07edb4b7f4b72844a37c9add3e9fe.html
全文はひとりごとサイト

【中国】標準必須特許ライセンス運用指南(4月25日)

北京市知識産権局は、2024年中関村フォーラム初日の「世界知的財産権保護・イノベーションフォーラム」において、北京市知識産権局が中心北京市知識産権公共サービスセンターと中国国際貿易促進委員会商事法律サービスセンターとともに発行した「標準必須特許ライセンス運用ガイドライン(标准必要专利许可操作指南)」(以下「指南」)が発表した。

 北京市は、地域的な発展の必要性もあり、重点法域での標準必須特許(SEP)に関する法律法規、政策文書、司法事例を整理し、標準必須特許の焦点となる問題に関する司法動向と政策の傾向を分析、整理し、標準必須特許ライセンス活動でのリスクと運用上の提案として、イノベーション主体に実用的な参考資料としている。
 指南は以下の通り、標準と標準必須特許の基本概念から紛争解決までの4部17項目と添付資料で79頁からなり、中国でのSEPライセンスではたいへん参考になる。

標準及び標準必要特許の基本概念の紹介
 1. 標準
 2. 標準組織
 3. 標準組織の知的財産権政策
 4. 標準必須特許
 5. 標準必須特許製品
 6. 公平、合理、無差別の原則
ライセンス活動基本手順
 1. 二国間ライセンス交渉手順
 2. パテントプール許可
 3. ライセンス料の計算
その他のホットな問題
 1. ライセンスレベル
 2. 特許ハイジャック、リバースハイジャック、ライセンス料スタック
 3. グローバルレート
 4. 禁止事項
ライセンス紛争の解決
 1. 裁判外紛争解決
 2. 訴訟
 3. 行政裁決
 4. 独占禁止申立
別添1:世界の主なパテントプール基本状況の紹介
添付2:典型的な事例の概要
添付3:参考資料

参照サイト:https://zscqj.beijing.gov.cn/zscqj/zwgk/tpxw/436429396/index.html

【中国】「自動車業界標準必須特許許諾ガイド」の発表(9月13日)

中国通信院によると、9月13日付、IMT-2020(5 G)推進グループ、中国自動車工学会知的財産権分科会(中国汽车工程学会知识产权分会)、中国自動車標準必須特許作業部会(中国汽车标准必要专利工作组)、業界専門家を組織し、自動車産業の質の高い発展をさらに促進し、異なる産業間の積極的な相互作用と統合された発展を形成するための参考資料として、「自動車業界標準必須特許許諾手引(汽车行业标准必要专利许可指引)」2022年版を作成し発表したので、その概要をご紹介する。

手引は中国で初めて自動車の標準必須特許(SEP)許諾のコアとなる原則とライセンス料算定の原則を説明している。そして、ライセンスでの中心となる原則については、特許権者と実施者のライセンス交渉時の利益均衡の原則、FRAND(公平、合理的、非差別的)の原則、業界チェーンのすべての実施者にライセンスの原則及び違う業界で差異に対応する交渉の原則を遵守することを奨励している。また、合理的なライセンス料算定の原則では、自動車製品に対するSEP技術の実際の価値の貢献度、業界累積ライセンス料率、特許権者が保有するSEP数、特許地理的分布などの要素を考慮すべきであること、SEPライセンス料算定では、トップダウン方式、類似するライセンス契約方式などが採用できることなどが言及されている。

詳細は、下記のサイトと手引きを参照ください。

参照サイト:http://www.caict.ac.cn/xwdt/hyxw/202209/t20220913_408833.htm
仮訳