【ルーマニア】統一特許裁判所協定(UPCA)発効(9月1日)

ルーマニア政府は、2024年5月31日に統一特許裁判所協定(UPCA)を批准する手続きをとっており、9月1日より発効し、18番目の加盟国となる。これにより、2024年9月1日以降に発効する欧州単一効特許(UP)はルーマニアを自動的にカバーすることになる。ヨーロッパ特許庁(EPO)は、これを受けて、2024年6月5日、単一効の登録を2024年9月1日以降まで延長して請求を受ける通知を公示していた。

 2023年6月1日に単一特許が発効して以来、EPOは3.4万件を超える単一効の申請を受け、3.3万件の単一特許を登録した。この制度には、欧州企業から高いニーズがあり、今年上半期の単一効の申請の63%がEP加盟国からなされ、32%以上が中小企業と個人発明家の申請である。また、今年登録になった欧州特許の約4分の1が単一効特許になっている。なお、ルーマニアの加盟により、1,000以上のユーザーが、登録を9月1日以降まで延期する申請をしている。

参照サイト:https://www.epo.org/en/news-events/news/unitary-patent-now-covers-romania

【欧州】統一特許裁判所協定の準備開始(1月19日)

ヨーロッパ特許庁(EPO)は、1月18日付、オーストリアが統一特許裁判所協定(UPCA)の暫定適用に関する議定書(PAP)の批准手続きをEU理事会に行ったことを受けて、統一特許裁判所(UPC:Unified Patent Court)の設置準備が1月19日にスタートしたとのニュースリリースを公示した。

BrexitのためにUPCA署名国からイギリスが離脱し、現在はドイツ、フランス、イタリアの3か国をベースにEU加盟国13か国がPPA第3条の条件を満たす状態となっており、オーストリアが批准手続きを行ったことで長く待たれていた条件が整い、UPCと単一特許制度(UP:European patent with unitary effect)の開始に向けた非常に重要な進捗である。今後はドイツ政府の手続き次第での進捗となるが、UPCAの発効はドイツが批准書を寄託してから4か月後にUPCとUPの準備が稼働することになる。つまり、早ければ7か月後の2022年末にはさらなる進展が見られそうである。

参照サイト:https://www.epo.org/news-events/news/2022/20220117.html

【欧州】オーストリアがPAP批准手続き完了(12月2日)

ヨーロッパ特許庁(EPO)は、12月3日付のニュースリリースで、オーストリア議会が統一特許裁判所協定(UPCA)の暫定適用に関する議定書(PAP)の批准手続きに関する手続きを12月2日に完了したことを報じた。これは、UPCA署名国からイギリスが離脱したことから現在でドイツ、フランス、イタリアの3か国をベースにEU加盟国13か国がPPA第3条の条件を満たす状態となり、新しい司法と単一特許制度(UPC)の開始に向けた非常に重要なステップでなる。
 オーストリアが批准書をEU理事会に寄託するとすぐに、すべての準備が完了するための暫定期間が始まり、UPCを設立するための最終的な準備措置を講じ、UPCの作業を開始できるなる。統一特許裁判所の最終準備作業が完了すると、ドイツがUPCAの発効はドイツが批准書を寄託してから3から4か月で統一特許裁判所と単一特許制度が稼働することになる。つまり、早ければ2022年末にはそうした状況が生じることになる。

 ドイツが2020年11月26日にUPCA批准の同意を含む法案に必要な資格のある過半数が採択してから1年が経ち、当初の予定より1年遅れで進捗が見られそうである。

参照サイト:https://www.epo.org/news-events/news/2021/20211203a_fr.html